ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

竜ヶ池

2016-02-29 14:00:00 | 山梨県
2016年2月27日 竜ヶ池
 
竜ヶ池は山梨県甲府市の武田神社に隣接する灌漑用アースダムで、1956年(昭和31年)に築造され相川土地改良区が管理を行っています。
竜ヶ池は付近では有名な釣りスポットで普段は土地改良区が運営する管理釣り場になっていますが、訪問時は改修工事中で水が抜かれていました。
 
武田神社から東に向かうとまるで城壁のような堤体が現れます。
型式はアースダムですが堤体には石が積まれどう見てもロックフィルの様相です。
 
天端を歩いてみます。
堤体は382メートルもあり逆コの字型に屈曲しています。
 
訪問時は改修工事中
ダム湖の護岸が強化され洪水吐や取水設備が新調されていました。
 
左奥は改修された洪水吐。
 
こちらでは取水設備の工事中。
 
作業員の方の話ではまもなく工事は終了し、4月に通常水位に戻すようです。
 
竜ヶ池からの甲府盆地の眺め。
右手は武田信玄の居城だった躑躅ヶ崎の武田館跡です。
恰も城壁のような竜ヶ池の天端からの眺めはかつて信玄が眺めたのと同じ景色なんですね。
 
ダム湖は空っぽでしたが、普段は見れないアースダムの改修工事が見れたのは収穫でした。
 
0956 竜ヶ池(0241)
ため池データベース
山梨県甲府市古府中町
富士川水系相川
17メートル(ため池データベース 12メートル)
382メートル(ため池データベース 350メートル)
264千㎥(ため池データベース 222千㎥)/264千㎥
相川土地改良区
1956年

川茂ダム

2016-02-29 12:00:00 | 山梨県
2016年2月27日 川茂ダム
 
川茂ダムは山梨県都留市の桂川に架かる東京電力の発電用重力式コンクリートダムで、1924年(大正13年)に桂川電力によって建設され東京電燈、日本発送電を経て1951年の電力分割民営化で東京電力が事業を引き継ぎました。
隣接する川茂発電所で最大2500キロワットのダム式発電を行うほか、川茂発電所の放流水は約6700メートルの導水路で駒橋発電所に送られ最大2万2000キロワットの発電を行っています。
堤高が15メートルに満たないため、河川法では堰堤とされダム便覧にも掲載されていません。
 
大月から国道139号線を南下して禾生駅の先で富士急の線路を渡り桂川の左岸に出ると川茂ダムが見えてきます。
本堤のすぐ下流に副ダムがありますが、これは1907年(明治40年)に建設された駒橋発電所の取水堰堤です。
 
同じ場所からズームアップ
副堤にもゲートがありますが、これがもともと駒橋発電所の取水堰だった名残です。
駒橋発電所は1907年(明治40年)の竣工、川茂ダムは1924年(大正13年)の竣工ですので、もともとあった駒橋発電所取水堰の直上に川茂ダムが建設されたことになります。
 
堤体は全面越流式。
 
右岸のゲート
下段にあるのは排砂ゲート。
ダムの側面は石貼りになっており、越流面も当初は石貼りだったと推察されます。
 
右岸には川茂発電所があります。
こちらの壁面もすべて石貼りです。
 
越流面
対岸に川茂発電所の取水口があります。
手前には付近の田畑用の灌漑用水の取水口です。
 
川茂ダム
左岸 山梨県都留市川茂
右岸       古川渡
相模川水系桂川
13.33メートル
61.57メートル
東京電力リニューアブルパワー(株)
1924年

大野ダム

2016-02-29 08:00:00 | 山梨県
2016年2月27日 大野ダム
 
大野ダムは山梨県上野原市にある東京電力の発電用アースダムで、1914年(大正3年)に東京電燈によって建設され日本発送電を経て戦後は東京電力が継承しています。
大月市の駒橋発電所から八ツ沢発電所に至る導水路の調整池になっており日本で最古の発電用アースダムとされています。
八ツ沢発電所施設は国の重要文化財に指定されており、大野ダムも堰堤、余水路、制水門が重要文化財となっています。
大野ダムの堰堤は規模としては日本最大の重要文化財です。
 
上野原から国道20号を西進、四方津で大野貯水池の標識に従って右折すると大野ダムに到着します。
下流から
目の前の堤体も重要文化財です。
 
上流面は上部が漆喰、下部はアスファルトで補強されています。
 
大野貯水池。
 
下流面。
 
右岸高台から
春になると桜の花で彩られるようです。
 
ダム湖右岸側にある余水路つまり洪水吐。
これも重要文化財ですがフェンスに阻まれそばで見ることができません。
 
取水口の制水門
これも重要文化財ですがやはりフェンスが邪魔をする。
 
八ツ沢導水路11号隧道出口
ダム湖のインレットにありこの隧道も重要文化財です。
 
重要文化財に指定されているにもかかわらず、大野ダムの認知度はいまいちです。。
これはアースダムという地味さに加えて、制水門や余水路がフェンスに囲まれて間近で見れないことも影響してるんだと思います。
現役も稼働している施設の文化財という難しさですね?
 
