ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

新潟大堰

2016-07-26 11:20:24 | 新潟県
2016年7月22日 新潟大堰
 
新潟大堰は左岸が新潟県新潟市西区関屋、右岸が同市中央区浜浦2丁目の信濃川水系関屋分水路にある国交省北陸地方整備局が管理する可動堰です。
関屋分水路は信濃川河口から10キロ上流の平島から関屋を経て日本海に至る1.8キロの分水路で、信濃川河口流域の洪水防止と新潟西港への土砂堆積対策として1972年(昭和47年)に開削、通水しました。
分水部の信濃川には信濃川水門を、分水路河口に新潟大堰を建設して水量調節をはかっています。
当初は国庫補助を受けた県の事業として着工されましたが、新潟地震により事業は建設省に移管され現在も国交省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所が管理を行っています。
 
新潟大堰は関屋分水路の流量調節と海水の逆流防止のために1971年(昭和46年)に関屋分水路河口に建設された可動堰で、信濃川水門と連携して信濃川の流量を調節し洪水防止に貢献しています。
蒲原大堰は国交省が直轄管理する直轄ダムですが、特定多目的ダム法の適用は受けてないため河川法上のダムとはならずダム便覧にも未掲載です。
 
新潟中心部から国道116号、402号で関屋分水路の浜浦橋を渡り、分水路沿いに河口に向かうと新潟大堰左岸にある関屋分水資料館に到着します。
 
資料館でカードをもらい、展示室を見学したのち新潟大堰に向かいます。
左岸上流から。
左岸に閘門がありますが、現在はここを通航する船はほとんどないそうです。
 
天端は東行き一方通行の新潟大堰橋となっています。
 
閘門。
 
閘門のゲート。
 
「新潟大堰」は田中角栄による揮毫。
 
左岸河口から。
主ゲートは5門。
 
下流はもう日本海。
 
右岸の魚道。
 
新潟大堰
左岸 新潟県新潟市西区関屋
右岸     同市中央区浜浦2丁目
信濃川水系関屋分水路
MB
堰長 241メートル
国交省北陸地方整備局 
1971年

蒲原大堰

2016-07-26 10:51:16 | 新潟県
2016年7月22日 蒲原大堰
 
蒲原大堰は新潟県三条市今井の一級河川信濃川本流にある国交省北陸地方整備局が管理する可動堰です。
中ノ口川は信濃川水系の分流で三条市で信濃川から分かれ、新潟市内で再び信濃川に合流しています。
周辺は新潟を代表する穀倉地帯ですが、大雨のたびに洪水被害に見舞われとくに1961年(昭和36年)の水害は周辺に甚大な被害をもたらしました。
そこで燕三条地域の河川整備強化のために当時の建設省北陸地方建設局は信濃川と中ノ口川の分流点に堰・水門を着工、まず1978年(昭和53年)に中ノ口川水門が、次いで1984年(昭和59年)に蒲原大堰が完成しました。
堰の目的は洪水調節・正常な流量の維持・灌漑・上水道と多目的にわたっており、蒲原大堰・中ノ口川水門の完成により信濃川及び中ノ口川の洪水調節や渇水時の水量維持が可能となり、農業用水と水道供給が強化されました。 
蒲原大堰は国交省が直轄管理する直轄ダムですが、特定多目的ダム法の適用は受けてないため河川法上のダムとはならずダム便覧にも未掲載です。
 
