疾風スプリンター 破風

自転車ロードレースを舞台にした青春活劇の本格的スポーツ映画。監督は『激戦　ハート・オブ・ファイト』などの林超賢ダンテ・ラム、主演は彭于晏エディ・ポン、竇驍ショーン・ドゥ、王珞丹ワン・ルオダン。

ロードレースチーム「ラディアント」のメンバーテストに合格して、エースジウォン（チェ・シウォン）のサポート役となったミン（彭于晏）とティエン（竇驍）。互いに切磋琢磨しながら友情を深め、台湾各地を転戦するチームの主力選手となる。怪我からの再起を図る女性チームのシーヤオ（王珞丹）との恋模様も織り交ぜながら、チームラディアントは年間優勝を狙う位置にいたが、資金難からチームは解散、ジウォン、ミン、ティエンはそれぞれ別のチームへエース格で移籍しライバルとなる。

ミンはジウォンと互角の実力を見せるが、勝利に固執するあまりチームメイトといざこざを起こして出場停止になってしまい、ここ一番の爆発力が足りず勝てないティエンはエースの座が危うくなってドーピングに手を出してしまう。リハビリを経てレースに復帰したシーヤオだったが、接触して転倒し靭帯の移植が必要な大怪我を追う。ミンがドナーとなり、日常生活を送れるまでに回復したシーヤオは、自転車競技への復帰は不可能と言われボート競技に活路を見出す。

シーヤオや元のチーム「ラディアント」の関係者から刺激を受け再起を期すミンは、韓国で競輪選手となっていたティエンをパートナーに呼び、中国の砂漠地帯で開催されるレースに挑む。。。

ロードレースシーンの迫力が凄い！市街地の交差点を大人数で曲がったり、山岳コースの下りを猛スピードで追ったり、ツール・ド・フランスなんかで少しTV中継を見たことはあったけど、チームやエース、ライバルの状態に応じて戦略があるのだなあ、と感心します。そして彭于晏や竇驍、シウォンに王珞丹が殆ど本人が乗っていることにもびっくり！かなりパンパンに張った太腿をしていたし、転倒での怪我はつきものだし、トレーニングは大変だったことでしょう。彭于晏はもともと筋肉のついたがっしりとかっこいい体をしていたけれど、この映画ではなおさらキレも彫りも増している気がします。そしてシーヤオ役の王珞丹が可愛い！ショートカットで榮倉奈々っぽい雰囲気がありました。

自転車がテーマの映画といえば、自転車での台湾一周（環島）を描いた『練習曲』に、最近では『南風』が思い浮かびますが、台湾では自転車のロードレースはメジャーなスポーツなのでしょうか？日本ではロードレーサーに乗ったりしている人は以前よりかなり増えた気がしますが、スポーツとしてはまだまだマイナー、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアのあるヨーロッパが本場だなあという感じです。

団体競技のチームワークや、ドーピング問題などの見せ所もてんこ盛りな良質のスポーツエンタテイメント作品でした。

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1/14　新宿武蔵野館