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ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

綱木川ダム

2017-05-21 06:00:00 | 山形県
2016年6月18日 綱木川ダム
2017年5月18日
 
綱木川ダムは山形県米沢市簗沢の最上川水系綱木川にある山形県県土整備部が管理する多目的ロックフィルダムです。
1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨の際には鬼面川流域でも甚大な洪水被害が発生、これを機に抜本的な治水対策を求める声が高まります。
県は1984年(昭和59年)に鬼面川総合開発事業を採択し鬼面川右支流綱木川への多目的ダム建設に着手、2007年(平成19年)に竣工したのが綱木川ダムです。
綱木川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで綱木川および鬼面川の洪水調節、安定した流量の維持と既得取水権への用水補給、置賜地域への上水道用水の供給を目的としています。
また河川維持放流を利用して山形県企業局綱木川ダム管理用発電所(最大出力450キロワット)で小水力発電を行っています。
 
最近人気急上昇の小野川温泉から県道233号を南下すると真正面に綱木川ダムが見えてきます。
ダム下は駐車場の完備の公園です。

 
下流に架かる県道233号からダムと正対できます。
3段構成の洪水吐減勢工と堤体のバランスが素晴らしく「カッコいい」ロックダムです。

 
2度目の訪問時は融雪放流をしていました。(2017年5月18日)
 
洪水吐ををズームアップ。

 
右岸ダムサイトにも大きな駐車場があります。
バスタブ型洪水吐と堤体上流面。 

 
洪水吐と取水設備。
総貯水容量は955万立米。

 
天端から見た洪水吐(2017年5月18日)

 
洪水吐導流部。(2017年5月18日)
 
堤体直下は公園とし整備されています
正面の三角錐の山(金毘羅山)がいいアクセントに。

 
天端は歩行者のみ開放。

 

 
2007年竣工と比較的新しいダムで周辺も公園として整備され素晴らしい環境です。
にもかかわらず人影はまったくありません。
近くには人気の小野川温泉もあるので、もっと観光スポットとして活用する手があると思います。
 
(追記)
綱木川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0451 綱木川ダム(0467)
山形県米沢市簗沢
最上川水系綱木川
FNW
74メートル
367.5メートル
9550千㎥/833千㎥
山形県県土整備部
2007年
◎治水協定が締結されたダム

月光川ダム

2016-09-08 17:23:13 | 山形県
2016年9月5日 月光川ダム
 
月光川(がっこうがわ)ダムは左岸が山形県飽海郡遊佐町杉沢、右岸が同町吉出の二級河川月光川にある山形県営の治水専用重力式コンクリート・フィル複合ダムです。
鳥海山南麓を流下する月光川は、急流に加え流域は火山噴出部が堆積した脆い地盤のため洪水が頻発し、抜本的な治水対策が求められていました。
山形県は1970年(昭和45年)に月光川への治水ダム建設を採択、1978年(昭和53年)に竣工したのが月光川ダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けた補助治水ダムで月光川の洪水調節(最大毎秒100立米の洪水カット)を行うほか、2018年(平成30年)には河川維持放流を利用した月光川発電所(最大出力570キロワット)が増設されました。
ダム右岸が透水性の高い脆弱地盤となっており、重力式コンクリートとアスファルトフェイシングフィルという非常に珍しい組み合わせの複合ダムとなっています。
 
遊佐町中心街から県道酒田遊佐線を東に向かうと右手に月光川ダムへの標識が現れます。
右岸高台の管理事務所から俯瞰。
重力式コンクリートとアスファルトフェイシングフィルの珍しい複合ダムです。
 
