まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

標的の村

2013-11-09 23:06:03 | ドキュメンタリー(は~わ行)

米軍の訓練場に周囲を囲まれている東村高江の集落、自然の恵みが豊富なこの地区をさらに囲むように、ヘリパッドが新しく建設されるという。防衛省から住民にはきちんとした説明はなく、ただ工事の開始が迫る。公権力の強行に対して沖縄の人が伝統的に用いている抵抗手段が「座り込み」。しかし、国は今回SLAPP裁判を仕掛けてきた。しかも告訴した中には現場にいなかった子供の名前まで入れて。

普天間基地の辺野古移設問題も、新しく知った事実に驚きです。米軍が沖縄を占領していた当時、辺野古に大規模な空海軍基地を作る計画があったが予算不足で断念したというのだ。米軍沖縄基地としては、日本政府が金を出して辺野古に飛行場を作ってくれれば万々歳というわけで、自民党はしたり顔をして「普天間返還」などと言っているが、その実は米軍にとっても使いづらい普天間から、米軍の使いやすい場所に日本の金で飛行場を作るだけのこと。こうした内容は、沖縄では当たり前かもしれないけれど本土では一切報道されない。御用メディアには何の期待もしてないけれど、ここまで馬鹿にされると頭にくるなあ。

オスプレイの配備も然り。米軍の内部文書には、オスプレイそのものの計画当初から普天間に配備する予定があり、当然日本の防衛担当者とも話をしていたんだけど、国は沖縄に対して「何も知らない」の一点張り。役人も東電も、理屈が通らないことでも壊れたテープレコーダーみたいに同じ言葉を繰り返していればいいから楽だよね。自尊心や正義感さえ捨てればいいんだから。

そしてついに、国から沖縄そして住民にはまともな説明がないまま、岩国基地にオスプレイが陸揚げされる。いよいよ普天間にオスプレイが配備されるという日、普天間では前代未聞の事態が起きていた。全国ニュースでは殆どの社で黙殺された「普天間基地封鎖」。沖縄県警の強制排除が始まるまでの22時間にわたって、普天間基地のすべてのゲートを沖縄の人が封鎖したのだ。ゲート内で警備している米軍兵士が、明らかにイラついている様子が分かる。

結局、この日予定されていたオスプレイの普天間配備はなく、沖縄県警が強制排除を始める。座り込みを続ける市民を3人4人がかりで連れ出し、報道関係者も区別なくゲート前から遠ざける。ゲートをふさぐ形で停めていた車はレッカーで移動し、封鎖している住民からは安里屋ユンタの歌が流れ、「同じ沖縄人として悔しくないのか」と若い警察官に詰め寄るが、警官たちは無表情に排除作業を続ける。現地民の一部を権力側につけて彼らに現地人を支配させる方法は、まさに植民地経営そのもの。日本政府は沖縄に対して酷い扱いをしているけれど、よく考えたら日本に対してアメリカがやっていることと同じだと思うと複雑な気分。

住民の抵抗もむなしく、岩国基地からゆうゆうと飛んでくるオスプレイ。宗主国アメリカの顔色を窺い住民には理屈のとおった説明ひとつできない日本政府、この無駄に権力を振りかざす魔物にどうやって対峙していけばいいのだろうか。

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