蒲原大堰の上は市道の蒲原大橋になっています。
 
右岸上流から。
 
右岸下流から。
 
右岸の閘門。
 
主ゲート。
 
左岸の魚道。
 
上流の眺め。
 
下流の眺め。
 
蒲原大堰
新潟県三条市今井
信濃川水系信濃川
FNW
MB
堰長 116メートル
国交省北陸地方整備局 
1981年

笹ヶ峰ダム

2016-07-25 16:26:59 | 新潟県
2016年7月22日 笹ヶ峰ダム
 
笹ヶ峰ダムは新潟県妙高市の二級河川関川本流上流部にある新潟県農林水産部が管理する灌漑及び発電目的のロックフィルダムです。
水量豊富な関川は古くから高田平野の灌漑用水源として活用される一方、電源開発も活発で両者は綿密な互換関係を保ちながら水利用を行っていました。
1929年(昭和4年)に当時の中央電気(株)と信濃電気(株)が発電用貯水池とし当地に貯水容量90万立米の笹ヶ峰貯水池を建設し、これは発電のみならず灌漑用水の安定化にも大きく貢献しました。
一方で戦後の食糧増産機運に加えて1951年(昭和26年)の大干ばつを受け、灌漑設備の刷新が急務となり1968年(昭和43年)より農林省(現農水省)による国営関川農業水利事業が着手され、これに関川の電力事業を継承していた東北電力が事業参加、1979年(昭和54年)に笹ヶ峰ダムが完成しました。
笹ヶ峰ダムは旧笹ヶ峰貯水池を取り込む形で建設され、貯水容量は旧来の約10倍となる1060万立米に拡大しました。
また天端標高1200メートルは農業用ダムとしては最高所となっています。
運用開始後は新潟県農林水産部が管理を受託し、7000ヘクタール(完成当時)の水田に灌漑用水を供給するとともに、東北電力西野発電所で最大出力3000キロワットのダム水路式発電を行っています。
また2017年(平成29年)には利水放流を利用した笹ヶ峰発電所(最大出力997キロワット)が完成し、売電収入は関係土地改良区に分配されています。
 
笹ヶ峰は妙高山の登山基地となる一方、周辺には牧場やキャンプ場、公園などが整備され笹ヶ峰ダムもその一端を担っています。
左岸に駐車場があり徒歩での見学となります。
右岸上流から
クレストにグリーンのラジアルゲート3門装備。
 
洪水吐。
 
総貯水容量1060万立米のダム湖(乙見湖)
ダム湖に防波堤の様な施設がありますがこれはなんでしょう?
 
右岸には発電および灌漑用取水設備、艇庫とインクラインが並びます。
 
訪問時は利水放流を利用した小水力発電所を建設中。
2017年(平成29年)に完成しました。
 
右岸に展望台があります。
階段の先には黒姫山へと続く夢見平遊歩道が続いています。
トンネルは監査廊入り口。
 
天端は歩行者のみ開放。
下流面は草が覆い見た目はアースダムの様相。
 
展望台から洪水吐と管理事務所。
小水力発電所の建設工事のため多くの作業員が駐在しています。
 
同じく展望台から。
天気が良ければ妙高から火内の山並みが望めるのですが…百名山の火打山が望めるのですが。
 
(追記)
笹ヶ峰ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0770 笹ヶ峰ダム(0492) 
新潟県妙高市
関川水系関川
AP
48.6メートル
317.9メートル
10600千㎥/92000千㎥
新潟県農林水産部
1979年
◎治水協定が締結されたダム

妙見堰

2016-07-25 11:12:16 | 新潟県
2016年7月20日 妙見堰
 
妙見堰は左岸が新潟県小千谷市高梨、右岸が新潟県長岡市妙見町の一級河川信濃川本流にある可動堰です。
信濃川中流部にあるJR東日本所有の小千谷発電所では朝夕のラッシュ時と昼夜の閑散時の発電量の変動が大きく、出力調整による信濃川下流部での水位変動が看過できない状態となっていました。
一方高度成長や生活様式の変化から長岡市の水道需要が増加、新たな水源確保が求められていました。
これを受け1985年(昭和60年)に当時の建設省(現国交省)と日本国有鉄道(現東日本旅客鉄道)の共同事業として着手されたのが妙見堰です。
妙見堰により河床を安定させ直上にある信濃川右岸用水及び長岡市上水道の取水位の維持を図る不特定利水、長岡市への新規上水道用水の供給、発電逆調整池として小千谷発電所の出力調整による水位変動の緩和を目的として1990年(平成2年)に竣工しました。
完成後は建設省北陸地方建設局(現国交省北陸地方整備局)が直轄管理を行っていますが、JRとの共同事業で建設されたため、ダムの括りとしては『兼用工作物』となります。
また堰建設に合わせて堰上に国道17号バイパス『越の大橋』が架けられました。
 
