ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

ダム博物館写真館オープニング

2016-10-31 10:35:00 | ダム関連イベント
2016年10月29日 ダム博物館写真館オープニング
 
埼玉県秩父市の浦山ダムに開設されたダム博物館写真館のオープニングセレモニーに参加してきました。
11時15分の式典に間に合うように自宅を出たのですが、中央道の事故渋滞に巻き込まれて5分遅れで到着。
すでに式典は始まっていて人混みの後ろから声だけ聞いての参加です。
 
式典終了後は展示されている写真を見学。
 
不肖、ワタクシの愚作も1枚展示していただきました。
 
オープニングセレモニーの後は土木写真家の西山先生の講演会。
その前にダムマンガの井上よしひさ先生のごあいさつ。
 
西山先生の講演会。
 
ドローンを使った撮影も紹介されました。
 
講演会のあと記念缶バッチとカードも無事ゲット。
 
交流会では西山先生と30分近くお話しすることができいろいろ勉強になりました。
最後にもう一度写真館に戻って自分の写真と記念撮影。
 
帰りに府中のBMWで点検中だったM6をテイクアウトして無事帰宅。
ガラスコーティングでピカピカになりました。
 
日曜日は久しぶりにオフでのんびりまったり。
文化の日の連休は再び北陸に向かい富山、石川、福井のダムを見学する予定です。

泰阜ダム

2016-10-26 14:46:39 | 長野県
2016年10月23日 泰阜ダム
 
泰阜ダムは長野県下伊那郡泰阜村(右岸は下伊那郡阿南町)の天竜川本流にある中部電力の発電用重力式コンクリートダムです。
1931年(昭和6年)に天竜川電力と統合した矢作水力は天竜川本流での水力発電事業に乗り出し、同年に着工1936年(昭和11年)に竣工したのが泰阜ダムで、天竜川本流に建設された最初の本格的ダムとなります。
ここで取水された水は泰阜発電所に送られ最大5万2500キロワットの発電を行っています。
 
泰阜ダムは県道83号線沿いにあり、堤体直下まで接近することができます。
地形に合わせて角度を変える左岸の導流面の作りがなんとも言えません。
 
 
消しゴムの様な石は放流水の減勢工の役目です。
 
仮排水路でしょうか?
 
泰阜発電所とダム。
 
左岸の発電所に通じる道からもダムが望めます。
 
 
ゲートをズームアップ
扶壁に階段がついています。
 
水に削られたせいでしょうか?導流面はうねっています。
この凹凸がコンクリートをまるで生き物のように見せます。
 
天端通路の上流面はアーチになっています。。
 
0989 泰阜ダム(0673)
近代土木遺産
長野県下伊那郡泰阜村
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
天竜川水系天竜川
50メートル
143メートル
中部電力(株)
1935年
◎治水協定が締結されたダム

平岡ダム

2016-10-26 13:28:37 | 長野県
2016年10月23日 平岡ダム
 
平岡ダムは長野県下伊那郡天龍村の天竜川本流にある中部電力の発電用重力式コンクリートダムです。
天竜川流域では大同電力系列の天竜川電力が電源開発を進め、のちに同社と統合した矢作水力が事業を継承します。
矢作水力は天竜川本流で1935年(昭和10年)に泰阜ダムを建設、ついで1938年(昭和13年)に平岡ダム建設に着手しますが、翌年電力事業の国家統制により日本発送電が誕生し平岡ダム建設事業も含めて矢作水力の発電事業はすべて接収されました。
建設は戦中戦後も続き、1952年(昭和27年)に日本発送電の解体により事業を引き継いだ中部電力の手によりようやく完成しました。
運用開始当初は平岡発電所で最大6万1500キロワットの発電を行っていましたが、1976年(昭和51年)に発電機が増強され最大出力10万1000キロワットとなっています。
 
