ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大沢ダム

2022-12-21 17:36:42 | 岩手県
2022年10月26日 大沢ダム
 
大沢ダムは岩手県宮古市腹帯の閉伊川水系大沢川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
東北電力腹帯発電所の調整池で、閉伊川で取水された水が約7キロの導水路でいったん当ダムに貯留され大沢川の水と併せて約1.7キロの導水路で腹帯発電所に送られ、最大1万1100キロワットの水路式発電を行います。
腹帯発電所は1937年(昭和12年)に東北振興電力(株)によって着工されたのち、建設途上で日本発送電(株)に接収され1939年(昭和14年)に稼働を開始しました。
一方大沢ダムは発電所稼働の4年後の1943年(昭和18年)に竣工し、これらの発電施設は1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東北電力が事業継承しました。
ちなみに東北振興電力(株)は昭和初期の冷害や三陸地震、さらには昭和恐慌で疲弊した東北地方の産業振興目的で設立された国策会社  で岩手の外山ダム、秋田の神代ダム夏瀬ダムなどが同社によって事業着手されています。   
またダム便覧には流域面積はすべて直接流域と書かれていますが、これは間違いで集水の大半は閉伊川からの導水に依ります。   

国道106号線から大沢川沿いの隘路を南下すると大沢ダムに到着します。 
ダム下へと通じる管理用の山道をはじめ、天端を含めダムの敷地はすべて立ち入り禁止のため見学ポイントはほとんどありません。 
道路沿いのフェンスの隙間から。 


全面越流式でダムの中央に放流用のバルブがあります。  


水利使用標識。


この建屋の下に流入口と取水口があるようです。


手前に伸びるのは除塵機で捕捉した塵芥の運搬用コンベア
改修があるのか測量作業中でした。


とにかく見学ポイントが限られます。
またセットで閉伊川の取水堰や腹帯発電所も見るべきなんでしょうが、予約していた新幹線の時間の都合もありスルーしてしまいました。

0233 大沢ダム(1925)
岩手県宮古市腹帯
閉伊川水系大沢川
30.8メートル
67メートル
170千㎥/75千㎥
東北電力(株)
1943年

矢櫃ダム

2022-12-20 18:00:00 | 岩手県
2022年10月21日 矢櫃ダム
 
矢櫃ダムは岩手県岩手郡雫石町西安庭の北上川水系矢櫃川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
雫石町南西部の御所地区(旧御所村)では地区を南北に貫流する鶯宿川、南畑川、外桝沢川、矢櫃川沿いに1000ヘクタールを超える農地が広がっていますが、4河川ともに蛇行を繰り返す急流河川となっており豪雨の際には洪水被害が頻発していました。
そこで岩手県は1950年(昭和25年)に農林省(現農水省)の補助を受けた御所防災ダム事業を採択、各河川上流部への4基の農地防災ダム建設が着手されました。
そして1957年(昭和32年)の鶯宿ダム、1961年(昭和36年)の外桝沢ダム、1968年(昭和43年)のレン滝ダムに次いで1981年(昭和56年)に完成したのが矢櫃ダムです。
当ダムの完成により事業着手から31年の年月をかけた御所防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
4ダムは完成後は雫石町が管理を受託し、4河川流域約670ヘクタールの農地防災を担っています。

御所湖から矢櫃川沿いの県道を約8キロ南下すると矢櫃ダムに到着します。
他の御所防災ダムはいずれも重力式コンクリートダムなのに対し、ここは唯一ロックフィル。
右岸ダムサイトに広大な広場があり3ダムとは様相が異なります。
対岸には安山岩の断崖。


右岸の洪水吐越しに下流面を望む。
ロックフィルですが下流面は芝が張られています。
寒冷地でよく見られる凍上対策と思われます。


アングルを変えて
堤高33.5メートルで提体はさらに下方に続きますが、地山が邪魔で全貌は見えません。


洪水吐導流部
この先でさらに流下します。


他の3ダムとは異なり立派な竣工記念碑が設置されています。


洪水吐に架かる管理橋の先に天端が続きますが、残念ながらこの先は立ち入り禁止。


右岸の横越流式洪水吐
奥の建屋は艇庫。


上流から
洪水吐の先の取水塔は常用洪水吐となる放流設備。


上流面はもちろんロックフィル。


艇庫とインクライン
普段ダム湖に水を溜めない防災専用ダムですので、巡視艇が出るのは洪水調節後ダム湖に水が堪った時だけ。


総貯水容量92万7000立米のうち堆砂容量17万立米分だけ貯留されているはずですが、ここからは見えません。
取水塔の基部に孔あき方式の常用洪水吐があり平時は流入量はそのまま放流されます。