国道17号バイパスの越の大橋の右岸に信濃川河川事務所があり、信濃川妙見記念館が併設されています。
堰カードはここで貰えます。
 
右岸上流から。
 
下流側に国道17号バイパスの越の大橋
上流側に歩行者・自転車用通路があります。
 
歩行者・自転車用通路。
 
右岸管理事務所と信濃川右岸用水及び長岡市上水道の取水口。
 
主ゲート。
 
右岸魚道。
 
信濃川上流の眺め。
 
 
左岸の魚道。
 
妙見堰
左岸 新潟県小千谷市高梨
右岸 新潟県長岡市妙見町
信濃川水系信濃川
NWP
MB
堰長 524.3メートル
国土交通省北陸地方整備局
1990年

前川ダム

2016-07-12 21:28:07 | 山形県
2016年7月10日 前川ダム
 
前川ダムは山形県上山市中山の最上川水系前川右支流忠川にある山形県県土整備部が管理する治水目的のロックフィルダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、前川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給を目的として1982年(昭和57年)に竣工しました。
洪水被害が頻発した前川の治水を目的にダム建設が企図されましたが、前川本流にダム建設適地がなかったことから河道外貯留方式が採用されました。
具体的には前川東方の灌漑用溜池である忠川池をダム化する一方、前川本流上流の南陽市小岩沢に分水口を設け、豪雨などで水量が増加した場合にはここで水量をカットしてダムに導水する仕組みとなっています。
同じような仕組みは千葉県の矢那川ダムや長野県の小仁熊ダムでも採用されています。
 
前川ダムと分水口の位置関係。地図の赤マルが分水口です。 
 
上山市街から国道13号を南下すると国道に前川ダムを示す案内板があります。
下流から。
非常用洪水吐は横越流式、導流部下部の四角い穴に下部放流設備のジェットフローゲートを装備
向って右手の河川維持放流設備から放流が行われています。
 
天端に上がります
右岸の横越流式洪水吐。 
 
左の建屋が管理事務所、職員の常駐はなく巡回のみ
右は取水設備。
 
洪水吐導流部と減勢工
1枚目の写真は下流の橋付近から撮ったもの。
 
天端は車道。
 
総貯水容量440万立米のダム湖。
有効貯水容量410万立米のうち洪水調節容量は240万立米。
堆砂容量と従来の忠川池の既得取水権を含めた不特定利水容量分200万立米が常時貯留されています。
ダム湖は湖面利用が許可されており、ヘラブナ釣りスポットとして人気のようです。
 
天端から。
 
前川ダム分水口からの導水路
最上位地図の緑マル地点です。
 
上流から前川ダム分水口。
右が前川ダムへの導水路、左が前川本流です。
 
下流から
本流にはゲートがあり、洪水の際にはゲートを閉め水を前川ダムへ送る仕組みです。 
 
 
 
前川ダム分水口の碑。
 
(追記)
前川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0440 前川ダム(0487)
山形県上山市中山
最上川水系前川
FN
50メートル
265.5メートル
4400千㎥/4100千㎥
山形県県土整備部
1982年
◎治水協定が締結されたダム

菖蒲川ダム

2016-07-12 16:27:09 | 山形県
2016年7月10日 菖蒲川ダム
 
菖蒲川ダムは山形県上山市菖蒲の最上川水系須川右支流菖蒲川にある灌漑目的の重力式コンクリート・フィル複合ダムです。
山形盆地を南北に縦断する須川は最上川最大支流ですが、蔵王の火山活動に加え明治以降の硫黄採掘により昭和10年代より酸性化が顕著となり須川を主水源とする流域農地約500ヘクタールに多大な悪影響を与えていました。
そこで新たな灌漑用水の確保を目的に農林省(現農水省)の補助を受けた県営事業で1973年(昭和48年)に竣工したのが菖蒲川ダムです。
しかし当ダムだけでは流域全体の真水化には遠く及ばず至らず、1994年(平成6年)の鉱毒対策事業『上山東部地区』の竣工によりようやく須川流域の灌漑用水真水化が実現しました。
ダムの管理は上山市土地改良区が受託しています。
 