追記
大野ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに56万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0955 大野ダム(0240)
山梨県上野原市大野
相模川水系谷田川
37.3メートル
309.1メートル
1692㎥/467㎥
東京電力(株)
1914年
◎治水協定が締結されたダム

大関堰

2016-02-23 12:00:00 | 千葉県
2016年2月21日 大関堰(大堰)
 
大関堰は千葉県市原市にある灌漑用アースダムで、1944年(昭和19年)(改修記念碑では1945年)に築造され、1995年(平成7年)に大幅改修が行われました。
地元の方は『大堰』と呼んでおり山口駒込土地改良区が管理を行っています。。
かつてはダム便覧にも掲載されていましたが、堤高が8メートルということで削除されてしましました。
このダムの特徴は日本では数少ないグローリーホール式つまり『ダム穴』式洪水吐を持つ点です。
 
大関堰は高滝ダム近くにあり山口集落から圏央道の高架橋をくぐりダートの道を南に進むと到着します。
堤高8メートル、堤頂長60メートルの小さな溜池です。
 
1995年(平成7年)に行われた改修の竣工碑。
 
お目当てのダム穴
前夜の大雨で水位が上がり越流しています。
 
アングルを変えて。
 
 
ダムの直下は駐車スペースになっています。
 
左岸側に普通の洪水吐らしきものがあり、ここからも水が流出しています。
 
上の洪水吐からの導水路とダム穴からの導水路はここで合流します。
 
初めて見た長方形のダム穴はいつまで見ていても見飽きることがありませんでした。
前夜の雨で水位が上がり越流を見れましたが水がずいぶん濁っていました。
きれいな水の大関堰を見てみたいものです。
 
0655 大関堰
ため池データベース 122190056
千葉県市原市山口
養老川水系大作川
8.6メートル
47メートル
34千㎥/34千㎥
山口駒込土地改良区
1944年

小久保ダム

2016-02-22 12:00:00 | 千葉県
2016年2月21日 小久保ダム
 
小久保(おくぼ)ダムは千葉県富津市小久保にあった上水目的のアースフィルダムです。
1981年(昭和56年)に当時の富津市水道部の事業で建設されましたが、片倉ダムからの補給開始、上水需要の低迷などに寄る浄水場の整備統合により2014年(平成16年)に廃止となりました。
ダムの敷地は立ち入り禁止、上流側からダムを遠望できるのですが霧が濃くて断念。

0677   小久保ダム
千葉県富津市小久保
染川水系染川
29.5メートル
140メートル
326千㎥/313千㎥
かずさ水道広域連合企業団
1981年

玉淀ダム

2016-02-16 17:00:00 | 埼玉県
2015年12月09日 玉淀ダム
2016年  2月13日
 
玉淀ダムは荒川中流にある灌漑・発電目的の重力式コンクリートダムで埼玉県企業局により1964年(昭和39年)に建設されました。
ここで取水された水は荒川中部土地改良区の灌漑用水として供給され、また東京発電玉淀発電所でダム式発電がおこなわれています。
 
花園インターから国道140号線を秩父方面に西進、皆野寄居道路を分けると左手に玉淀ダムが見えてきます。 
緑色のゲートとゲートビアと皆野寄居バイパスの末野大橋の赤い橋脚のコントラストは玉淀ダム撮影の定番です。
 
同じ場所からワイドで
ダムの左岸(向かって右手)に玉淀発電所があります。
 
緑色のゲートビアが特徴。
 
天端は歩行者、自転車が通行可能
現在はすぐ下流に橋がありますが、かつては生活道路として重宝されていたようです。
奥に発電所の取水口が、右手に発電所があります。
 
下流の眺め
奥の折原橋と手前の末野大橋の二つの橋脚が交差する眺めは玉淀オリジナル。
 
寄居町では玉淀ダム撤去促進期成同盟会が結成されてダムの撤去を求める運動があります。
ただこれは環境や自然保護の観点ではなく、ダム湖をなくせば上流の長瀞同様観光客が呼べるという経済的な観点からの運動です。
現実には撤去に巨額の費用がかかることから運動自体が大きく広がる気配はありません。
 