なお岩手県内には一関市に同名の砂防ダムがあり、ダム便覧でも誤った写真が投稿されています。
こちらは河川法のダムですが、一関の物件は砂防ダムとなりダム便覧への掲載もありません。

(追記)
矢櫃ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0254 矢櫃ダム(1924)
岩手県岩手郡雫石町西安庭 
北上川水系矢櫃川 
 
 
33.5メートル 
140メートル 
927千㎥/757千㎥ 
雫石町 
1981年
◎治水協定が締結されたダム

外桝沢ダム

2022-12-19 18:00:00 | 岩手県
2022年10月21日 外桝沢ダム
 
外桝沢ダムは岩手県岩手郡雫石町南畑の北上川水系外桝沢川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
雫石町南西部の御所地区(旧御所村)では地区を南北に貫流する鶯宿川、南畑川、外桝沢川、矢櫃川沿いに1000ヘクタールを超える農地が広がっていますが、4河川ともに蛇行を繰り返す急流河川となっており豪雨の際には洪水被害が頻発していました。
そこで岩手県は1950年(昭和25年)に農林省(現農水省)の補助を受けた御所防災ダム事業を採択、各河川上流部への4基の農地防災ダム建設が着手されました。
そして1957年(昭和32年)の鶯宿ダムに次いで1961年(昭和36年)に完成したのが外桝沢ダムです。さらに1968年(昭和43年)のレン滝ダム、1981年(昭和56年)の矢櫃ダム の完成により事業着手から31年の年月をかけた御所防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
4ダムは完成後は雫石町が管理を受託し、4河川流域約670ヘクタールの農地防災を担っています。

雫石広域農道から外桝沢川沿いを約3キロ南下すると外桝沢ダムに到着、まずはダム下に下りてみます。
堤高22.5メートル、堤頂長169メートルの横長堤体でクレストに自由越流頂7門が並びます。


左岸寄りに上下2段のオリフィスがあり、導流部はジャンプ台になっています。
この下に常用洪水吐となる下段のオリフィスがあり、ジャンプ台はデフレクターの役割のようです。
同様の設備は青森県の夏坂ダムでも見られました。


右岸ダム下の監査廊入り口。


右岸沿いの階段
特に立ち入り規制はなくこれを使って下りました。


朱色の手すりに赤さびたダイダイゴケ、赤いダムです。


右岸ダムサイトから
鶯宿ダムやレン滝ダム同様、天端はゲート部分だけ高くなっています。


堤体にはタイル張りの銘板
傷んでいていて読みづらいですが
『外桝沢ダム 昭和36年12月完成 岩手県 施工株木建設株式会社』
と記されています。

天端は立ち入り禁止。
赤い手すりが鮮やか。


上流面
総貯水容量99万4000立米ですが、流水型防災ダムのため平時は流入量はそのまま放流され、貯水池は空っぽ。


左岸側端に上下2段のオリフィスがあり塵芥除けのゲージで覆われています。
この反対側に上記ジャンプ台があります。


右岸ダムサイトの建屋
手前が管理事務所、奥が艇庫
職員の常駐はありません。


艇庫から伸びるインクライン
普段ダム湖は空っぽなので、洪水でダム湖に貯水された際流木や塵芥除去のため使われるんでしょう。


(追記)
外桝沢ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0244 外桝沢ダム(1923)
岩手県岩手郡雫石町南畑 
北上川水系外桝沢川 
 
 
22.5メートル 
169メートル 
994千㎥/994千㎥ 
雫石町 
1961年
◎治水協定が締結されたダム

レン滝ダム

2022-12-17 19:00:00 | 岩手県
2022年10月21日 レン滝ダム
 
レン滝ダムは岩手県岩手郡雫石町南畑の北上川水系南畑川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
雫石町南西部の御所地区(旧御所村)では地区を南北に貫流する鶯宿川、南畑川、外桝沢川、矢櫃川沿いに1000ヘクタールを超える農地が広がっていますが、4河川ともに蛇行を繰り返す急流河川となっており豪雨の際には洪水被害が頻発していました。
そこで岩手県は1950年(昭和25年)に農林省(現農水省)の補助を受けた御所防災ダム事業を採択、各河川上流部への4基の農地防災ダム建設が着手されました。
そして1957年(昭和32年)の鶯宿ダム、1961年(昭和36年)の外桝沢ダムに次いで、1968年(昭和43年)に完成したのがレン滝ダムです。
さらに1981年(昭和56年)の矢櫃ダム の完成により事業着手から31年の年月をかけた御所防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
4ダムは完成後は雫石町が管理を受託し、4河川流域約670ヘクタールの農地防災を担っています。

