えくぼ

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朝日歌壇5月6日

2013-05-06 15:13:57 | 歌う

            「朝日歌壇5月6日」

 あたりは新緑、色とりどりの花、こんな気持ちのよい季節に別れ、挫折、老いはより悲しく辛いですね。今週は春愁の歌を採りあげてみます。

<佐佐木選>
❤ずっとずっと君の心が欲しかった今日を限りに過去形にする
                       (国東市)   水無瀬ゆう

 君への思いをきっぱり断とうとする作者。今日という期限を設けたことがいじらしい。

<高野選>
❤妻よりも母でいたくて夫ひとり遠き任地へ送り出す春
                     (東京都) 宮田 礼子

 子供の教育のための夫の単身赴任。「妻よりも母でいたい」作者の本音に共感する女性が多いのではないか。

<永田選> 
❤なぜお酒のませなかったかくやみつつ父の最後をいまだに想う
                           (摂津市) 内山 豊子

 治らない病気だったのに父上の好きなお酒を飲ませなかったことを悔いる作者、よくわかります。

<馬場選>
❤白髭を剃れば四月の風がしむ山雀はせつせと巣をつくりゐて
                           (伊那市) 小林 勝幸

 白い髭が目障りで剃ってすっきりしたのに春風が冷たい、元気な山雀にあらためて老いを思う

※今まさに春爛漫、自然が若さあふれているためか、私も老いを頻りに感じてます。
              5月6日 春昼  松井多絵子