2016年2月13日 玉淀ダム②
 
メジャーじゃないけどダムと末野大橋や折原橋との組み合わせ見たくて再訪しました。
前回と同じ写真ですが、前回が早朝だったのに対して今回は午後、時間が違っても緑のゲートピアやゲートがよく目立ちます。
 
右岸のゲートは補修中。
 
 
末野大橋と玉淀ダムとの組み合わせはいつ見ても素晴らしい。
 
0638 玉淀ダム(0096)
左岸 埼玉県大里郡寄居町末野
右岸        同町折原
荒川水系荒川
AP
32メートル
110メートル
3501㎥/280㎥
東京発電(株)
1964年

合角ダム

2016-02-16 12:00:00 | 埼玉県
2015年12月05日 合角ダム
2016年  2月13日
 
合角ダムは埼玉県秩父市上吉田の荒川水系吉田川にある埼玉県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリート
ダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、吉田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、埼玉県営水道への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
『合角』は『ごうかく』と読めることから、ダムカードを受験生の合格祈願の縁起物としてPRするほか、五角形の『ごうかくダムカレー』を売り出すなどダムと地域が連携した観光推進が進められています。
なお写真は日付記載がないもの以外はすべて2016年2月13日のものです。
 
下流から
放流設備はクレスト自由越流頂8門、オリフィスローラーゲート1門
ジェットフローゲート2条を装備。
よく見るとクレストのうち中央2門だけ越流頂が低くなっています。
 
減勢工には副ダムが2基
オリフィス横からの漏水が凍結してまるで越流してるかのようです。
 
オリフィスをズームアップ
一見自然調節式のようですが奥にゲートが見えます。目ます。
 
両岸には堤趾導流壁。
 
左岸展望台から俯瞰
手前に管理事務所、対岸に艇庫とインクラインがあります。
 
 
上流面には大きな取水設備
右手は艇庫とインクライン。
 
天端は徒歩のみ開放(2015年12月5日)。
 
減勢工には副ダムが2基
左手の建屋は放流設備。
 
西秩父桃湖と命名されたダム湖は総貯水容量1025万立米
ダム湖を跨ぐ斜張橋(合角漣大橋)
(2015年12月5日)。
 
上流面。
 
合角漣大橋から
(2015年12月5日)。
 
追記
合角ダムには560万立米の洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに92万6000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0641合角ダム(0092)
埼玉県秩父市上吉田
荒川水系吉田川
FNW
60.9メートル
195メートル
10250千㎥/9250千㎥
埼玉県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム

滝沢ダム

2016-02-16 08:00:00 | 埼玉県
2015年12月05日 滝沢ダム
2016年  2月13日
 
滝沢ダムは埼玉県秩父市の荒川の支流中津川にある水資源機構の重力式コンクリートダムです。
荒川水系では1961年(昭和36年)に建設省により二瀬ダムが建設されますが、首都圏の急激な人口増による水需要の増加は止まらず、一方で1967年(昭和42年)の水害により荒川水系に新たな治水・利水ダムの建設を求める機運が高まりました。
ところが補償交渉が長引き、計画発表から補償交渉妥結までに23年の年月を費やし1999年(平成11年)にようやくダム本体が着工、2007年(平成19年)に竣工しました。
ダムは荒川水系の洪水調節のほか、不特定利水、東京都・埼玉県への上水道の供給、東京発電浦山発電所での発電を目的としています。
 
秩父市街から国道140号を西進、道の駅『大滝温泉』を過ぎると巨大なループ橋の先に滝沢ダムが見えてきます。
ループ橋から
堤高は浦山ダムに及びませんが規模としては埼玉県最大のダムです。
 