天竜川沿いの県道1号を南下すると平岡ダムに到着します。
まずは下流から
暴れ天竜を堰き止める16門のラジアルゲート。
 
天竜川に現れた真っ白い堤体と中電レッドのゲートが秋空に映えます。
 
ゲートをズームアップ。
 
左岸から。
 
 
右岸の取水口
取水ゲートが8門。
 
左岸上流から。
 
中電のダムとしては珍しく天端は開放されています。
これは右岸の天龍村が整備した遊歩道への連絡通路になっているためです。
 
ダム湖
紅葉はまだまだです。
ダム湖は国交省により直轄管理されています。
 
右岸から。
 
1001 平岡ダム(0672)
長野県下伊那郡天龍村
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
天竜川水系天竜川
62.5メートル
258メートル
中部電力(株)
1951年
◎治水協定が締結されたダム

和知野ダム

2016-10-26 11:16:01 | 長野県
2016年10月23日 和知野ダム
 
和知野ダムは長野県下伊那郡阿南町の天竜川水系和知野川にある中部電力の発電用重力式コンクリートダムです。
矢作川の電源開発を進めていた大同電力系列の矢作水力は1931年(昭和6年)に天竜川水力と合併し天竜川の開発にも乗り出します。
矢作水力は岩倉ダムと豊発電所に続いて1938年(昭和13年)に和知野ダムと和知野発電所の建設に着手、翌1939年(昭和14年)に竣工しますが、その間に日本発送電が設立され運用は日本発送電で開始されました。
和知野ダムで取水された水は約3.3キロの導水路を経て和知野発電所に送られ最大6300キロワットの発電を行っています。
和知野ダムは戦後の電力分割民営化で中部電力が事業継承しています。
和知野ダムは堤高が8.5メートルのため河川法では堰堤となりダム便覧には掲載されていません。
 
県道46号線から和知野ダムと正対できます。
4門のブラックのローラーゲートに魚道と沈砂池が並ぶさまはとても堤高8.5メートルには見えません。
大同電力系の矢作水力が手掛けたのでブラックゲートなんでしょうね?
 
ゲートと魚道、沈砂池のバランスが素晴らしいダムです。
 
右岸の塵芥流路。
 
魚道と沈砂池。
 
アングルを変えて。
 
取水口をズームアップ。
 
和知野ダム
長野県下伊那郡阿南町
北緯度分秒,東経度分秒
天竜川水系和知野川
8.5メートル
47.5メートル
千㎥/千㎥
中部電力(株)
1939年

岩倉ダム

2016-10-26 09:57:56 | 長野県
2016年10月23日 岩倉ダム
 
岩倉ダムは長野県下伊那郡売木村の天竜川水系売木川支流岩倉川にある中部電力の発電用重力式コンクリートダムです。
矢作川の電源開発を進めていた大同電力系列の矢作水力は1931年(昭和6年)に天竜川水力と合併し天竜川の開発にも乗り出します。
岩倉ダムは1936年(昭和11年)に下流の豊発電所とともに矢作水力によって建設されました。
岩倉ダムは取水ダムではなく、増水期に貯留を行い渇水期に放流をし、売木川の水量を平準化することで年間を通して安定した発電を行う目的で建設されました。
岩倉ダムと豊発電所は日本発送電を経て戦後は中部電力が事業継承しました。
建設当初はクレストに3門のローラーゲートを備えていましたが、2000年(平成12年)の改修でゲートが撤去され現在は自由越流式ゲート3門となっています。
 
国道418号に岩倉ダムの表示がありこれに従うと岩倉ダム右岸に到着します。
2000年(平成12年)の改修のせいか、ゲートの扶壁のコンクリートだけが白くなっています。
 
天端は立ち入り禁止。
 
ダムの銘板にはローラーゲート3門と記されています。
 
堤体下流面。
 
ゲートをズームアップ。
戦前戦中のダムらしくゲート部分は階段で高くなっています。
ここだけ白くなっており改修の跡がよくわかります。
 
取水ダムではないせいか、中電のダムとしては珍しく堤体直下が開放されています。
3門のゲートから放流されていました。
 
 
下からもゲートをズームアップ。

(追記)
岩倉ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0990 岩倉ダム(0671)
長野県下伊那郡売木村
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
天竜川水系岩倉川
25メートル
100.9メートル
千㎥/千㎥
中部電力(株)
1936年
◎治水協定が締結されたダム

