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ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

引原ダム(元)

2018-10-14 03:34:37 | 兵庫県
2018年10月7日 引原ダム(元)
 
引原ダムは兵庫県宍粟市波賀町の揖保川水系引原川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、引原川および揖保川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、姫路市・太子町への工業用水の供給、関西電力原発電所での最大5000キロワットのダム水路式発電を目的としています。
1939年(昭和14年)に姫路で広畑製鉄所が操業を開始し、安定した工業用水確保を目的として揖保川河水統制事業が着手され引原ダム建設が開始されました。
しかし戦況悪化により事業は中断、戦後、建設省の補助を受けた揖保川総合開発事業として再開され、1957年(昭和32年)に引原ダムが竣工しました。
引原ダムは兵庫県営の多目的ダム第1号となっています。
 
一方揖保川流域では平成以降も3度の大規模な出水があり、引原ダムは2度の異常洪水時防災操作を余儀なくされその洪水調節能力の増強が課題となっていました。
これを受け新たに『引原ダム再生事業』が採択され2029年(令和11年)竣工をめどに、洪水調節能力強化を目的としたダム再開発事業が着手されました。
具体的には堤体の2メートル嵩上げと死水容量の予備放流容量への転用による洪水調節容量の増大(565万立米⇒805万立米)、放流設備の新設と既存放流設備の改造などとなっています。
 
ダム一帯は国定公園に指定され豊かな自然が残るほか、1993年(平成5年)建設省より「地域に開かれたダム」に指定されたことを契機に積極的な湖面利用が進められ、現在では近畿地方有数のカヌーのメッカとなっています。
 
引原ダムは国道29号線沿いにありアプローチは簡単です。
ダムサイトから徒歩でダム下に降りることができます。
非常用洪水吐として真っ赤なラジアルゲート2門、常用洪水吐として導流壁わきにジェットフローゲートを装備しています。
5~11月の第4日曜にはジェットフローゲートから観光放流が行われます。
 
減勢工にある不思議な遺構、棒状のコンクリートに木が何本も填め込まれています。
これが何なのか?ずっと謎のままでしたが、帰宅後調べたところ木造橋梁の橋脚を支える底板(フーチング)であることがわかりました。
ダム建設以前、ここには木造の橋が架かっていたのです。
 
左岸から
 
以前使われていたハウエルバンガーバルブがダムサイトに展示されています。
 
上流から。
ゲート操作室は豪雪地帯のように屋根付き。
 
インクラインや艇庫はなく左岸の浮桟橋に巡視艇が係留されています。
 
天端から。
 
左岸にある関西電力原発電所への取水設備。
運用開始以降、兵庫県企業庁が運営していましたが、2010年(平成22年)に関西電力に譲渡されました。
昭和20~30年代施工の取水口ということで、大掛かりな設備になっています。
 
右岸展望台から
天端は車道で車両通行可能
ゲート部分だけ上流側に張り出したクランクになっています。
 
右岸には建設当時のプラントなど各種遺構が残されています。
写真は建設当時コンクリート運搬車が通る線路が敷かれていたバンカー線跡。
 
バッチャープラント跡
天蓋のドーム部分は母校明治大学の旧記念館を彷彿とさせます。 
 
竣工から60年以上経過する古いダムですが、各所に遊歩道が整備され見所の多いダムとなっています。
 
追記
引原ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1479 引原ダム(元)(1386
兵庫県宍粟市波賀町引原
揖保川水系引原川
FNIP
66メートル
184.4メートル
21950千㎥/18400千㎥
兵庫県土木部
1957年
◎治水協定が締結されたダム
-------------
1479 引原ダム(再)
兵庫県宍粟市波賀町引原
揖保川水系引原川
FNIP
68メートル
206.5メートル
22850千㎥/20800千㎥
兵庫県土木部
2020年~