広い天端は歩行者のみ立ち入り可能。
 
ダムの正面には国道140号の雷電廿六木橋があります。
 
減勢工。
 
右岸から。
 
ゲートと発電用の選択取水設備。
 
ダム湖(奥秩父もみじ湖)。
 
堤体直下からゲートをズームアップ。
クレストはラジアルゲートが3門。
 
堤体直下から。
 
減勢工。
 
滝沢ダムは堤体エレベーターと監査廊の一部が開放されています。
 
エレベーターに乗り込みます。
 
監査廊は資料室や展示スペースになっています。
 
階段を登り返すと。
 
堤体直下に出ます。
 
堤体に飛びつく嫁さん
 
2016年2月13日 滝沢ダム②
 
12月5日以来2度目の訪問です。
今回は雷電廿六木橋との組み合わせにこだわって撮影してみました。
ループ橋とダム、巨大コンクリート構造物同士がここまでマッチする組み合わせは他では見れないでしょう。
 
ループ橋から。
 
 
 
雪が残る眺めもいいものです。
 
減勢工は凍ったまま。
 
追記
滝沢ダムには3300万立米の洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに268万5000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0643 滝沢ダム(0093)
埼玉県秩父市大滝
荒川水系中津川
FNWP
132メートル
42.4メートル
63000千㎥/58000千㎥
水資源機構
2007年
◎治水協定が締結されたダム

石小屋ダム

2016-02-12 13:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 石小屋ダム

石小屋ダムは宮ケ瀬ダムの直下にある国交省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所が管理する多目的重力式コンクリートダムで、宮ヶ瀬ダムと同じ2000年(平成12年)に竣工しました。
宮ヶ瀬ダムの逆調整池のほか、宮ヶ瀬ダムと連携して不特定利水、上水道の供給を目的とするほか、河川維持放流を利用して神奈川県企業庁愛川第二発電所で最大1200キロワットの発電を行っています。
当初ダム便覧では『宮ケ瀬副ダム』で登録されていましたが、2021年(令和3年)の改編で石小屋に変更されました。
 
全面越流式
中央に予備ゲートが見えますのでこの下に発電所への取水口があるんでしょう。
 
越流面
型枠を使った石積風のデザインです。
 
下流から。
 
石積風の堤体のデザインに合わせて天端も凝ったデザインになっています。
 
減勢工
堤体だけじゃなく導流壁も石積風で統一されています。
左岸にあるのは発電所からの放流口です。
 
3243 石小屋ダム(0230)
神奈川県愛甲郡愛川町半原
相模川水系中津川
FNWP
34.5メートル
87メートル
557千㎥/386千㎥
国交省関東地方整備局
2000年

宮ケ瀬ダム

2016-02-12 11:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 宮ケ瀬ダム
 
相模川は神奈川の水源として戦後間もなくから神奈川県による河川総合開発が進められ、1947年(昭和22年)に相模ダム、1970年(昭和45年)に城山ダムが完成しました。
しかし、神奈川県の人口急増や京浜工業地帯の発展による水需要の増加に追い付かず新たな水源の確保が求められました。
一方で相模川流域の本来氾濫原であった地域にも宅地化の波が押し寄せ治水対策の強化が喫緊の課題となっていました。
そこで建設省関東地方建設局は相模川の主要支流である中津川に着目、補償交渉の難航などもあり29年の歳月をかけて2000年(平成12年)に完成したのが宮ヶ瀬ダムです。
宮ヶ瀬ダムは中津川及び相模川中下流の洪水調節、沿岸の既得取水権への補給と河川流量の維持、相模大堰を通じた上水道の供給を目的とするほか、神奈川県企業庁の愛川第一発電所で最大2万4000キロワットの発電を行っています。
またダム湖は道志導水路と津久井導水路により道志川、相模川と結ばれ流域面積は広いものの貯水量に限界のある道志ダム、相模ダム、城山ダムに対し流域面積は劣るものの貯水容量の大きい宮ヶ瀬ダムの特性を生かし連携して水を無駄なく運用できるようになっています。
 
宮ヶ瀬ダムの堤体積は国内の重力式コンクリートダムで第1位、堤高156メートルは浦山ダムと並び第2位、ダム湖の宮ヶ瀬湖の総貯水容量は関東3位の規模を誇り、日本屈指の巨大ダムとなっています。
毎週水曜と第二日曜に行われる観光放流は、今や神奈川を代表する観光イベントになっているほか、ダム下流はあいかわ公園として整備され、ダム湖周辺も多くのレクリエーション施設があり年間を通して多くの観光客が訪れる神奈川有数の観光・レジャースポットになっています。
 