上山市街から県道263号を東に向かい、菖蒲川に沿って市道を左に取ると菖蒲川ダムに到着します。
まずは右岸高台から俯瞰、ダム便覧に掲載された写真と同じアングルです。
左右両岸がロックフィル、中央が重力式コンクリートの複合ダムです。
 
右岸から。
両岸がロックフィルになっており、中央が低い左右対称の逆三角形の堤体はまるで翼を広げた猛禽の様な美しさです。
さらに赤と青の鮮やかなコントラストが彩りを添えます。
重力式コンクリート堤体が低くなっているのは、万一の堤体越流の際に両岸のフィル堤体が洗堀されることを防ぐためです。
 
ここ数日の雨で水位が上がり放流のおまけつき。 
 
天端は車道。
ゲート部分だけ下流側に張り出しています。
 
赤いローラーゲートと青い手すりの対比が鮮やか。
 
減勢工。
 
左岸から。
 
右岸にあるインクライン。
 
総貯水容量54万5000立米。
 
(追記)
菖蒲川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0436 菖蒲川ダム(0485)
山形県上山市菖蒲
最上川水系菖蒲川
GF
31.1メートル
210メートル
545千㎥/413千㎥
上山市土地改良区
1973年
◎治水協定が締結されたダム

本沢ダム

2016-07-12 13:38:39 | 山形県
2016年7月10日 本沢ダム
 
本沢(もとさわ)ダムは山形県上山市狸森の最上川水系本沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1952年(昭和27年)に本沢溜池として竣工、1991年(平成3年)から2004年(平成16年)にかけて大規模な改修が行われました。
ダム便覧ではこの改修の竣工を竣工年度とし、管理は最上川中流土地改良区が行っています。
ちなみに神奈川県にも本沢ダムがありますがこちらは『もとさわ』、神奈川は『ほんざわ』と読みが異なります。
 
ダムは国道348号沿いにあります。
堤体下流面。
 
天端。
 
ダム湖。
すぐそばを国道348号が走っています。
総貯水容量15万7000立米。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
左岸から
堤体中央に斜樋があります。
 
アングルを変えて。
 
ダム下には下りなかったので底樋は確認しませんでした。
 
(追記)
本沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3366 本沢ダム(0483)
ため池コード
山形県上山市狸森
最上川水系本沢川
17.5メートル
81.2メートル(ため池データベース 91.5メートル)
157千㎥/157千㎥
最上川中流土地改良区
2004年
◎治水協定が締結されたダム

木川ダム

2016-07-12 12:15:27 | 山形県
2016年7月10日 木川ダム
 
木川ダムは山形県西村山郡朝日町立木の一級河川最上川水系朝日川にある山形県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により、新たに東北電力(株)が誕生します。
同社は戦後の電力不足を補うために積極的な電源開発を進めますが、送電網末端部にあたる山形県では東北電力だけでは電力需要を賄いきれず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
企業局は包蔵水力豊富な朝日川に着目し1956年(昭和31年)より電源開発に着手、1958年(昭和33年)に木川ダムと朝日川第一発電所(最大出力9000キロワット)が完成しました。
さらに1960年(昭和35年)には木川ダム上流に旭川第二発電所(最大出力4800)キロワットが完成、併せて1万3800キロワットの発電能力を持つに至りました。
 
朝日川に沿って県道289号を遡上し、Asahi自然館への道を分け擦れ違いがやっとの隘路を3キロ走ると左手に木川ダムが見えてきます。
青い縦長のローラーゲートが1門、高い導流壁が特徴。
訪問時は取水ゲートの交換工事のため発電所が停止しておりクレストゲートが開放されていました。
 
どうしても縦長のゲートに目が行ってしまいます。
雪国らしく被覆されたゲートビア。
 
 
高い導流壁。
放流で激しい水煙が立ち上っています。
 
天端は立ち入り禁止。
 
正面に朝日第一発電所への取水口があります。
訪問時は取水ゲートの交換工事中です(この日は休工中)のため取水は行われていません。
 
(追記)
木川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0426 木川ダム(0482)
山形県西村山郡朝日町立木
最上川水系朝日川
31.5メートル
73.5メートル
840千㎥/540千㎥
山形県企業局
1958年
◎治水協定が締結されたダム