兼平防災ダム

2016-10-25 16:31:05 | 岐阜県
2016年10月22日 兼平防災ダム
 
兼平防災ダムは岐阜県恵那市山岡町馬場山田の一級河川庄内川水系兼平川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
恵那市山岡町の庄内川2次支流の田沢川や兼平川流域は真砂土と呼ばれる風化した花崗岩で形成され、地盤は脆く大雨の度に洪水被害が発生していました。
とくに1972年(昭和47年)7月豪雨の際には流域で壊滅的な被害が発生し、抜本的な洪水対策が求められました。
これを受け岐阜県は農林省(現農水省)の補助を受けた防災ダム事業に着手、1987年(昭和62年)に竣工したのが兼平防災ダムです。
完成後は恵那市が管理を受託、兼平川下流域の農地防災を目的に運用されています。

広域農道恵那ささゆり街道に『兼平ダム』の標識がありこれに従うとダムに到着します。
天端は車両通行可能ですが、対岸で舗装は終わりその先は荒れた林道となります。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
防災専用ダムですが、堆砂容量4万1000立米分が貯留されています。
 
天端からの眺め
ダム下に放流設備があります。
 
下流面はきれいに草が刈られています。
 
右岸の越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
ダム湖側からの洪水吐。
 
左岸の放流ゲート
常用洪水吐となり、普段は流入量はそのまま放流します。
 
1121 兼平防災ダム(0670)
岐阜県恵那市山岡町馬場山田
庄内川水系田沢川
 
38.5メートル
130メートル
412千㎥/372千㎥
恵那市
1987年

田沢防災ダム

2016-10-25 15:29:04 | 岐阜県
2016年10月22日 田沢防災ダム
 
田沢防災ダムは岐阜県恵那市山岡町田沢の一級河川庄内川水系田沢川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
恵那市山岡町の庄内川2次支流の田沢川や兼平川流域は真砂土と呼ばれる風化した花崗岩で形成され、地盤は脆く大雨の度に洪水被害が発生していました。
とくに1972年(昭和47年)7月豪雨の際には流域で壊滅的な被害が発生し、抜本的な洪水対策が求められました。
これを受け岐阜県は農林省(現農水省)の補助を受けた防災ダム事業に着手、1987年(昭和62年)の兼平防災ダムに続き、1993年(平成5年)に竣工したのが田沢防災ダムです。
完成後は恵那市が管理を受託、田沢川下流域の農地防災を目的に運用されています。
 
恵那市山岡の国道418号に『田沢ダム』への標識があり、これに従うと田沢ダムに到着します。
下流から。
 
右岸から
堤高は29.5メートルで犬走を挟んだ4段構成
下流面はきれいに草が刈られています。
堤体右岸を洪水吐導流部が流下。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端から。
防災専用ダムですが、総貯水容量24万8000立米のうち堆砂容量2万5000立米分が貯留されています。
 
堤体下部は盛土が施され平坦地になっています。
建屋は放流設備。
 
横越流式洪水吐の右手に常用洪水吐となる放流ゲートがあります。
普段は流入量はそのまま放流します。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
1124 田沢防災ダム(0669)
岐阜県恵那市山岡町田沢
庄内川水系田沢川
 
29.5メートル
109メートル
248千㎥/223千㎥
恵那市
1993年

椋実防災ダム

2016-10-25 14:08:49 | 岐阜県
2016年10月22日 椋実防災ダム
 
椋実防災ダムは岐阜県恵那市美里町椋実の一級河川庄内川水系土岐川2次左支流椋実川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
岐阜県の防災ダム事業により1968年(昭和43年)に竣工し、管理は土岐川防災ダム一部事務組合が受託しています。
 