今回は右岸ダムサイトに駐車まずはエレベータで下に下り下流から見学します。
日本有数の巨大ダムを真下から見上げます。
 
下流の石小屋ダムから
右手は津久井導水路の取水口です。
 
クレストは自由越流式
奥に扶壁が見え天端側水路の存在がわかります。
 
名物のインクラインで上に上がります。
 
インクラインから。
 
天端
洪水吐に天端側水路を備えているので非常に広くなっています。
 
天端から
右手は神奈川県企業庁の愛川第一発電所
 
ダム湖(宮ヶ瀬湖)
関東第3位の総貯水容量を誇ります。
奥には丹沢山地主峰の蛭ヶ岳。
 
左岸から
 
上流面
取水口と洪水吐
クレストは天端側水路を備えた自由越流式洪水吐ですが逆光でうまく撮影できませんでした。
 
追記
宮ヶ瀬ダムには4500万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに2592万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0703 宮ヶ瀬ダム(0229)
左岸 神奈川県相模原市緑区青山
右岸   同県愛甲郡清川村宮ケ瀬
下流      同郡愛川町半原   
相模川水系中津川
FNWP
156メートル
375メートル
193000㎥/183000㎥
国交省関東地方整備局
2000年
◎治水協定が締結されたダム

寒川取水堰

2016-02-12 09:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 寒川取水堰
 
寒川取水堰は相模川河口から7キロ地点の左岸高座郡寒川町、右岸平塚市にある神奈川県企業庁が管理する取水堰で、相模川高度利用事業により城山ダムで放流された水の取水設備として1971年(昭和46年)に完成しました。
ここで取水された水は寒川浄水場及び小雀浄水場を経て、横浜市、横須賀市及び神奈川県内広域水道企業団へと給水されています。
 
寒川取水堰からの給水系統図(神奈川県広域水道企業団HPより)
 
 
寒川取水堰のすぐ南に掛かる県道44号線神川橋から取水堰を見下ろすことができます。
左岸に4門のローラーゲート、中央に魚道があり右岸は全面越流式堰堤となっています。
 
左岸に浄水場への取水口があります。
 
バラエティに富んだ魚道。
 
取水堰に近接して見学しようと思いましたがフェンスに阻まれ叶わず。
 
ダムカードが配布されている水道博物館です。
寒川浄水場に隣接しており、旧送水ポンプ場の建物をそのまま博物館として利用しています。
 
3077 寒川取水堰(0228)
左岸 神奈川県高座郡寒川町宮山
右岸 神奈川県平塚市田村
相模川水系相模川
WI
MB
6メートル
270メートル
千㎥/千㎥
神奈川県企業庁
1971年

相模大堰

2016-02-12 07:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 相模大堰
 
相模大堰は相模川河口から12キロ地点の左岸海老名市社家、右岸厚木市岡田にある可動堰で、神奈川県内水道企業団が管理を行っています。
宮ヶ瀬ダムで貯留された水を上水道として取水するために2002年(平成14年)に完成、ここで取水された水は綾瀬浄水場及び相模原浄水場に送られ、神奈川県内水道企業団を構成する各事業体に給水されます。
 
相模大堰からの給水系統図(神奈川県内水道企業団HPより)
 
相模大堰は東名高速のすぐ南の相模川にあり、厚木市中心部から県道601号を南下、相模川河川敷のスポーツ広場の駐車場に車を止めて大堰まで歩きます。
堰本体は立入禁止なので河川敷から堰を見上げるだけです。
3種類のゲートが合計7門ありますが接近できないため、どのゲートがどれかは視認できません。
 
 
堰本体は立入禁止です。
 
右岸の魚道。
両岸に魚道があるようです。
 
左岸の海老名川にポンプ場があり沈砂池などがありましたが今回は見学を見送りました。
機会があればじっくり見てみたいと思います。
 
3252 相模大堰(0227)
左岸 神奈川県海老名市社家
右岸   同県厚木市岡田5丁目 
相模川水系相模川
MB
3.1メートル
293.8メートル
神奈川県内広域水道企業団
1998年

相模原沈でん池

2016-02-12 06:00:00 | 神奈川県
2016年2月11日 相模原沈でん池
 
相模原沈でん池は神奈川県相模原市南区にある横浜市が管理する上水用アースダムで1954年(昭和29年)に建設されました。
相模ダムで発電に使用された放流水は下流の沼本ダムで取水され相模原沈でん池に送られ沈殿処理され浄水場に送られます。
通常沈殿池は浄水場にあり、ダム湖自体が沈殿池として利用されるのは珍しいようです。
 