上郷ダム

2016-07-12 11:06:07 | 山形県
2016年7月10日 上郷ダム
 
上郷ダムは左岸が山形県西村山郡朝日町常盤、右岸が同町大滝の一級河川最上川本流にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
芭蕉の句でも『さみだれを流して早し』と読まれた最上川ですが、支流では大正期より電源開発が進められたものの本流の発電所は1914年(大正3年)に稼働した旭発電所1基のみでした。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成で新たに誕生した東北電力は高度成長による電力需要増加に対処するため各所で電源開発を進めます。
上郷ダムもその一つで1962年(昭和37年)に建設され上郷発電所で最大1万5400キロワットのダム式発電を行います。
上郷ダムは最上川本流にある唯一のダムです。
 
国道287号線を南下し朝日町中心街を抜けると右手に上郷ダム湖が見えてきます。
上郷ダム公園の標識に従って右に折れるとダム湖右岸に到着します。
ダムはローラーゲート5門装備、右手に取水ゲートが2門あります。
豪雪地帯ということでピアの管理橋は被覆されています。
 
左岸に回ります。
減勢部にはバッフルピアが並び、対岸委ダム式発電所の上郷発電所が鎮座。
 
天端は『関係者以外の車両の通行をご遠慮ください』と書かれていますが、実際には地元住民の生活道路として利用されているようです。
 
ダム湖
総貯水容量766万立米ですが堆砂が進み、有効貯水容量は189万立米。
 
減勢部のバッフルピア。
 
右岸の上郷発電所。
 
発電所を魚道が回り込みます。
 
発電用取水ゲート。
 
右岸には作業船が繋留され湖岸には流木処理施設があります。
 
(追記)
上郷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0429 上郷ダム(0481)
左岸 山形県西村山郡朝日町常盤
右岸         同町大滝
最上川水系最上川
23.5メートル
166メートル
7660千㎥/1890千㎥
東北電力(株)
1962年
◎治水協定が締結されたダム

楯山溜池

2016-07-11 14:56:08 | 山形県
2016年7月10日 楯山溜池
 
楯山溜池は左岸が山形県寒河江市谷沢、右岸が山形県西村山郡大江町左沢の最上川水系楯山川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には大江町の事業で1950年(昭和25年)に竣工と記されており、現在も大江町が管理を行っています。
訪問時は楯山溜池への入り口がわからず右往左往、
朝日少年自然の家で場所を教えていただきようやくたどり着けました。
楯山溜池は朝日少年自然の家に隣接し、現地案内図には『ひょうたん沼』と表記され敷地内のキャンプ場から簡単に行くことができます。
 
朝日自然少年の家から歩いて10分ほど
溜池右岸に到着します。
 
池は寒河江市と大江町の境界線上にあり対岸は寒河江市、手前は大江町です。
受益農地は大江町にあり管理も大江町です。
 
右岸に洪水吐があります。
取水設備も探しましたが見つかりません。
たぶん草むらの中??
 
天端は朝日少年自然の家のアスレチックコースになっています。
 
標識は『ひょうたん沼』
 
左岸から。
 
総貯水容量2万3000立米の小さな溜池
ここからじゃわかりませんが池の形がひょうたん形のようです。
 
上流の国道や左岸の果樹園などからアプローチを試みたものの、いずれも池の手前で道は途切れ断念。
ダメもとで朝日自然少年の家で聞いたらあっさり到達できました。
 
0418 楯山溜池(0477)
ため池コード
左岸 山形県寒河江市谷沢
右岸 山形県西村山郡大江町左沢
最上川水系楯山川
18.6メートル
86メートル
23千㎥/23千㎥
大江町
1950年

白水川ダム

2016-07-11 12:58:19 | 山形県
2016年7月10日 白水川ダム
 
白水川(しろみずがわ)ダムは山形県東根市泉郷の最上川水系白水川にある山形県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、白水川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、約500ヘクタールのサクランボ果樹園地への灌漑用水の供給を目的として1990年(平成2年)に竣工しました。
また2015年(平成27年)には白水川ダム発電所(最大出力180キロワット)が完成し河川維持放流を利用した小水力発電が行われています。
 