武並で国道19号から国道418号に入り南下、殿畑で市道を右折すると椋実防災ダムの左岸に到着します。
半円形の洪水吐が特徴です。
 
上流面
堤体上部はコンクリートで補強されています。
 
 
天端は車両通行可能
防災ダムなのでダム湖はカラカラです。
 
洪水吐導流部。
 
下流面は刈り払われています。
ダムの下は水田が続きます。
 
左岸の取水設備。
 
右岸から上流面。
 
ダムの下流からもアプローチできましたが、ちょうど農家の方が農作業をされていたので邪魔にならないよう手前で引き返しました。
 
1107 椋実防災ダム(0668)
岐阜県恵那市三郷町椋実
庄内川水系椋実川
 
26.9メートル
107.5メートル
440千㎥/349千㎥
土岐川防災ダム一部事務組合
1968年

神徳防災ダム

2016-10-25 13:41:46 | 岐阜県
2016年10月22日 神徳防災ダム
 
神徳防災ダムは岐阜県瑞浪市釜戸町の一級河川庄内川水系土岐川支流中沢川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
岐阜県の防災ダム事業により1957年(昭和32年)に竣工し、管理は土岐川防災ダム一部事務組合が受託しています。
 
釜戸で国道19号から県道65号に入り神徳口で市道を右折、すぐに左手に分かれる枝道に入り神徳防災ダム右岸に到着します。
残念ながら天端への立ち入りは禁止です。
 
道路は堤体の下流面を横断しています。
 
 
洪水吐。
 
左岸の取水設備。
 
堤体下流面
すでに刈り払われています。
木に隠れていますが堤体右側に洪水吐導流部があります。

神徳防災ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1089 神徳防災ダム(0667)
岐阜県瑞浪市釜戸町神徳大洞
庄内川水系中沢川
 
24メートル
123.6メートル
295千㎥/240千㎥
土岐川防災ダム一部事務組合
1957年
◎治水協定が締結されたダム

竹折防災ダム

2016-10-25 13:10:37 | 岐阜県
2016年10月22日 竹折防災ダム
 
竹折防災ダムは左岸が岐阜県恵那市武並町竹折、右岸が同町藤の一級河川庄内川水系土岐川支流竹折川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
岐阜県の防災ダム事業により1958年(昭和33年)に竣工し、管理は土岐川防災ダム一部事務組合が受託しています。
 
武並で国道19号から国道418号に入り少し北上、武並小学校への市道を右折すると左手に竹折防災ダムが現れます。
堤体中ほどを市道が横切っています。
堤高は17メートルありますが、道路のせいでたかだか数メートルにしか見えません。
 
天端。
 
防災ダムなのでダム湖はカラカラ。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部
堤体を横切る道路。
 
道路から洪水吐を見上げると・・・。
 
右岸から。
 
堤体上流面。
 
1092 竹折防災ダム(0666)
左岸 岐阜県恵那市武並町竹折
右岸        同町藤
庄内川水系竹折川
 
17.2メートル
110メートル
245千㎥/199千㎥
土岐川防災ダム一部事務組合
1958年

姥ヶ洞溜池

2016-10-25 10:28:00 | 岐阜県
2016年10月22日 姥ヶ洞溜池
 
姥ヶ洞溜池は岐阜県恵那市岩村町富田の木曽川水系吉田川左支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1969年(昭和44年)に岐阜県の事業により竣工と記されていますが、これが築造年度なのか?改修年度かは不明です。
管理は姥ヶ洞簒溜池管理組合が行っています。
 
国道363号から岩村ダムの標識に従い市道を南下し、岩村城址方面に右折すると姥ヶ洞溜池に到着します。
天端の手前に車止めのゲートが設置されています。
 
貯水池。
 
溜池の下流には日本一の農村風景と言われる岩村町富田地区があります。
 
左岸の斜樋。
 
シリンダーゲートのハンドル。
 
堤体上流面
草が覆っていますがコンクリートで護岸されています。
 
左岸から。
 
洪水吐は堤体とは少し離れた場所にあります。
薄く越流しています。
 
3437 姥ヶ洞溜池(0664)
ため池コード 212100571 
岐阜県恵那市岩村町富田
木曽川水系吉田川左支流(河川名不明)
20メートル(ため池DB 14.9メートル)
141メートル
187千㎥/187千㎥
姥ヶ洞溜池管理組合
1964年