草木ダム

2018-10-14 03:27:14 | 兵庫県

2018年10月7日 草木ダム 

草木ダムは兵庫県宍粟市一宮町草木の揖保川水系草木川上流部にある関西電力の発電目的の重力式コンクリートダムです。
兵庫県西部の市川水系や揖保川水系では明治末期より姫路水力電気(株)によって電源開発が進められ、草木ダムは草木発電所とともに1913年(大正2年)に建設されました。
コンクリートダムとしては国内で6番目に古く、発電専用コンクリートダムとしては栃木県の黒部ダムに次ぎ2番目の歴史を誇っています。
ダムおよび発電所は1942年(昭和17年)の電力統制令によって関西配電に接収され、1951年(昭和26年)の電気事業再編成により関西電力が事業を継承しました。
草木発電所の取水口はダム下流500メートルほどにあり有効落差202メートルを生かして最大出力1400キロワットの水路式水力発電を行っています。
草木ダム自体に取水設備はなく、草木発電所で安定した発電が行えるよう草木川の河川流量の平準化を目的としたダムです。
 
ダムはコンクリート製の全面越流式ですが、堤体左右両岸が練石積みとなっており、かつては越流部も石張りだったと推察されます。
減勢工の下流に副ダムがあります。
 
ダム下流500メートルほどに草木発電所への取水堰があり、ダム自体に取水設備はありません。
草木ダムは安定した発電を行うための水量調節が目的です。
 
副ダム。
 
右岸の練石積み
この部分は竣工当時のものと思われます。
 
天端は立ち禁。
堤体はわずかにカーブしています。
 
上流面。
 
総貯水容量24万8000立米。
 
ダムの下流500メートルほどに発電所への取水堰があります。また発電所の落差200メートルを超える水圧鉄管もなかなかの迫力のようですが、いずれも予習不足のため見学しませんでした。
機会があれば・・・と言いたいところですが、一帯のダムはほとんど訪問してしまったのでなかなかその機会はなさそうです。
 
(追記)
草木ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1466 草木ダム (1385)
兵庫県宍粟市一宮町草木
揖保川水系草木川
24.8メートル
86.4メートル
248千㎥/248千㎥
関西電力(株)
1913年
◎治水協定が締結されたダム

本庄川ダム

2017-12-04 02:37:37 | 兵庫県
2017年11月24日 本庄川ダム
 
本庄川ダムは兵庫県南西部の南あわじ市阿万上町の本庄川水系本庄川源流部にある兵庫県農政環境部が管理する重力式コンクリートダムです。
南あわじ市阿万地区は淡路島を代表する野菜生産地ですが、水利に乏しい上に台風による農地被災も多く抜本的な治水・利水対策が流域農家の悲願となっていました。
そこで兵庫県農政環境部は農水省の補助を受け本庄川上流部への農地防災・灌漑目的のダム建設を計画、これに淡路広域水道企業団が事業参加し、2004年(平成16年)に竣工したのが本庄川ダムです。
本庄川ダムは本庄川の洪水調節・阿万地区の農地への灌漑用水の供給・淡路広域水道企業団への上水道用水の供給を目的とし、運用開始後は洲本土地改良事務所が管理を行っています。
 
県道76号線を南下して阿万上町に入ると本庄川ダムを示す標識が現れます。これに従って本庄川沿いに東進すると本庄川ダムに到着します。
ダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート2門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備するほか右岸に利水放流設備があります。
今回はオリフィスゲートから越流していました。
 
堤体直下から
ダムにタッチができます。
手前は監査廊入口。
 
右岸から
左岸に管理事務所があります。
 
上流面
ゲートの右手に取水設備があります。
 
天端は車両通行可能。
 
天端から。
 
右手は利水放流設備。
 
ダム湖は総貯水容量172万立米
ダム湖を周回する道路があり、地元住民の皆さんが少なからずウォーキングを行っていました。
 
下流面。
 
管理事務所
兵庫県農政環境部の事業で建設されたため、管理は洲本土地改良事務所が行っています。
 
2921 本庄川ダム(1189)
兵庫県南あわじ市阿万上町
本庄川水系本庄川
FAW
47.7メートル
184メートル
1720千㎥/1610千㎥
兵庫県農政環境部
2004年

