えくぼ

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天才も怖い

2016-12-28 09:31:30 | 歌う
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 ▲ 慎太郎という名の牛が荷車のわれらを運び由布島をめぐる  松井多絵子
     
 由布島を牛車で観光したのは4年前の3月だった。「牛車はご自分でお選びください」とガイドさんに言われて私は慎太郎という名の牛車を選んだ。座席は8席だったと思う。大嫌いな石原慎太郎に私を運ばせ島を観光した。いい気分だった。

 「今年売れた本」の NO1は「天才」、著者は石原慎太郎である。日曜の☀新聞に2016年のベストセラー20位まで発表されていた。ライター・武田砂鉄が次のように書いている。
 
 「100万部に迫る勢いの『天才』は田中角栄の金権政治を批判してきた石原慎太郎が<現在のこの国の態様を眺めれば、その多くが彼の行政手腕によって現出したということがよく分かる>との理解を新たに得て、一人称で生涯を振り返る一冊」
 
 「取材を重ねたわけでもなく、既存の評伝から抽出したエピソードを組み合わせただけに読 めるが「俺はいつか必ず故郷から東京に出てこの身を立てるつもりでいた」との一文に始まる、分かり易すぎる立身出世物語に仕上げることで、彼の野心を記憶している世代のノスタルジーを刺激した。それこそ著者の都知事時代の責任が問われることにもなった豊洲市場の盛土問題など、<現在のこの国の態様>に問うべき議題がいくらでも生じた年に、社会時評のコーナーを角栄関連の本が占拠した光景には物悲しさを覚えなくもない」、
 
 「文芸書の世界では、いずれも50万部を突破した本屋大賞の✿宮下奈都著『羊と鋼の森』
7位 芥川賞の✿村田沙耶香著『コンビニ人間』が受賞によって売上を伸ばし8位。受賞作以外ではバラエティ番組の<読書芸能人>特集で芸人の推した小説が軒並み重版となったのが印象的だった」と武田砂鉄は述べている。氏は1982年生まれ。著書に『芸能人寛容論』

     語り合うことみな昭和の頃のこと寺山修司、春日井建も

         12月28日  昭和の語り部・松井多絵子