東根市街から白水川に沿って市道を東進すると白水川ダムが見えてきます。
ダム下流は公園として整備され、芝生の広場にローラー滑り台などが設置されています。

堤高54.5メートル、堤頂長367メートルの横長ダム。
非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂14門、常用洪水吐として自然調節型オリフィス1門を装備。
このほか河川維持放流用ゲートと灌漑用バルブ各1条を備えています。
ダム下の建屋は2015年(平成27年)に完成した放流設備を兼ねた小水力発電所です。


公園にある魚の車止め。
結構あちこちのダムで見かけます。


下流から。 
 
 
左岸から。
見た目華奢な堤体導流壁
 
残念ながら天端は立ち入り禁止。
 
上流から。
 
総貯水容量530万立米のダム湖
湖畔には公園や広場、キャンプ場が6カ所整備されています。
 
(追記)
白水川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0442 白水川ダム(0475)
山形県東根市泉郷
最上川水系白水川
FNA
54.5メートル
367メートル
5300千㎥/4600千㎥
山形県県土整備部
1990年
◎治水協定が締結されたダム

三浦ダム・王滝川ダム見学会

2016-07-04 12:40:15 | ダム見学会
2016年7月3日 三浦ダム・王滝川ダム見学会
 
長野県王滝村の村づくりを推進している一般社団法人『ムラビトミライ』が主催した三浦ダム・王滝川ダム見学会に参加してきました。
通常三浦ダムに行くには車両通行禁止の林道を往復20キロ以上歩く必要がありますが、今回はマイクロバスでの移動でダム内部の監査廊や発電所、下流にある王滝川ダムの見学もできるということでイベントがリリースされるとすかさず申し込みをしました。
 
9時30分に王滝村公民館に集合、マイクロバスとミニバンに分乗して三浦ダムへ向かいます。
まずは関電の職員さんからの木曾川沿いのダムや発電所、大同電力などについての簡単な説明です。
 
到着直後はガスがかかっていましたが次第に晴れてきました。
 
最初は天端の見学です。
雪が多いのでダム湖側の通路は被覆されています。
 
被覆(スノーシェルター)の中。
 
天端から
右手は発電所、左は変圧所。
左手の湾曲している道路は昔の森林鉄道の軌道跡です。
 
 
関電ブラックのローラーゲート。
 
建設当時はフラップゲートだったそうで、痕跡が残っています。
 
右岸の階段を登ると・・・。
 
ヘリポートになっています。
ただ、まだ一度も使われたことはないということで。
 
ヘリポートから。
標高1300メートル、ダム湖(三浦貯水池)の先の山を越えればもう岐阜県。
 
手前にクレストゲート、奥は取水設備。
戦前に着工されたダムらしく丸みを帯びた取水設備。
 
今度はエレベーターで監査廊を見ます。
 
監査廊です。変な枝道に入るとどこにいるかわからなくなる。
 
石灰成分が溶け出してミニ鍾乳石。
 
 
漏水計。
 
この階段登るとどこに出るのかな?
 
監査廊から堤体直下に出ます。
スノーシェルターの横の道はかつての森林鉄道の軌道跡です。
 
堤体タッチもできます。
 
昼食は参加者が自分で作るダムカレー。
 
『祝 初ダムカレー』の旗も用意されていました。
 
昼食後は発電所の見学。
発電所内の写真はアップしないという条件です。
こちらは発電所からの放流路。
 
上はダムの放流口、下は排砂口。
 
三浦ダムのあとは下流の王滝川ダムに移動します。
このダムも普段は内部公開されていません。
 
御岳発電所への取水ゲート。
 
取水口のスクリーン。
 
ラジアルゲート。
 
 
右岸から。
 
草むらを下るとダムの全景が見えました。
 
上流から。
 
時間に余裕ができたので、特別に御岳発電所下黒沢堰堤も見学させていただきます。
立ち入り禁止の下黒沢沿いの道を進むと。
 
1944年(昭和19年)竣工の下黒沢堰堤です。
 
 
 