雫石町南畑で県道1号盛岡横手線から県道234号花巻雫石線に入りすぐ先の分岐を右手に入るとレン滝ダムに到着します。
堤高37.7メートル、堤頂長170メートルで、洪水吐は堤体左岸寄りにあります。


クレスト自由越流頂が2門
天端はゲート部分が高くなっています。


ダム直下まで接近
導流部向って右手(左岸側)にオリフィスの穴が開いています。
さらに堤体下部に流水式放流管があります。


堤体に埋め込まれた竣工記念の銘板。


上流面
対岸に艇庫とインクラインがあります。


対岸に林道が続くため天端は車両通行可能
ゲート部分が高くなっています。


天端から右岸を振り替えると
ダムサイトに管理事務所がありますが職員の常駐はありません。
ダム下にはバッチャープラント跡と思しき遺構。


減勢工。


流水型防災ダムのため平時は流入量はそのまま放流させダム湖は空っぽ
堆砂容量の配分はなく、総貯水容量186万9000立米=有効貯水容量となっています。


上流面
クレスト越流部が上流側にせり出しています。


上流面全景。


上がオリフィスゲート、下は放流管
平時は流入量は放流管からそのまま放流し、洪水時は放流量を越える部分をダムでカットします。
オリフィスはさらに上下2段の越流部に分かれゲート操作により越流高を操作できるようです。


(追記)
レン滝ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0250 レン滝ダム(1922)
岩手県岩手郡雫石町南畑 
北上川水系南畑川 
 
 
37.7メートル 
170メートル 
1869千㎥/1869千㎥ 
雫石町 
1968年
◎治水協定が締結されたダム

鶯宿ダム

2022-12-16 19:00:00 | 岩手県
2022年10月21日 鶯宿ダム
 
鶯宿ダムは岩手県岩手郡雫石町鶯宿の北上川水系鶯宿川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
雫石町南西部の御所地区(旧御所村)では地区を南北に貫流する鶯宿川、南畑川、外桝沢川、矢櫃川沿いに1000ヘクタールを超える農地が広がっていますが、4河川ともに蛇行を繰り返す急流河川となっており豪雨の際には洪水被害が頻発していました。
そこで岩手県は1950年(昭和25年)に農林省(現農水省)の補助を受けた御所防災ダム事業を採択、各河川上流部への4基の農地防災ダム建設が着手されました。
そして御所防災ダム最初のダムとして1957年(昭和32年)に建設されたのが鶯宿ダムです。
その後、1961年(昭和36年)に外桝沢ダム、1968年(昭和43年)にレン滝ダムが完成、 さらに1981年(昭和56年)の矢櫃ダム の完成により事業着手から31年の年月をかけた御所防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
4ダムは完成後は雫石町が管理を受託し、4河川流域約670ヘクタールの農地防災を担っています。
また鶯宿ダムはには20万5000立米の灌漑容量が配分されており、流域農地の水源にもなっています。

鶯宿温泉街を抜け鶯宿川沿いをさらに遡上すると鶯宿ダムに到着します。
残念ながらダム下からの展望ポイントはなし。天端も立ち入り禁止で左岸からの見学に留まります。

天端は立ち禁ですが、訪問時は測量作業中。
精緻な作業のようで、中に入れてもらえないか?お願いできる雰囲気もなし。
むしろ邪魔にならないように静かに見学。


御所防災ダムの説明板。



上流面
クレスト自由越流頂4門を備え、昭和20~30年代のダムらしく天端はゲート部分だけ高くなっています  
対岸左手は艇庫とインクライン、右手は常用洪水吐を兼ねる取水設備。




ズームアップすると湖中にアーチ状のコンクリート構造物が見えます
正体は不明。


総貯水容量179万3000立米
うち堆砂容量6万立米と灌漑容量20万5000立米分が貯留されています。

(追記)
鶯宿ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0240 鶯宿ダム(1921)
岩手県岩手郡雫石町鶯宿 
北上川水系鶯宿川 
FA 
 
17.5メートル 
67メートル
1793千㎥/1733千㎥ 
雫石町 
1957年
◎治水協定が締結されたダム

滝ダム

2022-12-02 10:25:46 | 岩手県
2022年10月22日 滝ダム
 
滝ダムは岩手県久慈市小久慈町の二級河川久慈川水系長内川にある岩手県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、長内川および久慈川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、岩手県企業局滝発電所(最大出力450キロワット)でのダム式発電を目的として1982年(昭和57年)に竣工しました。
綱取ダムとともに岩手県最初の補助多目的ダムとして建設されました。
当初ダムは現ダムよりも3キロ上流の滝地区に建設予定でしたが地質調査の結果建設地点が下流の小久慈町に変更されました。
しかしダム名は当初の滝ダムのまま建設されたため、ダム名と地名が不一致となっています。