大日川ダム

2017-12-01 17:40:57 | 兵庫県
2017年11月24日 大日川ダム
 
大日川ダムは兵庫県南あわじ市北阿万新田北の三原川水系大日川上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には灌漑用ため池である美女池がありましたが、農林省(現農水省)の補助を受けた兵庫県の事業で美女池を取り込む形で1966年(昭和41年)に大日川ダムが建設されました。
美女池堤体は現在でもダム湖に残りともに大日川土地改良区が管理を行っています。
その後1997年(平成9年)に1キロ下流に県営の治水ダムである大日ダムが完成しましたが、大日川ダムで取水された灌漑用水は大日ダム湖左岸を迂回して下流の農地に供給されています。
 
大日ダムから湖岸の道路を上流に進むと正面に大日川ダムが見えてきます。
白いコンクリートの大日ダムと対照的に、黒ずんだ堤体が特徴です。
ダム下は公園になっており、桜が満開の時期には多くの周辺住民が花見に訪れるようです。
 
洪水吐は農業用コンクリートダムらしく自由越流式クレストゲート5門のみ。
 
堤体左岸下部に取水設備からの吐口があります。
この水は大日ダム湖左岸を迂回して下流の受益農地へと送られます。
 
車道をさらに進むと右岸ダムサイトに到着します。
天端はゲート部分が高くなっており、ゲート左岸側に取水設備があります。
 
天端は軽自動車や軽トラくらいなら通行できそう。
 
導流面と減勢工
左端が上から3枚目の写真の取水設備からの吐口です。
取水された水は河川とは別に灌漑用水路を通り、下流の大日ダムをバイパスして受益農地へと送られます。
 
ダム湖は総貯水容量110万立米。
 
左岸から。
 
下流面。
 
大日川ダムのさらに上流500メートル地点に美女池の堰堤が残っています。
大日川ダムができる以前は流域の貴重な水源となった灌漑目的のアースダムで、アーチ状に湾曲した堤体が特徴です。
現在は洪水吐部分が撤去され大日川ダムのダム湖と一体化しています。
 
六角形の取水設備
上流面は石積みで護岸されています。
 
1485 大日川ダム(1188)
兵庫県南あわじ市北阿万新田北
三原川水系大日川
42.8メートル
178メートル
2099千㎥/2032千㎥
大日川土地改良区
1966年

大日ダム

2017-12-01 15:00:04 | 兵庫県
2017年11月24日 大日ダム
 
大日ダムは左岸が兵庫県南あわじ市北阿万新田北、右岸が南あわじ市賀集生子の三原川水系牛内川左支流大日川にある兵庫県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
大日ダムは牛内ダムと連携して大日川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
大日ダムはダム下が公園として整備されているほか、フーチングの階段が開放されており開かれたダムとなっています。
堤高36メートルに対して堤頂長は247メートルと横長のダムで、クレストの自由越流式洪水吐と減勢工が左岸側に寄った変則的な構造です。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが4門、常用洪水吐と自然調節式のオリフィスゲートがあります。
訪問時はオリフィスゲートから放流していました。
 
洪水吐上部が展望スペースとして全面にせり出した独特のデザイン。
 
フーチングの階段が開放されています
堤高が36メートルなので苦もなく登れます。
 
左岸から下流面
洪水吐上のせり出しが格好いい!
 
右岸から
減勢工は左岸側が片翼になった左右非対称。
 
上流面
クレストゲートの右手にオリフィスの取水口が、左手に取水設備があります。
 
減勢工は左右非対称。
 
ダム下は公園ですが、あまり使われている様子はありません。
 
総貯水容量110万立米のダム湖はさくら湖と命名されています。
この上流約1キロ地点に1966年(昭和41年)竣工の灌漑用の大日川ダムがあります。
 
天端は車両通行可能。
 
大日川のさらに上流、美女池の先に牛内ダムへの分水堰があることを帰宅後知りました。
予習は十分にしているつもりですが、まだまだ後の祭が多いのが反省材料です。
 
1523 大日ダム(1187
左岸 兵庫県南あわじ市北阿万新田北
右岸 兵庫県南あわじ市賀集生子
三原川水系大日川
FN
36メートル
247メートル
1100千㎥/1050千㎥
兵庫県土木部
1997年

