えくぼ

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過労老人の行く末

2016-12-07 09:23:28 | 歌う
            過労老人の行く末


 ♥ 長者町ここに住む人みな長者、そんなことない風が冷たい 松井多絵子 

 秋にかけて進んだ円高で企業業績が低迷し、国の財政にも影を落としている。12月16日号の「週刊朝日」の広告~「過労老人に転落する人」は「あなたもその一人になるかもしれませんよ」と言われているような気がする。「過労老人」~この国は死ぬまで労働を強いる。

 ① 住宅ローン返済のため、大手企業退職後もコンビニでレジを打つ60代男性
 ② 妻の病気で貯金尽き、新聞配達を始めた70代男性
 ③ 離婚した娘と孫が舞い戻り、建物管理のバイトを始めた70代男性 
 ④ パラサイト息子の奨学金返済で求職中の80代女性
 ⑤ シルバー人材センターに経済目的の加入者が続々
                           
 広告にあるように ①わが家の近くのスーパーで初老の店員が多くなった、レジでは半数がシルバー男。②新聞配達も青年ではなくお爺さんめいた男 ③④ 息子や娘、孫たちへの援助のため働いているらしい老人 ④旅行の添乗員は60過ぎが多くなったようだ。
                                
 いま60代は老人ではない。サービス業にふさわしい年齢かもしれない。旅行の添乗員は若い人より頼りになる。ときには話し相手にもなってくれる。或いはこういう老人に若い人びとの職が奪われている、ことだってある。でも子育てが終わり働いている中高年の女性の収入に頼る子供や孫たちは甘えすぎではないか。

 ♥ むかしむかしすれ違うたびときめきし光の君を今夜も避ける
                               
 30年前のプリンスが「押し売り男」になってしまった。近寄れば高額商品を買わされる。誰それを紹介してくれ。などなど。「若い頃は私のことを無視していたのにねえ」と老女たちは囁く。還暦すぎても枯れない容姿の男だが、「アナタはまだお若くて魅力的ですね」などと言われても嬉しくない。「どうせ私に散財させてたいんだから」「それなら息子や娘や孫たちにご馳走したりプレゼントした方が楽しいわ」などなどの陰口。「光の君」は今では
「陰の君」になったことをご本人ご存じないらしい。

    ♥ 飛ぶことのできないわれは歳末の夜道をひとり歩いて帰る
                                  
              12月7日  松井多絵子