ダム下から
非常用洪水吐としてクレストラジアルゲート2門、常用洪水吐として自然調節式オリフィス2門、さらにコンジット高圧ラジアルゲート3門を備えた贅沢なゲート配置。
クレストのダミーゲート3門がさらに賑々しさを強調します。


ちょっとわかりづらいのですが、オリフィスの放流口はクレストの導流部の脇にあります。
写真の黄色マル。


下流からの眺めはどこから見ても絵になる滝ダムです。


左手は岩手県企業局滝発電所
右手は利水放流設備。
訪問時は発電所が稼働中でした。


ダム右岸を通る県道7号久慈岩泉線から超広角で。
ダムサイトに駐車スペースと東屋があり対岸にも東屋があります。
徒歩のみ開放されている天端も含めてダム全体を公園として活用しようという意図なんでしょう。


右岸には『たきダム』の植栽。


鮮やかな赤で統一されたゲートや取水設備
右手には艇庫とインクライン


ゲートをズームアップ
こうやって見るとオリフィスゲートがよくわかります。

ダムサイトには『滝ダム』バス停と今や貴重な電話ボックス。
付近には民家もなく誰が利用するんだろう。


滝ダムは『海が見えるダム』を売りにしています。
望遠ですが、牛島をしっかりと視認。

天端は徒歩のみ開放
ゲートが多いので建屋だらけですが、背が低くデザインが統一されているので圧迫感はありません。


左岸の管理事務所。


ダム湖は総貯水容量760万立米と補助ダムとしてはやや小ぶり。
深い渓谷を上流に長く続きます。


0257 滝ダム(1897)
久慈川水系長内川
FNP
70メートル
187メートル
7600千㎥/6000千㎥
岩手県県土整備部
1982年

普代ダム

2022-12-01 22:30:06 | 岩手県
2022年10月22日 普代ダム
 
普代ダムは左岸が岩手県下閉伊郡普代村第6地割、右岸が同村第5地割の大沢川水系大沢川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
三陸海岸北部に位置する普代村はリアス式海岸が続き農耕地は段丘上の標高200メートル前後に広がっています。
しかし年間降水量1000ミリの少雨に加え、水利に乏しく効率的な農業経営には灌漑設備の整備が不可欠でした。
1982年(昭和57年)に農水省の補助を受けた県営農地開発事業普代地区が着手され、その灌漑用水源として1997年(平成9年)に竣工したのが普代ダムです。
完成後は普代村が管理を受託し、普代村南部の農地約140ヘクタールに灌漑用水を供給しています。 
2016年(平成28年)には河川維持放流を利用した普代ダム小水力発電所が稼働し、最大出力28.4キロワットの小水力発電が開始されました。
 
ダム下から
洪水吐はクレスト自由越流頂3門に漸縮型堤体導流壁
右手は揚水機場で、左手にファームボンドへ向かう水路が架かっています。


右岸ダムサイトの管理事務所
職員の常駐はありません。


ダムの概要板。


天端には地球儀のモニュメント
普代村はちょうど北緯40度に当たり『地球村』を標榜し、各所に地球儀を模したモニュメントを設置しています。
これもその一環。


天端から
減勢工左岸に各種建屋が並びます。
手前は小水力発電所で、奥の大きな建屋が揚水機場。
右手にファームボンドに続く水路管が架かっています。




天端高欄には海鳥などの装飾が施されています。


ダム湖は総貯水容量130万立米。


左岸から下流面。


天端は車両通行可能。


左岸高台から上流面。
取水設備は多孔式、右手は管理事務所。


右岸の艇庫とインクライン。

0276 普代ダム(1896)
左岸 岩手県下閉伊郡普代村第6地割 
右岸         同村第5地割 
大沢川水系大沢川 
 
 
37.3メートル 
97メートル 
1300千㎥/930千㎥ 
普代村
1997年

大野ダム

2022-12-01 18:05:40 | 岩手県
2022年10月22日 大野ダム
 
大野ダムは岩手県九戸郡洋野町水沢の高家川水系オリバ川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
町村合併前の旧大野村は年間降水量1000ミリの少雨地帯に加え、地域の大半を森林原野が占めており効率的な農業経営には灌漑設備の整備が不可欠でした。
1982年(昭和57年)に農水省の補助を受けた県営農地開発事業大野地区が着手され、その灌漑用水源として2004年(平成16年)に竣工したのが大野ダムです。
完成後は大野村が管理を受託、現在は町村合併により洋野町が管理を引き継ぎ、大野地区約380ヘクタールの水田・畑・牧草地に灌漑用水を供給しています。 
ダム建設に合わせて周辺の環境整備も進められダム下には親水公園、ダム湖岸には遊歩道が整備され周辺住民の憩いの場となっています。 