下流面、
ちょうど逆光になってしまいました。
 
上流面
複合ダムということがよくわかるアングル。
 
防災専用ダムのため普段はダム湖はカラカラです。
 
減勢工、
左岸に河川維持放流を利用した小水力発電所があります。
 
アスファルトフェイシングフィル。
 
天端。
天端は鳥海山が一望できる絶好のロケーション。
 
 
天端からは海も見えます。
 
ダムの型式はたぶん日本で唯一と思われる重力式コンクリートとアスファルトフェイシングフィルの複合。
おまけに天端から海が見える2重の意味でのレアなダムです。
 
0438 月光川ダム(0547)
左岸 山形県飽海郡遊佐町杉沢
右岸        同町吉出
月光川水系月光川
GF
48メートル
205メートル
1780千㎥/1670千㎥
山形県県土整備部
1978年

温海川ダム

2016-09-08 15:46:46 | 山形県
2016年9月5日 温海川ダム
 
温海川ダムは山形県鶴岡市一霞の二級河川温海川本流にある山形県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
多雨多雪地帯を流域とする温海川は融雪期や豪雨のたびに洪水が多発し抜本的な治水対策が求められていました。
一方で下流域は温海温泉街があり河川改修では対応不可能のことから、県は多目的ダムによる治水事業を採択、1986年(昭和61年)に温海川ダムが竣工しました。
温海川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムで、温海川の洪水調節(最大毎秒210立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定利水への補給、山形県企業局温海川発電所(最大出力1000キロワット)でのダム式水力発電を目的としています。
 
温海川ダムは県道44号線にありダムのすぐ下流に駐車場が設置されています。
クレストに自由越流式が7門のほかオリフィスゲートを備えています。
 
ちょうど日が昇り逆光になってしまいました。
 
天端は立ち入り禁止。
 
上流面。
 
樹間から。
 
管理事務所。
 
ダム湖(奥温海湖)越しに。
 
案内板。
 
0441 温海川ダム(0546)
山形県鶴岡市一霞
温海川水系温海川
FNP
60メートル
167メートル
5700千㎥/4400千㎥
山形県県土整備部
1986年

寒河江ダム

2016-09-08 13:05:27 | 山形県
2016年9月4日 寒河江ダム
 
寒河江ダムは左岸が山形県村山郡西川町砂子関、右岸が同町月岡の一級河川最上川水系寒河江川にある国交省東北地方整備局が直轄管理する多目的ロックフィルダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨を契機にに建設省(現国交省)は最上川水系の治水事業を見直しを図り、主要各支流での多目的ダム建設を軸とした河川総合開発が着手されました。
寒河江川でも1972年(昭和47年)に多目的ダム建設が着手され1990年(平成2年)に寒河江ダムが竣工しました。
寒河江ダムは国交省が直轄管理する特定多目的ダムで、当ダムに置かれた最上川ダム統合管理事務所により長井ダム白川ダムと連携した洪水調節(当ダムでは毎秒最大1700立米の洪水カット)を行うほか、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、6市2郡6町への上水道用水の供給、東北電力本道寺発電所(最大7万5000キロワット)及び水ヶ瀞発電所(最大5000キロワット)での水力発電を目的としています。
また利水放流を利用して寒河江ダム管理用発電所(最大出力710キロワット)で小水力発電も行っています。
 
西川町中心部から国道112号を鶴岡方面に向かうと左手に寒河江ダムが見えてきます。
牧尾ダム小河内ダムと同様に、地山を挟んで堤体と洪水吐が分かれる独特の構造です。
 
カニの様な特徴的な洪水吐。
ここだけ見ると重力式コンクリートダムの様です。
 
上流面。
こうやって見るとコンバインダムのようにも見えますが、洪水吐はあくまでもロックフィルダムの一部分という認識のようです。
 
ダム湖(月山湖)
他は晴れていても、ダム周辺だけは曇ってることが多いようです。
 
名物の月山湖大噴水。
 
本道寺発電所の取水設備。
 
天端とロックフィル下流面。
天端は2車線の道ですが、関係者以外車の通行はできません。
 
減勢工。
堤体直下はバーベキュー広場やテニスコートなどができる公園になっています。
 
洪水吐導流部。
 
複数のゲートが並ぶ洪水吐。
 
 
(追記)
寒河江ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0444 寒河江ダム(0545)
左岸 山形県西村山郡西川町砂子関
右岸         同町月岡
最上川水系寒河江川
FNAWP
112メートル
510メートル
109000千㎥/98000千㎥
国交省東北地方整備局
1990年
◎治水協定が締結されたダム