牛内ダム

2017-12-01 13:20:35 | 兵庫県
2017年11月24日 牛内ダム 
 
牛内ダムは兵庫県南あわじ市賀集牛内の三原川水系牛内川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
牛内ダムは大日ダムと連携して大日川および牛内川の洪水調節を行うほか、牛内川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
南あわじ市の国道28号線国衙交差点から牛内川沿いに南下すると牛内ダムに到着します。
まずはダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが3門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備しています。
右手は利水放流設備。
 
左岸から
左岸に木製デッキの展望台があります。
 
左岸ダムサイトのモニュメント
淡路島の象徴であるスイセンをモチーフにしているのかな?
 
天端高覧にもスイセンの装飾。
 
減勢工は右岸側が片翼になった左右非対称
左手は放流設備です。
 
左岸の管理事務所
インクラインはなく浮桟橋が設置されています。
 
つつじ湖と命名されたダム湖は総貯水容量220万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸から下流面
牛内ダムはフーチングの階段が開放されています。
 
上流面
ゲート右手が取水設備。
 
1524 牛内ダム(1186)
兵庫県南あわじ市賀集牛内
三原川水系牛内川
FNW
59メートル
216メートル
2200千㎥/2100千㎥
兵庫県土木部
1997年

諭鶴羽ダム

2017-12-01 12:04:07 | 兵庫県
2017年11月24日 諭鶴羽ダム 
 
諭鶴羽ダムは兵庫県南あわじ市神代浦壁の三原川水系諭鶴羽川上流部にある兵庫県県土整備が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1965年(昭和40年)の台風23号、24号による洪水被害を契機に兵庫県は三原川本流上流部の諭鶴羽川への治水ダム建設を採択、諭鶴羽ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助治水ダムとして1975年(昭和50年)に竣工しました。
三原川水系では1997年(平成9年)に牛内ダム大日ダムが、1999年(平成11年)に成相ダム北富士ダムが各支流に建設され、治水能力は大幅に向上、さらに2004年(平成16年)にかけての改修で諭鶴羽ダムはゲートレス化されています。
諭鶴羽ダムは三原川の洪水調節、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての灌漑用水の補給を目的としています。
 
南あわじ市の国道28号線円行寺交差点から県道535号線を南下すると諭鶴羽ダムに到着します。
右岸から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを1門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートを1門装備、訪問時はオリフィスゲートから越流していました。
また写真では分かりませんが堤体下部に低水位および利水放流設備があります。
 
右岸ダムサイトの壁画
落書きが多いのはお行儀が悪い関西ならでは?
 
黒御影石の竣工記念碑。
 
兵庫県営ダムおなじみのタイムカプセル。
 
導流部と減勢工。
 
ダム直下には南あわじ市営のサイクリングターミナル「ゆずりは荘」があります。
ダムを見ながら宿泊できるダム愛好家には嬉しい施設。
 
ダム湖のゆずりは湖
総貯水容量は130万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
左岸から下流面
対岸は管理事務所。
 
上流面
2004年(平成16年)の改修でゲートが撤去され自然調節式となりました。
改修で新たに設置された越流部だけコンクリートが白くなっています。
 
1500 諭鶴羽ダム(1185)
兵庫県南あわじ市神代浦壁
三原川水系諭鶴羽川
FN
43.9メートル
173メートル
1300千㎥/1200千㎥
兵庫県土木部
1999年