まずはダム下から
クレスト自由越流頂2門と放流設備という典型的な農業用コンクリートダムの組み合わせ。


左岸高台に展望台がありますが、ちょうど逆光に…。




左岸ダムサイトの説明板。


銘板は金箔文字。
九州では一般的ですが東北では珍しい。


上流面と多孔式取水設備。


天端から
ダム下は親水公園として整備され立派な駐車場完備、トイレはシャワートイレという充実ぶり。
畑地や牧草地も受益地となっており年間を通して水利権の設定があるため、稲刈りが終わったこの時期でも河川維持放流と利水放流が行われています。


総貯水容量は70万立米と農業用ダムとしては小ぶりなダム湖。
一年を通して水利権の設定があるためこの時期でもほぼ満水。 


右岸から下流面。


天端は徒歩のみ開放
対岸(左岸)に管理事務所がありますが職員の常駐はありません。


上流から遠望。

ダム自体は典型的な農業用ダムですが、とにかく周辺の環境整備が素晴らしい。
ダムの公衆トイレでシャワートイレは驚き。
この美しさが今後10年20年経っても変わらないことを願います。

0275 大野ダム(1895)
岩手県九戸郡洋野町水沢 
高家川水系オリバ川 
 
 
26メートル 
108.3メートル 
700千㎥/600千㎥ 
洋野町
2004年

雪谷川ダム

2022-12-01 14:10:57 | 岩手県
2022年10月22日 雪谷川ダム
 
雪谷川(ゆきやがわ)ダムは岩手県九戸郡軽米町小軽米の新井田川水系雪谷川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
雪谷川は新井田川の主要右支流で、山地が多い軽米町の中では数少ない農業地帯となっている一方、氾濫や渇水による干ばつ被害が絶えず抜本的な治水・利水対策が求められていました。
そこで岩手県は1967年(昭和42年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業・かんがい排水事業雪谷川地区に着手、その中核施設として1977年(昭和52年)に竣工したのが雪谷川ダムです。
雪谷川ダムは雪谷川流域の農地防災および灌漑用水の供給を目的としており、運用開始後は軽米町が管理を受託しています。
ダムそのものよりもダム湖畔に整備された森林公園である雪谷川フォリストパークの知名度の方が断然高く、周辺随一の観光スポットになっています。

ダムの入り口には厳重なフェンスが設置され立入禁止。


ダムを望めるはこのアングルのみ
草が枯れていて何とかダムの中段まで見れましたが、夏場は厳しいかも?


全面越流式洪水吐と漸縮型堤体導流壁という農業用ダムではよくある組み合わせ。
赤い管理橋がアクセントになっています。
導流部には苔が密生しているので越流頻度は多くなさそう。
提体から突き出た鉄管は取水設備からの放流管かと思われます。


ダムの案内板。


竣工記念碑。


記念碑の裏側にはダムの諸元
ワタクシ的にはこれが大事。

湖畔のフォリストパークには風車展望台や吊橋、レストラン、キャンプ場などが揃っていますが、ダムの堤体は見えないうえこの日はまだ訪問ダムが残っていたのでスルーしました。

0253 雪谷川ダム(1894)
岩手県九戸郡軽米町小軽米 
新井田川水系雪谷川 
FA 
 
28.4メートル 
107.3メートル 
2662千㎥/2092千㎥ 
軽米町
1977年

瀬月内ダム

2022-11-30 23:42:42 | 岩手県
2022年10月22日 瀬月内ダム
 
瀬月内(せつきない)ダムは岩手県久慈市山形町来内の新井田川水系瀬月内川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
瀬月内川下流の九戸郡九戸村の水田及び丘陵地の畑地帯の慢性的水不足を解消するために、農水省の補助を受けた県営かんがい排水事業瀬月内川地区および県営畑地帯総合土地改良事業九戸地区が着手され、その灌漑用水源として1987年(昭和62年)に竣工したのが瀬月内ダムです。
ダムは久慈市にありますが、管理は受益地となる九戸村が受託しており約580ヘクタールの水田・畑地に灌漑用水を供給しています。
その後2017年(平成29年)に利水放流を利用した瀬月内ダム小水力発電所が稼働し最大出力59キロワットの小水力発電が開始されました。
 
ダムの敷地は立ち入り禁止のため、見学は右岸を通る市道からに留まります。
岩手県北部にある他の農業用ロックフィルダム同様下流面には芝が張られ、見た目はアースダムのようです。
寒冷地のため冬場の凍上を防ぐ目的があると思われます。