月山ダム

2016-09-08 11:36:59 | 山形県
2016年9月4日 月山ダム
 
月山ダムは左岸が山形県鶴岡市上名川、右岸が同市大網の一級河川赤川水系梵字川にある国交省東北地方整備局が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
庄内平野を貫流する赤川は古くから貴重な水源として重用される一方、洪水や渇水が多発していました。
1955年(昭和30年)に県の事業により赤川本流に荒沢ダムが建設されますが、水系全体の治水としては不十分で、さらに鶴岡市の水道需要の増加もあり抜本的な治水・利水対策が求められました。
これを受け建設省(現国交省)は赤川の主要支流梵字川への多目的ダム建設に着手、2001年(平成13年)に月山ダムが竣工しました。
月山ダムは国交省が直轄管理する特定多目的ダムで、梵字川・赤川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得灌漑用水への補給、鶴岡市へ上水供給、東北電力月山発電所(最大出力8800キロワット)でのダム式発電を目的としています。

旧朝日町中心部から国道112号を寒河江方面に走り『道の駅月山』を過ぎると右手に月山ダムへの標識が現れます。
管理事務所手前の展望台から、
朝日町の太陽と月山の月をモチーフにしたおなじみのデザイン。
 
減勢工。
手前は利水放流操作室、奥は左が東北電力月山発電所、右は管理用小水力発電所。
 
下流面。
 
ガラス張りの管理事務所。
 
上流面。
 
ダム湖(あさひ月山湖)。
 
天端。
 
減勢工。
 
下流には3本の橋梁
上から山形道、国道112号、一番下はダムの管理道路。
 
旧朝日町の花であるカタクリをイメージした紫色のコンジットゲート。
 
大日坊へ向かう道からダムと正対できました。
 
ダム湖畔の月の女神。
 
ダム湖上流から。
 
 
予約不要で簡単なダム見学ができ、珍しい紫色のコンジットゲートを間近で見ることができました。
冠雪した山々をバックにダイナミックな融雪放流を見てみたいものです。
 
(追記)
月山ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0447 月山ダム(0544)
左岸 山形県鶴岡市上名川
右岸     同市大網
赤川水系梵字川
FNAWP
123メートル
393メートル
65000千㎥/58000千㎥
国交省東北地方整備局
2001年
◎治水協定が締結されたダム

梵字川ダム

2016-09-07 19:45:48 | 山形県
2016年9月4日 梵字川ダム
 
梵字川ダムは左岸が山形県鶴岡市上名川、右岸が同市大網の一級河川赤川水系梵字川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量豊富な赤川水系では戦前から電源開発が進められましたが、当ダムもその一つで梵字川発電所の取水ダムとして1933年(昭和8年)に竣工しダム水路式の梵字川発電所で最大3000キロワットの発電を行っています。

旧朝日町から国道112号を寒河江方面に走り、『道の駅月山』の先で月山ダム方面に曲がると、左手に梵字川ダムが見えます。
ダムは全面越流式で左岸側から河川維持放流が行われています。 
 
ちょっと影が入り見づらい写真に。
 
ダム下には減勢目的と思しきコンクリートの遺構
現在のバッフルブロックの役割でしょうか?
 