上田池ダム

2017-11-30 14:51:55 | 兵庫県
2017年11月24日 上田池ダム
 
上田池(こうだいけ)ダムは兵庫県南あわじ市神代社家の三原川水系上田川上流部にある灌漑目的の表面石張重力式粗石モルタル工ダムです。粗石モルタル工というのは粗石とセメントを水で練り混ぜたもので、堤体表面には間知石が布積みされています。
三原川中下流域の三原平野は淡路島最大の平坦地ですが、水源としていた三原川の水量は乏しく古来から灌漑用水の確保が困難で『月夜にも焼ける』といわれるほど干ばつ被害に悩まされてきました。
1915年(大正4年)に新貯水池建設計画が持ち上がりますが、第一次世界大戦による物価高騰やダムの型式の検討に時間を要し、1925年(大正14年)にようやく事業内容の合意に至りました。
貯水池建設に際し、36メートルの堤高を賄う土堰堤の材料の入手が困難だったことや、下流住民の決壊への懸念を払しょくするため神戸の水道事業で実績のあった重力式粗石モルタル工型式が採用されました。
そして翌1926年(大正15年)に建設工事が着手されますが、工事途中で貯水量を増やす為に堤高を41.5メートルにかさ上げするなど7年の工期を要し、1932年(昭和7年)に上田池は竣工しました。
上田池は農業用コンクリートダムとしては香川県の豊稔池ダムにつぎ、兵庫県神戸市の山田池と並び日本で2番目に古いダムとなります。
また堤高41.5メートルは粗石モルタル工としては神戸の立ヶ畑ダムや布引五本松堰堤を凌ぎ千苅ダムに迫る高さとなっており、これらの土木技術上の価値を評価して土木学会選奨土木遺産及びAランクの近代土木遺産に選定されています。
池の管理は耕地整理組合を引き継いだ上田池土地改良区が行い旧三原町内538ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
南淡路広域農道(オニオンロード)に上田池を示す標識があり、これに従って南下し社家集落を抜けると上田池に到着します。
浄水場手前に車を止めて浄水場の裏手を抜けると堰堤の左岸直下に出ます。
堤高は41.5メートルで石積堰堤としては神戸の立ヶ畑ダムや布引五本松堰堤を凌ぎ、千苅ダムに迫る高さです。
 
導流面、扶壁もきれいな石積みで溢流部は連続扁平アーチになっています。
 
堤頂部はほぼ垂直になっており実際の堤高よりも高さを感じ、城壁の如き堤体です。
 
上流面も装飾的なデザインで見た目にも美しいの一言です。
扶壁の上部は波切りのためか円形の台座のようになっており、ここで連続扁平アーチの支えています。
洪水吐上部だけコンクリートが新しく近年改修があったようです。
 
天端は車両通行可能
高欄は市松風の三つの小窓が上下反転しながら続いています。
 
左岸上流側の張り出し
どういう機能かは不明です。
 
古い石積堰堤ではおなじみの円形の取水設備。
 
取水設備の諸元プレートと選奨土木遺産遺産のプレート。
 
天端から見た導流面
右岸側は地山が張り出し天然の導流壁のようになっています。
この日は風が強く越流した水は水紋を描くというよりは水飛沫を跳ねあげていました。
 
天端からは播磨灘が見えます。
 
上流からの眺め。
 
神戸の石積堰堤に勝るとも劣らぬ素晴らしい堰堤です。
難を言えば直下に浄水場があるため、堤体直下から見上げることができない点でしょうか?
実は上田池を水源とした灌漑用水は下流で複数の円筒形分水工が設置されている事を帰宅後知りました。
中には貴重な親子分水工もあるようです。
いずれ再訪の機会があればぜひ見てみたいものです。
 
1470 上田池ダム(1184)
近代土木遺産Aランク
兵庫県南あわじ市神代社家
41.5メートル
131メートル
1700千㎥/1500千㎥
上田池土地改良区
1932年

旧成相池堰堤

2017-11-30 13:10:26 | 兵庫県
2017年11月24日 旧成相池堰堤
 
旧成相池堰堤は兵庫県南あわじ市八木馬回の三原川水系成相川の成相ダムの上流500メートルのダム湖に保存されている重力式粗石モルタル工の石積堰堤です。
灌漑を目的として1937年(昭和13年)に着工され、戦時中の中断をはさんで1950年(昭和25年)に竣工しました。
戦後に竣工した石積堰堤は珍しく、確認はできませんが最後に建設された石積ダムと言えるかもしれません。
しかし1999年(平成11年)に下流500メートルに成相ダムが竣工したことで上部5メートルを残してダム湖常時満水位以下に水没し、現在は安定上問題ない形状で保存されています。
2021年(令和3年)に土木学会選奨土木遺産に選ばれました。
 
