ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

北辰ダム

2023-12-10 17:00:51 | 北海道
2023年10月23日 北辰ダム

北辰ダムは北海道稚内市声問村の声問川水系タツニウシュナイ川にある稚内市建設産業部が管理する上水道用水目的のロックフィルダムです。
稚内市では1921年(大正14年)に自然沼である大沼を水源として近代水道事業が開始されました。
戦後の復興から高度成長に併せ数次にわたる事業拡張が進められますが、1970年代に入り大沼の水質悪化が深刻化、これを契機に第5次拡張事業が着手され1980年(昭和55年)竣工、翌年より運用が開始されたのが北辰ダムです。
現在はオホーツク沿岸の東浦地区および簡易水道を除く稚内市上水道の全てを北辰ダムが担い、日量約5万立米の水を供給しています。
北辰ダムは我が国最北端に位置するダムとしてダム愛好家に周知されていますが、上水用ダムという性格からダム周辺は広く立ち入りが制限され下流から眺めるのみです。

北辰ダムは稚内中心部から南東に約20キロに位置し周辺には牧草地が広がります。
下流から遠望。


天端に通じる道路はチェーンが架けられ立入禁止。
下流からの見学に留まります。


水利使用標識
字が読めん…


下流からその端正な姿を一望できます。
堤高32メートル、堤頂長180メートルの北海道らしい横長堤体。
ロックフィルですが、凍上対策で芝が張られているのも北海道ではおなじみ。
管理が行き届き、堤体のみならずダム周辺はきれいに刈り込まれています。


右岸に地山を利用した洪水吐があります。


前日までの激しい雨で洪水吐からは美しい転波越流。


ダム下からは目にすることはできませんが、貯水池は総貯水容量670万立米、約120日分の水が貯留されています。 

コンクリート建屋は河川維持用の放流設備。
水道水は貯水池から直接取水され専用管で浄水場に送られます。



0110 北辰ダム(2025)
北海道稚内市声問村
声問川水系タツニウシュナイ川
32メートル
180メートル
6700千㎥/5943千㎥
稚内市建設産業部
1980年