上流面。
飲料水向けの池なのでフェンスが張り巡らされ厳重に管理されています。
 
貯水池。
たぶん貯水池が建設された1954年(昭和29年)には周りは農地ばかりだったんでしょうが今や宅地の真っ只中です。
 
取水設備。
 
背後は丹沢の山々、左端が大山です。
 
天端と堤体
すぐ下には車道が通っています。
 
0698 相模原沈でん池(0226)
神奈川県相模原市南区下溝
相模川水系横浜市水道
19.5メートル
255メートル
883千㎥/700千㎥
横浜市水道局
1954年
 

渡良瀬遊水地ダム(一期)

2016-02-08 14:00:00 | 栃木県
2016年2月6日 渡良瀬遊水地ダム(一期)
 
渡良瀬遊水地は渡良瀬川と巴波川、思川の合流地点の栃木県・群馬県・茨城県・埼玉県の4県にまたがる日本最大の遊水地で国交省関東地方整備局利根川上流河川事務所が管理をしています。
1904年(明治37年)から事業がスタートし洪水対策が名目上の目的でしたが、実質的には足尾銅山からの鉱毒をここで沈殿して無害化することが目的でした。
しかし鉱毒事件からすでに100年以上経過し鉱毒は減少しており、現在では洪水調節を主目的としており利根川上流8ダムの一つとして他の7ダムと連携して利根川の洪水調節を行っています。
 
渡良瀬遊水地は第一~第三までの貯水池に分かれ、平時から池としての実体があるのは『谷中湖』と呼ばれる第一貯水池だけで第2、第3調整池は洪水時に渡良瀬川の水をここに貯留して利根川に流入する水を抑えます。
渡良瀬遊水地の位置図(国交省利根川上流河川事務所ホームページより)
 
第一排水門
遊水池最南端にあります。
 
第一排水門
自転車に乗る嫁さんと比べればゲートの大きさがわかるでしょう。
 
第一排水門から
左は谷田川
右は池内水路で貯水池に溜まった水を素早く排水するための水路です。
奥は渡良瀬貯水池機場で貯水池にたまった水をポンプで排水します。
 
渡良瀬貯水池機場。
 
越流堤
洪水時、渡良瀬川の水が貯水池に越流するよう回りよくも堤が低くなっています。
越流に耐えられるようアスファルトフェイシングされています。
 
囲ぎょう堤
周囲堤で囲まれた遊水地内部の可動部と調節池を区切る堤防です。
 
第一貯水池
コンクリート補強されています。
 
遊水地周辺では3か所でレンタサイクルが利用できます。
遊水池を一周するだけでも10キロ以上になるので今回は道の駅『きたかわべ』で自転車を借りて遊水地を移動しました。
 
0580 渡良瀬遊水地ダム(一期)(0225)
左岸 栃木県栃木市藤岡町・野木町
右岸 群馬県
利根川水系渡良瀬川        
FNW
FG
8.5メートル
9050メートル
26400千㎥/26400千㎥
国交省関東地方整備局
2002年

松田川ダム

2016-02-08 10:00:00 | 栃木県
2016年2月6日 松田川ダム
 
松田川ダムは栃木県足利市松田町の渡良瀬川左支流松田川源流部にある栃木県営の多目的重力式コンクリートダムです。
群馬県境にある仙人ヶ岳に源を発し足利市街を貫流して渡良瀬川に合流する松田川は豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらしてきました。
そこで栃木県は松田川総合開発事業を策定、1995年(平成7年)に竣工したのが町田川ダムで、松田川の洪水調節に加えて、既得取水権への補給と河川流量の維持、足利市上水道への供給を目的としています。
松田ダムは仙人ヶ岳や赤雪山の登山口になっているほか、下流はレクリエーション広場、ダム湖畔にはキャンプ場が整備され市民や観光客の憩いの場となっています。
 
ダム直下から
クレストは自由越流式が4門
常用洪水吐のオリフィスゲートから放流しています。
 
下流は広く開放され洪水吐直下まで入ることができます。
 
独特の減勢工。
 
左岸の東屋から。
 
上流面
手前は取水設備です。
 
天端は立ち入り禁止。
 
ダムの銘碑は松葉仕様。
 
松田川ダムの管理人さんは非常に人柄がよく親切な方です。
登山の際は何度もお世話になりましたが、今回もダムについていろいろ楽しい話を伺うことができました。
 
追記
松田川ダムには70万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合に事前放流によりさらに110万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0581 松田川ダム(0224)
栃木県足利市松田町
利根川水系松田川
FNW
56メートル
228メートル
1900千㎥/1800千㎥
栃木県企業局
1995年
◎治水協定が締結されたダム