音楽のでき方にはいろんな種類がある。作曲といっても一律ではない。特に制作に要した時間となると明確にはできないのが本当のところだ。ワーグナーのオペラのように20数年かかったといわれているものもあれば、スタジオにはいってから数十分で書いたポップ曲がヒットしたという例もある。何十年と何十分、大きく違うように見えて実は共通点もある。結局、最後に決めて音符を書くときというのは一瞬であってそして即興的なのだ。練りに練って構築されたベートーヴェンのシンフォニーを即興的だといったら奇異に思われるかもしれない。そしてこのデュークの曲のようにセッションの中で生まれたような曲を計算された楽曲だと言ったらこじつけのように取られるかもしれない。でも良い楽曲というのは必ず緻密に計算された部分と即興的な部分という二面性を併せ持っているのだ。ジャズインプロヴィゼーションは即興だといわれる。でもその「即興」という言葉を明確に説明できる人はいないだろう。即興的な音楽とそうでない音楽の明確な線引きも実はない。もしあったら音楽自体の存在意義が半減するのではないだろうか?ジャズミュージシャンが発するインプロヴィゼーションの一音一音が出所も出来た時もわからない。その不思議さが面白いんだ。