左岸から
右手のコンクリート構造物は余水吐で放流口が4並びます。
 
左手が取水口で壁面は練石積み。
建設当時は越流面も石積みだったのかもしれません。
 
(追記)
梵字川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0408 梵字川ダム(0543)
左岸 山形県鶴岡市上名川
右岸     同市大網
赤川水系梵字川
40.9メートル
62.4メートル
1274千㎥/85千㎥
東北電力(株)
1933年
◎治水協定が締結されたダム

荒沢ダム

2016-09-07 18:26:40 | 山形県
2016年9月4日 荒沢ダム
 
荒沢ダムは山形県鶴岡市荒沢の一級河川赤川本流上流部にある山形県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
東北有数の穀倉地帯である庄内平野を貫流する赤川は古くから貴重な水源として重用される一方、洪水や渇水も多く抜本的な治水対策が求められていました。
1949年(昭和24年)に山形県は赤川へのダム建設を採択、これに発電事業者として県企業局が参加し1955年(昭和30年)に荒沢ダムが竣工しました。
荒沢ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムで、6~9月の洪水期の赤川の洪水調節、安定した河川流量の維持と流域約1万2000ヘクタールへの不特定灌漑用水の補給、山形県企業局倉沢発電所(最大出力1万3600キロワット)でのダム水路式発電を目的としています。
その後2001年(平成13年)に主要支流梵字川に月山ダムが完成し、赤川水系の治水能力は大きく向上しています。
 
今回は庄内あさひインターから県道鶴岡村上線を南下、新落合ダムを経て荒沢ダムへ向かいました。
まずは下流から。
春や落葉期はもっとよく見えそう。
 
左岸展望台から。
 
減勢工。
 
ゲートビア。
 
ダム湖(荒沢湖)。
 
取水塔とインクライン。
 
左岸から上流面
ゲートビアのゲート巻き上げ室が面白いデザイン。
 
左岸から俯瞰。
 
ダム軸!!
 
取水設備の上に家が2軒!!
 
(追記)
荒沢ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0424 荒沢ダム(0542)
山形県鶴岡市荒沢
赤川水系赤川
FNP
63メートル
195.5メートル
41420千㎥/30870千㎥
山形県県土整備部
1955年
◎治水協定が締結されたダム

新落合ダム

2016-09-07 17:27:12 | 山形県
2016年9月4日 新落合ダム
 
新落合ダムは山形県鶴岡市大針の一級河川赤川本流にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成で新たに誕生した東北電力は各所で新規電源開発や既設発電施設の増強に邁進します。
新落合ダムもその一つで1958年(昭和33年)に竣工、ここで取水された水は約6.5キロの導水路で新落合発電所に送られ最大2万キロワットのダム水路式発電を行います。
なおダムおよび発電所に『新』がつくのは赤川にはすでに1936年(昭和11年)竣工
の落合ダムがあるからです。

下流から
ローラーゲートが3門を装備、ピアは東北電力ではおなじみ鉄骨トラス製でピア上のゲートハウスはご雪対策として被覆されています。 
 
 
天端は車両通行可能。
狭く見えますが我が家のBMWでもラクラク通れました。

 
新落合発電所への取水口。
 
上流から。
 
(追記)
新落合ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3603 新落合ダム(0541)
山形県鶴岡市大針
赤川水系赤川
15.5メートル
63メートル
656千㎥/372千㎥
東北電力(株)
1958年
◎治水協定が締結されたダム

最上川さみだれ大堰

2016-09-07 16:22:27 | 山形県
2016年9月4日 最上川さみだれ大堰
 
最上川さみだれ大堰は左岸が山形県東田川郡庄内町清川、右岸が同県酒田市粕谷沢の一級河川最上川本流にある国交省東北地方整備局が管理する可動堰です。
この堰はゴム引布製起伏堰、つまりゲートにラバーが用いられておりラバーダムとしては日本最大規模の堰です。
 
