ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大仁田ダム

2018-11-30 12:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 大仁田ダム
2018年11月23日
 
大仁田ダムは群馬県甘楽郡南牧村の利根川水系大仁田川源流部にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、大仁田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、南牧村への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
 
下仁田から南牧川沿いに県道45号を南西に進み南牧村役場手前を左折、大仁田川沿いの村道を進むとダムに到着します。
堤体直下は三ツ岩岳の登山口になっており、公衆トイレと駐車スペースがあります。
(2018年11月23日)
 
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐を4門、常用洪水吐としてオリフィスに自由調節式洪水吐を1門装備
訪問時はオリフィスゲートから放流していました。
 
右岸から下流面(2018年11月23日)。
 
上流面
対岸には三ツ岩岳の岩峰が聳えます。
(2018年11月23日)
 
天端は車両通行可能
三角屋根はエレベーター棟。
 
減勢工
左手に利水放流設備があります。
(2018年11月23日)
 
ダム湖(大仁田湖)は総貯水容量43万7000立米と溜池サイズ。
管理人さん曰く『日本で一番小さなダム湖』。
(2018年11月23日)
 
大仁田湖の石碑(2018年11月23日)
 
上流面。(2018年11月23日)
 
ダム湖上流から
左手に艇庫があります。(2018年11月23日)
 
ダム北側の三ツ岩岳は『ひとつばな(アカヤシオ)』の自生地として知られ、花に時期には多くの登山者が訪れます。
 
(追記)
大仁田ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3073 大仁田ダム(0101)
群馬県甘楽郡南牧村大字大仁田
利根川水系大仁田川
FNW
54.4メートル
163メートル
427千㎥/283千㎥
群馬県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム

上野ダム

2018-11-30 10:00:00 | 群馬県
2015年12月12日 上野ダム
2018年11月23日
 
上野ダムは群馬県多野郡上野村の利根川水系神流川源流部にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
オイルショックを契機に電力各社は火力偏重の発電体制を見直し、火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。
首都圏への人口集中や東京湾臨海部への工場集積を受け電力需要のピークが急上昇を続けていた東京電力も1980年代より積極的に純揚水発電所建設を進め、同社9番目の揚水式発電所として2005年(平成17年)に神流川発電所が建設されました。
上野ダムは同発電所の下部調整池として同年竣工し、上部調整池である南相木ダムとの有効落差653メートルを利用して現在最大94万キロワットの揚水式発電を行っています。
発電所の設計最大出力は揚水式発電所としては世界最大の282万キロワットで、当初は2020年(令和2年)以降順次発電機を増強する予定でしたが、福島原発事故を受けた東京電力管内の原子力発電所がすべて停止中のためのこの計画は先送りされています。
上部ダムの南相木ダムは日本海に注ぐ信濃川水系、下部ダムの上野ダムは太平洋に注ぐ利根川水系となっており、上部ダムと下部ダムで県境および水系を超える揚水式発電となっています。
また下流の水質変化を抑える等のバイパス水路を利用した虎王発電所が2011年(平成23年)より稼働をはじめ、最大270キロワットの小水力発電を行っています。
 
上野村中心街から国道299号~県道124号を西進、『しおじの湯』手前で上野ダムの標識に従って左に折れ、そのまま進むと上野ダムの右岸ダムサイトに到着します。
今回はまずダム下へと向かいます。
しおじの湯から浜平トンネルを抜けるとすぐに右折、神流川沿いにしばらく進むと車止めとなります。
ここから徒歩で約1.5キロ、15分ほど歩くと上野ダム直下に到着します。
写真左手からの放流水は迂回水路を利用した虎王発電所からの放流水です。
(2018年11月23日)
 
非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲートが2門、常用洪水吐としてコンジットゲートが1門あります。
コンジットの右手(左岸側)には河川維持放流用の放流口があり、河川維持放流が行われています。
(2018年11月23日)
 
右岸ダムサイトに上がってきました。
駐車場から歩くとすぐにダム堤体が現れます。
右岸が屈曲しています。(2018年11月23日)
 
管理事務所
上野村は木工製品が特産で、巨大な木製壁画がはめ込まれています。
(2018年11月23日)
 
右岸から下流面
地山を挟んで手前が副堤、奥が主堤となっており、地山部分を中心に堤体が屈曲しています。
主堤はRCD工法、副堤は拡張レヤ工法と異なる工法で建設されました。
主堤は左岸寄りでも屈曲部分があります。
(2018年11月23日)
 
ダム湖岸の石のオブジェ
『うえのダム 0310』と書かれています。
 
天端から減勢工
陰影が大きく撮影に苦労しました。
(2018年11月23日)
 
ダム湖(奥神流湖)は総貯水容量は1840万立米。
向かって左手の尾根が日航機墜落現場となった御巣鷹の尾根。
(2018年11月23日)
 
左岸にある東電管理トンネル
神流川発電所や南相木ダムへとつながっていますが関係者以外立ち入り禁止。
(2018年11月23日)
 
天端。
西上州特有の岩峰が聳えます。(2018年11月23日)
 
左岸から。(2018年11月23日)
 
(追記)
上野ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3281 上野ダム(0111)
群馬県多野郡上野村楢原
利根川水系神流川
120メートル
350メートル
18400千㎥/12679千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
2005年
◎治水協定が締結されたダム

塩沢ダム

2018-11-30 09:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 塩沢ダム
2018年11月23日
 
塩沢ダムは群馬県多野郡神流町の利根川水系神流川左支流塩沢川上流部にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで塩沢川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、神流町への上水道用水の供給を目的として1995年(平成7年)に竣工しました。
 
神流町役場の先で国道462号線から県道46号を北上すると塩沢ダムに到着します。
ダム下手前にゲートがありここまで。 
 
河原へ下りる道があったのでそこから遡上するとダム下に到着。
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐が4門
中央に自由調節式の常用洪水吐が1門、さらに洪水期用常用洪水吐としてオリフィスのローラーゲートが1門あります。
(2018年11月23日)
 
天端には川魚の装飾。(2018年11月23日)
 
減勢工
左手は利水放流設備。(2018年11月23日)
 
ダム湖(蛇神湖)は総貯水容量30万3000立米と溜池なみのサイズ。
貯水池上流部に県道のアーチ橋が架かり、さらにその奥には砂防ダムがあります。
(2018年11月23日)
 
天端は車両通行禁止
管理事務所と取水設備操作室は日本風建屋。
(2018年11月23日)
 
上流面(2018年11月23日)
 
ダム湖直上にある砂防ダム
ダムにとっては貯砂ダムの役割を果たしているようです。
(2018年11月23日)
 
小さなダム湖のため歩いて一周しても30分もかかりません。
右岸湖畔には東屋もあります。
(2018年11月23日)
 
右岸ダムサイトには巨大な陶板。
(2018年11月23日)
 
ダム巡りを始めて一カ月ちょっと、通算100基目のダムが塩沢ダムとなりました。
 
(追記)
塩沢ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0630 塩沢ダム(0100)
群馬県多野郡神流町塩沢
利根川水系神流川左支流塩沢川
FNW
38メートル
157メートル
303千㎥/280千㎥
群馬県県土整備部
1995年
◎治水協定が締結されたダム