天端入り口には堅固な門扉。


堤頂長は144.5メートル。


上流面はロック材で護岸
ロック材はかなり小粒。


左岸の横越流式洪水吐、管理事務所、艇庫を遠望。


右岸ダムサイトの説明板。


水利使用標識。


右岸の取水塔
表面取水設備です。
ダム湖は総貯水容量125万立米。


アングルを変えて
当然管理橋は立ち入り禁止。

(追記)
瀬月内ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。

0261 瀬月内ダム(1893)
岩手県久慈市山形町来内 
新井田川水系瀬月内川 
 
 
38.5メートル 
144.5メートル 
1250千㎥/1038千㎥ 
九戸町
1987年

大志田ダム

2022-11-30 18:13:33 | 岩手県
2022年10月22日 大志田ダム
 
大志田ダムは岩手県二戸郡一戸町平糠の馬淵川水系平糠川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
二戸市や一戸町は北上高地北端の標高200~400メートルに位置し、水利に乏しい上に少雨且つ寒冷な気候もあり農業は小規模な畑作営農に留まっていました。
しかし高原野菜の品種改良やリンゴ栽培の普及と言った当地に適応した農作物の開発が進んだことで、灌漑施設の整備が強く求められるようになります。
これを受け1993年(平成5年)に農水省による国営農業水利事業馬淵川沿岸地区が着手され、その灌漑用水源として2004年(平成16年)に竣工したのが大志田ダムです。
農業水利事業全体も2011年(平成23年)に竣工し、受益面積約2200ヘクタールに及ぶ灌漑排水設備が整備されました。
運用開始後、ダムの管理は二戸市及び一戸町が共同で受託、また運用開始と同時に河川維持放流を利用した大志田ダム発電所(最大出力810キロワット)が稼働しました。
 
ダム下流の大志田橋からダムと正対できます。
農業用ダムらしく洪水吐は7門のクレスト自由越流頂だけ
ダム下に放流設備と小水力発電所があります。


ダム下は減勢工手前までアプローチできます。
副ダムが2基並びその間にバッフルブロックが設置されています。


ダム下流左岸にある立派な揚水機場。
受益農地は2000ヘクタールに及ぶ上、その半分がダムよりも高地にあるため揚水機場も大がかりなものになっています。


国営農業水利事業の説明版。


下流面
農業用コンクリートダムの場合、漸縮型堤体導流壁が多いのですがここは堤趾導流壁。


天端は立ち入り禁止。
管理事務所に職員さんが駐在されており、交渉すれば立ち入れないこともなかったのですがとにかく大雨。
左岸からの見学にとどめました。


ダム湖は『菜魚湖(ななこ)』
芸能人みたいな名前、いっそこの名前でご当地キャラ作ればいいのに?


左岸管理事務所裏手の艇庫とインクラ。


上流面
受益地の大半は畑作や樹園地で一年を通じて水利権が設定されているため10月でもほぼ満水。


多孔式取水設備。


ダム湖の菜魚湖は総貯水容量1130万立米と本州の農業用ダムとしてはかなり大規模。


(追記)
大志田ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0266 大志田ダム(1892)
岩手県二戸郡一戸町平糠 
馬淵川水系平糠川 
 
 
63.7メートル 
165メートル 
11300千㎥/8600千㎥ 
二戸市・一戸町
2004年
◎治水協定が締結されたダム

一方井ダム

2022-11-29 22:05:05 | 岩手県
2022年10月22日 一方井ダム
 
一方井(いっかたい)ダムは岩手県岩手郡岩手町黒内の北上川水系一方井川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
1972年(昭和47年)に農水省の補助を受けた県営かんがい排水事業一方井地区が着手され、その灌漑用水源として1990年(平成2年)に竣工したのが一方井ダムです。
運用開始後は岩手町が管理を受託し、一方井土地改良区管内約360ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
事業の竣工により従来の稲作に加え畑作も推進され、特にキャベツは『いわて春みどり』のブランドで全国展開する特産品となっています。
さらに2020年(令和2年)には利水放流を利用した一方井ダム小水力発電所(最大出力49.9キロワット)が稼働しました。
 
ダムへ通じる町道の入り口にある一方井ダムの標識。


まずはダム下へ
堤体直下まで立ち入ることができますが、近すぎて堤頂長390メートルの堤体全貌を見ることはできません。
ロックフィルですが下流面には芝が張られ見た目はアース、また提体中段に『一方井』の植栽が施されていますが、この位置からは見ることができません。