最上川下流の庄内平野は日本有数の穀倉地帯で、戦後の国営農業水利事業により最上川を水源とした灌漑用水の整備が図られました。
しかし最上川でたびたび発生する異常渇水により、最上川の自然流量では安定した灌漑用水の取水は困難となることが顕在化しました。
そこで農林省の最上川下流左岸農業水利事業の関連事業として、建設省の直轄事業として可動堰が建設され1995年(平成7年)に竣工、芭蕉の句を引用して『最上川さみだれ大堰』と命名されました。
さみだれ大堰は灌漑用頭取工での安定した取水、下流の正常な流水量の維持を目的としており、堰の完成後は渇水による被害もなく安定した農業用水の取水が行われています。
 
最上川に沿って国道47号を南下すると清川の先で左手に最上川さみだれ大堰が見えてきます。
堰を渡ると酒田河川国道事務所飽海出張所にフィッシュギャラリーが併設されここで堰カードをもらうことができます。
 
堰の内部見学ができるのでまずはそちらから。
エレベーターで地下2階に下りて階段を下ります。
 
ゲート異常倒伏装置。
 
魚道観察室。
 
魚が見えます。名前はわかりません・・・笑
 
地上に出て堰を見学します。
台風10号の影響で水量はかなり多くなっています。
 
ゲートは日本最大級のラバー。
 
魚道。
 
天端は車道。
 
右岸の閘門。
 
 
 
最上川さみだれ大堰
左岸 山形県東田川郡庄内町清川
右岸 山形県酒田市粕谷沢
最上川水系最上川
NA
MB
径長 209.5メートル
ゴム製起伏堰
国土交通省東北地方整備局
1995年

水ヶ瀞ダム(再)

2016-09-07 11:43:11 | 山形県
2016年9月4日 水ヶ瀞ダム(再)
 
水ヶ瀞(みずがとろ)ダム(再)は左岸が山形県西村山郡西川町水沢、右岸が同町入間の一級河川最上川水系寒河江川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には1929年(昭和4年)竣工の水ヶ瀞発電所があり最大1万2700キロワットの発電を行っていました。
同発電所は日本発送電の接収ののち東北電力が事業を継承しましたが、寒河江ダム建設により発電所が水没することから、東北電力は寒河江ダム建設事業に発電事業者として参加し新たに本道寺発電所(最大出力7万5000キロワット)を建設しました。
水ヶ瀞ダム(再)は本道寺発電所の出力調整による水位変動を緩和するための逆調整池として1990年(平成2年)に竣工、併せて水ヶ瀞発電所で最大出力5000キロワットのダム式発電を行います。。
 
西川町中心部から国道112号を西進、道の駅の先で旧道に入ると水ヶ瀞ダム(再)に到着します。
背が高いのは発電所への取水ゲート、洪水吐にはラジアルゲートが3門あります。
 
 
 
右岸から。
ダムの直下に水ヶ瀞発電所があります。
 
天端は立ち入り禁止。
 
上流面
取水ゲートが目立ちます。
 
 
ダム右岸の公園。
 
 (追記)
水ヶ瀞ダム(再)ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0446 水ヶ瀞ダム(再)(0538)
左岸 山形県西村山郡西川町水沢
右岸         同町入間
最上川水系寒河江川
34メートル
372メートル
1936千㎥/1425千㎥
東北電力(株)
1990年
◎治水協定が締結されたダム

小以良川ダム

2016-09-06 20:26:41 | 山形県
2016年9月3日 小以良川ダム

小以良川ダムは左岸が山形県新庄市鳥越、右岸が同市萩野の一級河川最上川水系小以良川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた山形県の事業で1965年(昭和40年)に竣工しました。
管理は泉田川土地改良区が受託し約130ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
 
新庄市街から県道土内五日市線を北上し萩野で小以良川沿いに東に向かいます。
道路はすぐにダートになるので車をデポして徒歩でダムへと向かいます。
ダムへの道中にはそば畑が続き、真っ白な蕎麦の花が満開です。
 