飯野溜池

2016-10-25 09:44:20 | 岐阜県
2016年10月22日 飯野溜池
 
飯野溜池は岐阜県中津川市飯沼の木曽川水系飯沼川左支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1959年(昭和34年)に岐阜県の事業により竣工と記されており、管理は飯沼ため池水利組合が行っています。
恵那から明知鉄道に沿って県道407号を南下、飯沼駅先の市道を左折し梨坪集落に入ると集落の南に飯野溜池の堤体が見えてきます。
梨坪集落を見下ろすように溜池がつくられています。
 
堤体下部右岸側にある取水設備からの底樋吐口。
 
堤体をよじ登り天端に上がります。
 
草が生えてわかりづらいですが、上流面はロックフィルになっています。
 
集落を支える小さな溜池です。
 
右岸の斜樋。
 
天端から
この谷筋の田畑の水源となっています。
 
左岸の洪水吐。
 
左岸から堤体下流面
きれいに刈り払われた堤体がこの溜池の価値を示しています。
 
1091 飯野溜池(0663)
ため池コード 212060430 
岐阜県中津川市飯沼梨坪
木曽川水系飯沼川左支流(河川名不明)
23メートル
84.7メートル(ため池DB108メートル)
120千㎥/120千㎥
飯沼ため池水利組合
1959年

洗井沢溜池

2016-10-24 22:16:18 | 岐阜県
2016年10月22日 洗井沢溜池
 
洗井沢溜池は岐阜県中津川市茄子川の木曽川水系濁川右支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1952年(昭和27年)に洗井沢溜池水利組合の事業で竣工と記され、受益農家の持ち出して建設されたと思われます。
その後、岐阜県のため池等整備事業で改修され現在も洗井沢溜池水利組合が管理を行っています。
中津川市街から国道19号を西進、深沢交差点から東美濃ふれあい街道に入りユーグリーン中津川ゴルフ倶楽部の先を左折する洗井沢溜池に到着します。
 
取水設備からの水路は洪水吐と立体交差しこのゲートで洪水吐導流部と灌漑用用水路に分水されます。
 
下流面と右岸の洪水吐導流部
堤体はきれいに刈り払われています。
 
右岸の洪水吐。
 
天端と下流面。
 
右岸から。
 
天端と上流面。
 
堤体の中央の斜樋。
 
貯水池は水抜きされ空っぽでした。
 
1073 洗井沢溜池(0661)
ため池コード 212060363 
岐阜県中津川市茄子川
木曽川水系濁川右支流(河川名不明)
17メートル
93メートル(ため池DB 81メートル)
60千㎥/60千㎥
洗井沢水利組合
1952年

落合ダム

2016-10-24 20:00:00 | 岐阜県
2015年11月22日 落合ダム
2016年10月22日 
 
落合ダムは左岸が岐阜県中津川市落合、右岸が同市瀬戸の一級河川木曾川本流中流部にある関西電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
戦前の5大電力の一つで福沢桃介率いる大同電力は急流かつ水量豊富な木曾川に着目し、1923年(大正12年)に読書発電所、1924年(大正13年)に大井ダムと大井発電所を完成させます。
次いで1926年(大正15年)に建設されたのが落合ダム・落合発電所で、落合ダムで取水された水は約180メートルの導水路で落合発電所に送られ最大1万4700キロワットのダム水路式発電を行っていました。
しかし大同電力の発電施設は1939年(昭和14年)の配電統制令により日本発送電に接収され、1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により関西電力が事業継承しました。
その後のオイルショックによる火力発電コスト上昇や家電普及に伴う電力消費の日中格差拡大に対処するため、電力会社は既設発電施設の再開発を進めますが、落合ダムでも1980年(昭和55年)に新落合発電所(最大出力1万8900キロワット)を増設、以来新落合発電所では常時発電を、落合発電所では電力需要繁忙時のピーク発電を行っています。
落合ダムおよび落合発電所は土木建築物としての歴史的価値を評価してCランクの近代土木遺産に選ばれています。
またダム湖には岐阜県東部上水道用水供給事業(旧東濃用水道事業)の取水口が設けられ、東濃地区向け岐阜県営水道用水がここから取水されています。
 
