「あおによし奈良を巡る~①~」
三年前の今頃でした。一日二万歩、二日間続けて奈良を歩いたのは、飛鳥を歩いたのは。
★★「あおによし~①~」★★ 松井多絵子
山の辺の道を流れているような東へゆくのか西へゆくのか
広すぎる野をあてもなくただ歩く広すぎる空の雲は動かぬ
いくたびも風の曲線くぐりぬけ古代に来ておりジーンズのまま
うなだれる亀石の首を小突けども叩けどもふかく眠りていたり
われを見るわれの心を見るような一人の青年、埴輪の武人
このような風もなくよく晴れた日は笑ってごらん耳成山よ
おいしいというよりやさしい味がする斑鳩の里の古代米弁当
三輪山のふもとのあたりを歩くとき「ごーん、ごーん」と背なを打つ鐘
この辺りですか額田王がロングドレスで散策したのは
※山のふもとの青葉のなかを私は額田王のような気分で歩いたのでした。
思い出を楽しむ松井多絵子