小以良川ダム最大の特徴は断崖に並ぶ二つのトンネルの吐口。
右手は洪水吐から、左は取水設備からの導水路です。
 
堤体を斜行して道路が登ります。
 
天端。
 
下流面。
 
上流面はコンクリートで補強
左岸に斜樋と洪水吐。
 
ダム湖。
 
斜樋。
 
洪水吐。
台風10号の影響か?越流しています。
 
3585 小以良川ダム(0535)
ため池コード
左岸 山形県新庄市鳥越
右岸     同市萩野
最上川水系小以良川
21.9メートル
67メートル
358千㎥/358千㎥
泉田川土地改良区
1965年

堤沢ダム

2016-09-06 19:26:12 | 山形県
2016年9月3日 堤沢ダム
 
堤沢ダムは山形県新庄市鳥越の最上川水系新田川右支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には山形県の事業で1977年(昭和52年)に竣工と記されており、管理は新庄土地改良区が受託しています。
灌漑期にダムから放流された水は新田川下流の駒場頭首工から灌漑用水として受益農地に供給されます。
2016年(平成28年)にかけての改修工事で堤高が14.9メートルに下がったことでダムの要件未達となりダム便覧から削除されました。
 
新庄市街から県道瀬見新庄線を東進すると最上東部広域農道との合流点手前に堤沢ダムへ向かう道路が分岐します。
ダムへの道は関係者車両以外通行禁止のため、ここから徒歩でダムへと向かいます。
見えてきた堤沢ダムは改修を終えて間がないようで、できたてのホカホカ。
 
堤体は立ち入り禁止。
 
真っ白いコンクリートの洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
改修を終えて間がないようでコンクリートも草が生えていない土も真っ白。
9月とはいえ30度を超える日差しがまぶしい堤沢ダムでした。
 
(追記)
堤沢ダムは再開発事業により堤高が14.9メートルとなりダムの要件未達となりました。
これを受け2019年にダム便覧から削除されました。
 
堤沢ダム(0534)
ため池コード
山形県新庄市鳥越
最上川水系新田川
14.9メートル
138メートル
204千㎥/204千㎥
新庄土地改良区
1977年
2019年ダム便覧より削除


新鶴子ダム

2016-09-06 17:39:31 | 山形県
2016年9月3日 新鶴子ダム
 
新鶴子ダムは山形県尾花沢市鶴子の一級河川最上川水系丹生川にある灌漑・発電目的のロックフィルダムです。
村山北部地区は丹生川によって形成された扇状地に農地が展開していますが、水源を河川表層水に依存し慢性的な用水不足に加え灌漑設備の未整備により、近代的・合理的農業経営が阻害されていました。
このような状況を打開するため農水省による国営農業水利事業村山北部地区が着手され、その灌漑用水源として1990年(平成2年)に竣工したのが新鶴子ダムです。
同事業には発電事業者として山形県企業局が事業参加し、運用開始後はダムの管理は山形県農林水産部が管理を受託し村山北部土地改良区約3100ヘクタール超への灌漑用水の供給を行うとともに、県企業局新鶴子発電所(最大出力3700キロワット)で利水従属発電を行っています。
農業用ダムとしては堤高96メートル、貯水容量3150万㎥はともに国内第2位の規模を誇る巨大ロックフィルダムです。
『新鶴子』という名称は、従来当地にあり新ダム建設により水没した丹生川ダムの別名が鶴子ダムだったことに由来します。
 
尾花沢市街から県道鶴子尾花沢線を南東に向かうと正面に巨大なロックフィルダムが見えてきます。
訪問直前に通過した台風の影響でこの時期としては珍しく洪水吐から放流しています。


洪水吐斜水路直下から
美しい転波が見られます。


こちらは山形県企業局新鶴子発電所
農水省直轄ダムとしては利水従属発電第1号となる発電所で、灌漑期のみ発電を行います。
訪問時は絶賛稼働中、放流ゲートの隣には発電所未稼働時のゲートが2門あります。