成相ダムから湖岸を上流に進むと旧成相池堰堤が見えてきます。
 
左岸下流から。
 
右岸下流から
切石が奇麗に布積みされています。
 
写真は神戸市の山田池です。
ゲートの数は異なりますが、ゲート、半円形の取水設備、天端高覧の造りなどは山田池に非常によく似ています。
 
 
 
右岸上流から。
 
上流から新旧競演。
 
 神戸の石積堰堤に比べれば小ぶりな堰堤ですが、緩やかに円弧を描く堤体は柔和で上品な印象を受けました。
 
S511 旧成相池堰堤(参考掲載)(1183)
兵庫県南あわじ市八木馬回
三原川水系成相川
G(粗石モルタル)
33メートル
113.3メートル
1950年竣工
1999年廃止

成相ダム

2017-11-30 01:29:57 | 兵庫県
2017年11月24日 成相ダム 
 
成相ダムは兵庫県南あわじ市八木馬回の三原川水系成相川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川右支流の成相川では本流と支流の北富士川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1999年(平成11年)に成相ダムと北富士ダムが竣工しました。
成相ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、北富士ダムと連絡水路で結ばれ一体運用され、成相川及び北富士川の洪水調節を行うほか、成相川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
 
南あわじ市の国道28号線鳥井交差点を南に折れ、市道を南西に進むと正面に北富士ダムと成相ダムが見えてきます。
二股を右手にとると成相ダムに到着します。
まずはダム下から
北富士ダム同様ダム下は親水公園になっています。
 
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが2門、常用洪水吐としての自然調節式のオリフィスゲート1門、訪問時はオリフィスから越流していました。
天端高欄や洪水吐上部のアーチ、導流壁のカーブなどR(円)が多用されたデザインは非常に柔和な印象を与えてくれます。
 
右岸ダムサイトに管理棟と竣工記念碑があります。
 
堤頂部はいわゆる『襟』がなく堤頂からバケットカーブが続きます。
 
天端高覧は山をイメージしたデザイン。
 
天端はシンプルな北富士ダムと異なり石製のベンチや展望スペースが設けられています。
 
天端からは播磨灘が見えます。
 
導流面と減勢工
右手は利水放流設備です。
導流壁は断面が三角になった独特のデザイン、これは北富士ダムと共通です。
 
ダム湖は総貯水容量405万立米
上流500メートルあたりに成相池堰堤があります。
 
上流面
ゲート右手に取水設備、左手はエレベーター棟
管理事務所裏手にインクラインと艇庫があります。
 
1525 成相ダム(1182
兵庫県南あわじ市八木馬回
三原川水系成相川
FNW
61メートル
223.5メートル
4050千㎥/3950千㎥
兵庫県土木部 
1999年

北富士ダム

2017-11-29 22:43:48 | 兵庫県
2017年11月24日 北富士ダム  
 
北富士ダムは兵庫県南あわじ市八木馬回の三原川水系北富士川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川右支流の成相川では本流と支流の北富士川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1999年(平成11年)に成相ダムと北富士ダムが竣工しました。
北富士ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、成相ダムと連絡水路で結ばれ一体運用され、成相川及び北富士川の洪水調節を行うほか、北富士川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
 
南あわじ市の国道28号線鳥井交差点を南に折れ、市道を南西に進むと正面に北富士ダムと成相ダムが見えてきます。
二股を左手にとると北富士ダム下に到着します。
ダム下は小さな公園になっています。 
 
 
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが1門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートが1門
訪問時はオリフィスゲートから越流していました。
余計なものはとことん排除したシンプルなデザインとなっています。
 
