・・・ ほめられたい ・・・
☀ われのみとなり終点へ行くバスにわっと入りくる夕日の遊子 松井多絵子
欠点のない人なんているはずがないと思いながら、私は数々の欠点を抱えて生きてきた。加齢と共に自分の欠点に鈍感になったが、老いという新たな欠点に悩まされている。そんな私を偶にほめてくれる人がいると、夕日に包まれたような気分になる。今日の朝刊朝日の
「人からほめられたい?叱られたい?」という読者へのアンケート調査の結果を読む。
回答者2006人の93%が 「人からほめられたい」人達である。その理由は 単純にうれしくなる、やる気や自信が高まる 前向きになれる。この中に褒められたことがない人が13%。教育評論家・尾崎直樹は 「人は叱られるより、ほめられた方が伸びる。脳科学や心理学、社会学でも実証済みです」。 しかし「ほめられたい人達」の58%が人を叱っている、人をホメることの苦手な人達でもある。叱らなければならないことだってあるのだ。
わたしの周りに 「ほめ上手なひと」 が何人かいる。「宝くじは買わなければ当たらない、アナタもどんどん投稿したら認められるのに」などと言われるとやる気になる。「ほめ上手な人」は順調に過ごしている人が多くおおらかだ。「ゆとり」がある。相手を利用するためにホメるのではない。自分のライバルを潰すためにホメる 「ホメ殺し」 というのもあるらしい。ホメられていい気分になり怠けてダメになってしまう甘い人間も多いのだ。
このアンケートで「叱られたい」と応えた人が7%いる。自分のための指南、間違いを指摘してほしい、過保護や過干渉は困る、ホンネが聞きたい。この7%の人々は自分を甘やかさないアッパレな人達だ。この少数のひとが生き残れるのではないか。
「そのうちに何とかなるさ」「そのうちに冬が来てそして、いつまでも冬」
秋はもう海の彼方へ行ってしまって、もう冬ですねえ。10月25日 松井多絵子