堤高96メートルは農業用ダムとしては屈指のスケール。


下流面。

上流面
天端は徒歩のみ開放。


左岸の記念碑。
平成2年の竣工ということでダム湖は『平成の湖』。


ダムの説明板。


天端からの眺め
受益農地は丹生川下流の3100ヘクタール超に及びます。


ダム湖の『平成の湖』は総貯水容量3150万立米。
台風の影響で濁っています。


右岸の管理事務所
右手は横越流式洪水吐と取水塔、


減勢工と発電所。


横越流式洪水吐の越流部上端には切欠きがあり鋼製起伏ゲートが設置されています。
訪問時はゲートが倒され絶賛放流中。


アングルを変えて
洪水吐のスケールもけた違い。


取水塔
表層取水を行います。

まるで国交省直轄ダム並みのスケールを誇る巨大農業ダムです。
台風の影響で季節外れの放流も愛でることができ大満足。

(追記)
新鶴子ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0443 新鶴子ダム(0533)
山形県尾花沢市鶴子
最上川水系丹生川
AP
96メートル
283.9メートル
31500千㎥/29800千㎥
山形県農林水産部
1990年
◎治水協定が締結されたダム

銀山川ダム

2016-09-06 16:14:15 | 山形県
2016年9月3日 銀山川ダム
 
銀山川ダムは山形県尾花沢市銀山新畑の一級河川最上川水系銀山川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
1963年(昭和38年)に農林省(現農水省)の補助を受けた防災ダム事業により建設され、管理は山形県農林水産部が行っています。
 
尾花沢市街から銀山温泉の標識に従って東進、下柳渡戸から県道銀山温泉線に入りこけし工芸館を過ぎると左にダムへの分岐が現れます。
まず下流からの写真を撮ろうと試みますが、葉が茂る夏場はダムの全容を下流から見るのは厳しそうです。
 
いわゆる穴あきダムで、通常は堤体下部の穴から水が流れています。
 
ゲートは自由越流式です。
 
右手は管理事務所。
奥にプラント跡と思われる遺構が見えます。
 
有効貯水容量すべてが農地防災容量(洪水調節容量)となるため、普段はダム湖に水はためず流入量は放流ゲートからそのまま放流されます。
クレスト自由越流頂3門、放流ゲート2門を装備。
 
ダムの上流は
急流を抑えるためにカスケードになっており、河床は護岸されています。
 
葉が茂る前の春や落葉期ならもっとダムの全容を見ることができるでしょう。
味のあるダムなので季節を変えて再訪したいものです。
 
(追記)
銀山川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0430 銀山川ダム(0531)
山形県尾花沢市銀山新畑
最上川水系銀山川
21.3メートル
60メートル
263千㎥/243千㎥
山形県
1963年
◎治水協定が締結されたダム

白石山ダム

2016-09-06 13:01:43 | 山形県
2016年9月3日 白石山ダム

白石山ダムは山形県村山市湯野沢の一級河川最上川水系千座川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
河北町から村山市、大石田町にかけての最上川左岸丘陵地帯には昭和以降の開拓に併せて多数の溜池が築造されましたが、引竜第二溜池もその一つです。
ダム便覧には山形県の事業で1991年(平成3年)に竣工と記されていますが、これはあくまでも改修の竣工でそれ以前から溜池が存在していたとみるのが妥当でしょう。
管理は村山市西部土地改良区が行っています。
 
県道樽石河北線を北上し、湯野沢地区から岩野地区に掛かるあたりで集落の奥に白石山ダムの堤体が見えてきます。
 
集落のはずれからダムに通じる車道を登るとダムに到着します。
 
水抜きされ貯水池は空っぽ。
 
上流面はコンクリート補強、左岸に斜樋があります。
 
堤体下流面。
 
右岸の洪水吐。
左岸に洪水吐があります。
 
越流面はナマコ壁の様です。
 
0403 白石山ダム(0528)
ため池コード
山形県村山市湯野沢
最上川水系千座川左支流
15.9メートル
88メートル
46千㎥/46千㎥
村山市西部土地改良区
1991年