左岸から
堤頂部の『襟』が堤頂からバケットカーブが始まっています。
堤頂部のデザインは同じ兵庫県営の栗柄ダムによく似ています。
 
ダムサイトの竣工記念碑。
 
天端は車両通行可能。
 
天端から導流面と減勢工
左手は利水放流設備
導流壁は断面が三角になる独特のデザイン。
 
天端からは海が見え、播磨灘を挟んで小豆島が遠望できます。
 
ダム湖は総貯水容量130万立米。
 
右岸から下流面。
 
上流面。
 
1526 北富士ダム(1181)
兵庫県南あわじ市八木馬回
三原川水系北富士川
FNW
52.5メートル
162.5メートル
1300千㎥/1250千㎥
兵庫県土木部
1999年

初尾川ダム

2017-11-29 17:23:51 | 兵庫県
2017年11月24日 初尾川ダム
 
初尾川ダムは兵庫県南あわじ市中条中筋の洲本川水系初尾川上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
1965年(昭和40年)9月の台風23号、24号により淡路島では年間降雨量の約半分の雨が降るという記録的な集中豪雨となり、初尾川上流部では3つの溜池が決壊し流域に甚大な被害が発生しました。
破損した3基の貯水量を補てんするため、農林省(現農水省)の補助を受けた兵庫県の災害復旧事業により1968年(昭和43年)に完成したのが初尾川ダムです。
管理は受益農家で組織される中筋水利組合が行っています。
 
国道28号線久次米交差点を南に折れ南淡路広域農道(オニオンロード)を交差して直進すると浄水場の先に初尾川ダムが見えてきます。
車を置き浄水場の裏手の山道を進むとダムの下流に出ます。
洪水吐は自由越流式クレストゲート2門という農業用コンクリートダムらしいデザインです。
訪問時はクレストゲートから越流していました。
 
車に戻り車道を進むとダム左岸に到着します。
 
天端に埋め込まれた竣工プレート。
 
上流面
四角い取水設備。
 
左岸上流から
湖面にダムが写し込まれています。
また昭和40年代の農業用ダムらしく天端ゲート部が高くなっています。
 
天端は車両通行可能
右手は取水設備操作室。
 
天端から
越流した水がきれいな鱗紋を描いています。
 
ダム下流の浄水場
北富士ダムから受水しており初尾川ダムとは関係がありません。
 
ダム湖は総貯水容量30万2000立米。
 
右岸から下流面。
 
1489 初尾川ダム(1180)
兵庫県南あわじ市中条中筋
洲本川水系初尾川
31.2メートル
101メートル
302千㎥/230千㎥
中筋水利組合
1968年

鮎屋川ダム

2017-11-29 15:30:44 | 兵庫県
2017年11月24日 鮎屋川ダム
 
鮎屋川(あいやがわ)ダムは兵庫県洲本市鮎屋の洲本川水系鮎屋川上流部にある防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
洲本川右支流の鮎屋川および初尾川中下流部が流れる洲本平野は淡路島では三原平野と並ぶ平坦地ですが、水源としていた鮎屋川や初尾川の水量は乏しく古来から幾度にもわたり干ばつ被害に悩まされてきました。
一方、鮎屋川はひとたび豪雨に見舞われると流域に大きな洪水被害をもたらし、抜本的な治水対策や安定した水源確保は流域農家の長年の悲願となっていました。
そこで兵庫県は1964年(昭和39年)より農林省(現農水省)の補助を受けた鮎屋川農業水利改良事業に着手、その中核施設として1970年(昭和45年)に竣工したのが鮎屋川ダムです。
鮎屋川ダムは鮎屋川流域143ヘクタールの農地防災、鮎屋川・初尾川流域農地771.5ヘクタールへの灌漑用水の供給を目的としており、運用開始後は鮎屋川土地改良区が受託管理を行っています。
また2016年(平成28年)には河川維持放流を利用した小水力発電所が新設され、最大16キロワットの発電を行っています。
 
ダム直下を南淡路広域農道(オニオンロード)が横断しており、農道からダムを遠望することができます。
 
堤体直下からダムを見上げます
農業用ダムですが、防災機能を持つためクレスト、オリフィス両ゲートを装備しています。
非常用洪水吐としてクレストにローラーゲートが1門、常用洪水吐として導流壁両側にオリフィスゲートが2門あり、訪問時は右岸側(向かって左手)のオリフィスゲートから放流されていました。
手前は河川維持放流です。
 