監査廊入り口。


ダム下には建屋が二つ並びます。
左は既存の放流設備、右は2020年(令和2年)に新設された小水力発電所。


ダム下への道は洪水吐減勢工を跨ぎます。
導流部は堤体との間に地山を挟んでいるのでこういう眺めになります。


右岸ダムサイトへ向かいます。
横越流式洪水吐
越流した水は上の写真の減勢工へと流下します。


右岸から見た上流面
こちらから見るとロックフィルダムだとわかります。
それにしても長い堤体。
ダム湖は総貯水容量224万立米。


今度は左岸ダムサイトへ
入り口には門扉があり車両進入禁止。


管理事務所があるダムサイトは公園になっており東屋もあります。


下流面は芝が張られて見た目はアース。
凍上防止目的と思われます。


堤頂長390メートルの天端は立ち入り禁止。


管理事務所裏手に艇庫がありこれはそのインクライン。


0260 一方井ダム(1891)
岩手県岩手郡岩手町黒内 
北上川水系一方井川 
 
 
40メートル 
390メートル 
2240千㎥/2170千㎥ 
岩手町農林環境課 
1990年

根石ダム

2022-11-29 18:15:05 | 岩手県
2022年10月22日 根石ダム
 
根石ダムは岩手県八幡平市根石の一級河川米代川水系根石川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
火山堆積物が多い岩手県は農地防災ダムの建設に積極的で、防災ダム13基は岐阜県に次ぐ全国2番目の多さとなっています。
根石ダムは岩手県で最も新しい農地防災ダムで、農水省の補助を受けた県営防災ダム事業根石地区により2000年に竣工、完成後は八幡平市が管理を受託し根石川流域85ヘクタールの農地防災を担っています。
なお、八幡平市の大半は太平洋に注ぐ北上川や馬淵川水系となっていますが、当ダムは日本海に注ぐ米代川水系です。

八幡平市田山の国道282号線から根石川沿いの市道を約6キロ北上すると根石ダムに到着します。
まずはダム下から
提体やダム下はきれいに草が刈られ、非常に美しい佇まい 
ロックフィルダムですが凍上防止のため下流面には芝が張られ見た目はアースのよう。


洪水吐導流部から越流しています。
当ダムでは横越流式洪水吐にオリフィス流出孔を設けてあり、流入量はそのまま洪水吐を流下するため常に越流が見られます。
左手は仮排水路の吐口で緊急低位放流ゲートを兼ねています。


右岸から下流面
右岸を長ーい洪水吐導流部が流下します。


農水省の補助ダムではおなじみダムの説明板
こういうの非常にありがたい。


天端から減勢工を望む
減勢工下流の擁壁の絞りがエロい。


非常用洪水吐と常用洪水吐を兼ねる横越流式洪水吐
奥の穴がオリフィス流出孔で通常は流入量がここから流下します。
奥は管理事務所ですが職員の常駐はありません。


上流側から見たオリフィス流出孔
農地防災ダムにおいてこのタイプの常用洪水吐は初見、というか全国でもここだけじゃないかな?


天端は徒歩のみ通行可。
路面を見ればわかりますが、かなりの雨。


下流面とダム下広場
ちょうど草刈りを終えたタイミングでの訪問ということもあるんですが、とにかくきれいに整備されている印象。
ダム下の広場は公園として開放してもいいのでは?とも思えるんですが立入禁止。


上流面
これを見ればロックフィルダムだとわかります。


有効貯水容量=農地防災容量の防災専用ダムですが、総貯水容量142万5000立米のうち堆砂容量が55万立米も確保されており、この分が貯留されています。

ちょうど草刈りを終えたタイミングでの訪問ということもあるんですが、芝が張られた美しいリップラップなど非常に好印象。
今回は雨中での見学となりましたが、できれば好天時に再訪したいダムです。

(追記)
根石ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2924 根石ダム(1890)
岩手県八幡平市根石
米代川水系根石川
41メートル
187.6メートル
1425千㎥/875千㎥
八幡平市
2000年
◎治水協定が締結されたダム

荒沢3号ダム(白沢防災ダム)

2022-11-28 22:40:01 | 岩手県
2022年10月22日 荒沢3号ダム(白沢防災ダム)
 
荒沢3号ダムは岩手県八幡平市の馬淵川水系安比川左支流白沢川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
安比川上流域は火山堆積物で形成された脆い地盤で『荒沢』という地名が示すように豪雨の際には土砂流出量が急増し下流域ではしばしば洪水被害が発生しました。
これを受け岩手県は1952年(昭和27年)に農林省(現農水省)の補助を受けた荒沢防災ダム事業を採択、、安比川最上流部への3基の農地防災ダム建設が着手されました。
そして1960年(昭和35年)に3ダム中最初に完成したのが荒沢3号ダム(白沢防災ダム)です。
その後1972年(昭和47年)に荒沢1号ダム(安比防災ダム)が、1989年(平成元年)に荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)完成、これにより事業着手から37年の年月をかけた荒沢防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
1号~3号ダムは完成後は安代町が管理を受託、現在は町村合併により八幡平市が管理を引き継ぎ、安比川流域の農地防災を担っています。
なお、荒沢1号2号3号という名称はダムの位置によって振られた番号であり、建設順とは関係ありません。