落合ダムには2015年(平成27年)11月に初めて訪問し、翌年10月に再訪しました。
ダム下流から遠望
堤頂長215.1メートル、18門のラジアルゲートで木曾川を締め切っています。
 
ゲートをズームアップ
ゲートは関電おなじみブラックゲート、河川維持放流のため1門だけ開放されています。
 
左岸から
大正末期のダムと言うことで副ダム等の減勢設備はなく、減勢目的のために河床の岩盤とコンクリートの水叩きが併用されています。 
 
 
天端は生活道路として開放されています。
たぶんダム建設にあたり、周辺住民との交渉でダムを対岸への通路として開放することになったのでしょう。
 
天端から
木曾川、阿賀野川、只見川などの戦前の発電ダムでよくみられるように自然の岩盤を減勢目的で生かした作り。
 
ダム左岸には二つの取水ゲートが並びます
左は1926年(大正15年)完成の落合発電所の取水ゲート
右は1980年(昭和55年)完成の新落合発電所の取水ゲート。
 
ダム左岸の取水口
二つの発電所向けにかなり横幅の広い取水口になっています。
スクリーンの上には除塵機が並び、奥にはゴミ処理用の巨大なクレーンが鎮座します。
 
これは取水口の裏側、沈砂池になります。
 
ダム管理施設は立ち入り禁止。
 
ダムの上流面。
 
最後の写真を除き、2016年10月の再訪時の写真を使っています。
 
(追記)
落合ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1059 落合ダム(0057)
左岸 岐阜県中津川市落合
右岸      同市瀬戸
木曽川水系木曽川
33.3メートル
215.1メートル
3872千㎥/1000千㎥
関西電力(株)
1926年
◎治水協定が締結されたダム

新溜(新溜池)

2016-10-24 16:48:00 | 岐阜県
2016年10月22日 新溜(新溜池)
 
新溜は岐阜県中津川市千旦林の木曽川水系木曽川左支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1918年(大正7年)に受益者組織である新溜水利組合の事業で建設され、1960年(昭和35年)の改修で堰堤がかさ上げされました。
新溜という名称はすぐ南にある旧溜に対して新しく築造された溜池として名付けられたようです。
地元ではひょうたん池という名前が一般的で管理釣り場の『フィッシングスポットひょうたん』として人気の釣りスポットになっています。
なおダム便覧では『新溜池』と記載されていますが、ため池データベースや中津川市のため池ハザードマップでは『新溜』という名称で記載されており、当ブログでも新溜と記載します。
 
新溜は巨岩が連なる『星ヶ見公園』に隣接しています。
湖岸の桟橋には釣り客向けの貸しボートが並んでいます。
 
右岸から上流面。
対岸には花崗岩の巨石が累々と連なっています。
 
湖岸にも花崗岩が露出しています。
花崗岩の手前に斜樋があります。
 
天端。
 
右岸の洪水吐
自由越流式で越流しています。
 
 
堤体直下から。
右岸に洪水吐導流部が見えます。
 
底樋管そばの分水工
斜樋で取水された水はここで灌漑用水と河川維持用水に分水されます。
 
 
1053 新溜(新溜池)(0660)
ため池コード 212060319 
岐阜県中津川市千旦林
木曽川水系木曽川左支流(河川名不明)
15メートル
96メートル(ため池DB 70メートル)
40千㎥/40千㎥
新溜水利組合
1918年