堰堤の奥には素晴らしい滝があります。
これじゃあ大きさがわからないので…
 
人を入れると滝の大きさがわかるでしょう。
この滝も普段は見れないそうで…なんだかもったいないなあ。
 
見学会も無事終了、公民館前で解散。
 
朝はあいにくの雨でどうなる事かと思いましたが無事終了しました。
普段見ることが難しい三浦ダムをじっくり見学できただけでも満足ですが、王滝川ダムに加え、おまけの下黒沢堰堤も発電ダム好きの我が家にとってはうれしいおまけとなりました。
このイベントは昨秋に次いで2度目の開催ですが、今回は昼食を参加者が自作するダムカレーとするなど改良が加えられたそうです。
秋には一泊二日の第3弾を予定されているということで、スケジュールが合えばまた参加させていただきたいと思います。

三浦ダム

2016-07-04 00:00:00 | 長野県
2016年7月3日 三浦ダム
 
三浦ダムは長野県木曽郡王滝村の木曽川水系王滝川最上流部にある関西電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
木曽川水系では戦前の5大電力の一つで福沢桃介率いる大同電力(株)により大井発電所や落合発電所をはじめとして電源開発が進められましたが、木曽川の河川流量の変動により渇水期にはその発電能力を十分に発揮することができませんでした。
大同電力は木曽川流量の平準化を目的として、1933年(昭和8年)より王滝川最上流部への巨大ダム建設に着手、のちに電力管理法により日本発送電(株)が事業を接収し終戦間際の1945年(昭和20年)1月に三浦ダムは完成しました。
三浦ダムの堤高83.2メートルは終戦以前に完成したダムとしては塚原ダムに次いで第2位、総貯水容量6000万立米も当時としては屈指のスケールを誇りました。
三浦ダムでは木曾川下流の水位変動を緩和し各発電所の発電能力を十分生かすため豊水期にダム湖に貯留し、渇水期に放流を行っています。
放流の際にはダムと同時に完成した三浦発電所(最大出力7700キロワット)でダム式発電を、1951年に完成した滝越発電所(最大出力2万8900キロワット)でダム水路式発電を行います。
1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により、三浦ダムをはじめとした木曾川流域の発電施設は新たに誕生した関西電力が事業継承し現在に至っています。
三浦ダムは戦前戦中屈指のダムとしてBランクの近代土木遺産に選ばれているほか、日本ダム協会により日本100ダムにも選定されました。
 
ダム周辺は国有林でダムへ通じる滝越林道は一般車両通行禁止となっており、三浦ダムに行くには往復20キロを超える徒歩を余儀なくされます。
今回は地元NPO主催の三浦ダム・王滝川ダム見学会に参加しマイクロバスで三浦ダムを見学することができました。
 
王滝村公民館からマイクロバスに乗って三浦ダムに到着です。
ダム左岸から
堤体中央にエレベーター棟、対岸の直下に三浦発電所があります。
 
堤体の穴は照明用です。
 
天端。
ダム湖側に被覆された通路があります。
 
被覆通路(スノーフィルター)内部。
 
ダム直下。
右岸に発電所と放流水路。
左奥は変圧所、左岸手前の湾曲した道路は森林鉄道の軌道跡です。
 
発電所の放流水路。
ゲート手前右手が滝越発電所への導水路呑口です。
 
クレストのローラーゲート。
関電ブラックです。
 
ダム竣工時はフラップゲートだったそうで今もその痕跡が残っています。
 
洪水吐からの導流部はトンネル式になっています。
 
 
右岸ヘリポートから俯瞰できます。
対岸に管理事務所(見張り所)があり、左にインクライン、さらにプラント跡も見えます。
 
上流から
丸みを帯びた取水棟は戦前らしいデザインです。
 
堤体直下から。
右手の道路は森林鉄道跡です。
 
堤体にタッチできます。
 
発電所の放流路。
ここから滝越発電所へ送られます。
 
秋にでも、林道を20キロ往復してみようと思っていた矢先に今回のイベントを知りすかさず参加しました。
見学会の詳細はこちらのリンクでご覧いただけます。
 
(追記)
三浦ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0994 三浦ダム(0473)
長野県木曽郡王滝村
木曽川水系王滝川
83.2メートル
290メートル
62216千㎥/61600千㎥
関西電力(株)
1945年
◎治水協定が締結されたダム