安比温泉郷から鍋越川沿いのダートの林道を西進、最初の分岐を右手に折れると荒沢3号ダムに到着します。
まずはダム下から
右手は常用洪水吐の吐口、奥にアース堤体が見えますがダム下はここから先は立ち入り禁止。


流水型防災ダムで、普段は流入量は放流ゲートからそのまま放流されます。
これはその吐口。


左岸ダムサイトからアース堤体を望みます。
ちょうど草刈りを終えたばかりで芝生の公園のようです。


右岸に非常用洪水吐となる横越流式洪水吐があり、ローラーゲートが垣間見えます。


天端は立ち入り禁止。
ちょうど草刈り作業中で対岸の洪水吐までの立ち入り許可を頂きました。
ところがその直後から土砂降りの雨となり、結局左岸からの見学にとどまりました。


ダムの説明板。


左岸ダムサイトの管理事務所
普段は職員の常駐はありません。


上流面。
手前に常用洪水吐となる放流ゲートがあります。


流水型防災専用ダムのため通常はダム湖には水は溜まりません。
総貯水容量119万4000立米のうち堆砂容量は20万9000立米。
完成から50年経過し堆砂の進行によりダム湖は空っぽ。


放流ゲートをズームアップ。
通常は流入量はここから2枚目写真の吐口に流下させます。


折角天端への立ち入り許可を得たのに、大雨で断念したのが残念。

(追記)
荒沢3号ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0243 荒沢3号ダム(白沢防災ダム)(1889)
岩手県八幡平市大字なし 
馬淵川水系白沢川 
 
 
22メートル 
155メートル 
1194千㎥/985千㎥ 
八幡平市 
1960年
◎治水協定が締結されたダム

荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)

2022-11-28 10:27:52 | 岩手県
2022年10月22日 荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)
 
荒沢2号ダムは岩手県八幡平市の馬淵川水系安比川左支流鍋越川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
安比川上流域は火山堆積物で形成された脆い地盤で『荒沢』という地名が示すように豪雨の際には土砂流出量が急増し下流域ではしばしば洪水被害が発生しました。
これを受け岩手県は1952年(昭和27年)に農林省(現農水省)の補助を受けた荒沢防災ダム事業を採択、安比川最上流部への3基の農地防災ダム建設が着手されました。
1960年(昭和35年)の荒沢3号ダム(白沢防災ダム)、1972年(昭和47年)の荒沢1号ダム(安比防災ダム)に次いで1989年(平成元年)に建設されたのが荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)です。
当ダムの完成により事業着手から37年の年月をかけた荒沢防災ダム事業はようやく竣工に至りました。
1号~3号ダムは完成後は安代町が管理を受託、現在は町村合併により八幡平市が管理を引き継ぎ、安比川流域の農地防災を担っています。
なお、荒沢1号2号3号という名称はダムの位置によって振られた番号であり、建設順とは関係ありません。

安比温泉郷から鍋越川沿いのダートの林道を西進すると荒沢2号ダム下に到着します。
提体とともに洪水吐導流部、常用洪水吐からの吐口が一望できますが、ここから先はチェーンが掛けれら関係者以外立ち入り禁止。


洪水吐導流部をズームアップ。


今度はダム左岸高台の展望台に移動。ここからはダムを俯瞰できます。
手前は管理事務所ですが職員の常駐はありません。


展望台からダムサイトへと下ります。
ロックフィルダムですが、冬場の凍上を防ぐためリップラップには芝が張られています。
また提体には九十九折れの管理道路が続きます。


左岸から
手前は常用洪水となる放流ゲート、対岸には非常用洪水吐となる横越流式洪水吐があります。


天端は立ち入り禁止でしたが、草刈り作業のオジサンが『写真を撮るだけなら入ってもいいよ。』らっきぃ!
上記のようにロックフィル堤体には芝が張られ、九十九折れの管理道路が続きます。


防災専用ダムですが堆砂容量20万立米分が貯留されています。


放流ゲートをズームアップ。
平時は流入量はここから1枚目写真の右手トンネル吐口へ放流します。


右岸の洪水吐導流部。


右岸から下流面。


非常用洪水吐となる横越流式洪水吐。


(追記)
荒沢2号ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0242 荒沢2号ダム(鍋越防災ダム)(1888)
岩手県八幡平市大字なし 
馬淵川水系鍋越川 
 
 
45.5メートル 
246.6メートル 
899千㎥/690千㎥ 
八幡平市 
1989年
◎治水協定が締結されたダム