下流面。
 
河川維持放流を利用した小水力発電がおこなわれ、リアルタイムの発電量が表示されています。
 
天端
手前は取水設備の操作機器です。
 
クレストのローラーゲート
非洪水期ということでゲートは上がったままです。
 
ダム下の利水放流設備
奥の青いパイプは灌漑用送水管。
小水力発電所はパイプ手前の地下にあります。
 
減勢工。
 
ダム湖は総貯水容量180万立米。
上流1キロに同じ鮎屋川土地改良区が管理する大城池があります。
 
上流から遠望。
 
 
1490 鮎屋川ダム(1179)
兵庫県洲本市鮎屋
洲本川水系鮎屋川
FA
46.2メートル
198.3メートル
1800千㎥/1604千㎥
兵庫県鮎屋川土地改良区
1970年

大城池

2017-11-29 13:20:14 | 兵庫県
2017年11月24日 大城池
 
大城(だいじょう)池は兵庫県洲本市鮎屋の洲本川水系鮎屋川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
旧大野村(現洲本市大野)は台地上に位置し、淡路島でも最も水利に乏しい地域で農地の過半は井戸水を水源としその汲み上げには多大な労役が必要でした。
深刻な水不足を解消するために大野村では耕地整理組合が設立され鮎屋川上流部に水源を求めることになり1923年(大正12年)より溜池築造に着手しました。
大城池築造にあたっては鮎屋川の既得取水権と区別するために用水を迂回する隧道と井堰の建設に2年の歳月をかけるなどし、1928年(昭和3年)にようやく大城池が竣工しました。
大城池という名称の由来について現地の竣工記念碑では『蓋シ壮大城郭ノ如ク又堅緻ニシテ大丈夫ノ意ヲ寓ス』とあり、池を待望した人々の期待の大きさが窺い知れます。
その後1933年(昭和8年)に増築工事が行われ現在の規模となりました。
現在は下流の鮎屋川ダムともども兵庫県鮎屋川土地改良区が管理を行っています。
 
南淡路広域農道(オニオンロード)から県道534号線を南下、鮎屋川ダムから川沿いをさらに遡上すると大城池に到着します。
左岸にある大城池の説明板。
 
下流面は奇麗に刈り払われています。
 
上流面と洪水吐を遠望。
 
左岸の取水設備は独特のデザイン。
建屋は六角形でモンゴルの遊牧民の帽子のような屋根になっています。
また周辺左岸は花崗岩の石積みで護岸されています。
 
貯水池は総貯水容量94万6000立米と山中の溜池としてはかなり大規模。
 
右岸には竣工記念碑と不動明王像が設置されています。
 
天端。
 
堤体上流面は花崗岩の谷積みで護岸されています。
 
右岸の洪水吐
2007年(平成19年)に改修されました。
 
洪水吐導流部はこの先滝の様に流下しているようですが今回はダム下に向かう道が通行止めで見ることができませんでした。
 
左岸の取水設備周辺の湖岸や、堤体上流面など各所に丁寧な石積みが見られます。
時を重ねて建設された上田池や猪ノ鼻ダムなどの石積堰堤の技術を採用したのかもしれません。 
 
1469 大城池(1178)
ため池コード
兵庫県洲本市鮎屋
洲本川水系鮎屋川
35.5メートル
170メートル
946千㎥/946千㎥
兵庫県鮎屋川土地改良区
1928年

柿ノ木谷池ダム

2017-11-29 12:21:43 | 兵庫県
2017年11月24日 柿ノ木谷池ダム
 
柿ノ木谷池ダムは兵庫県南あわじ市湊里の三原川水系柿ノ木谷川上流部にある防災・灌漑用水目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には柿ノ木谷池という灌漑用溜池がありましたが老朽化が激しく警戒溜池に指定されていました。一方柿ノ木谷川流域では洪水による農業被害が多く、被害の除去は下流農家の悲願となっていました。
これを受け兵庫県は1994年(平成6年)に農水省の補助を受けた兵庫県の防災ダム事業に着手、2006年(平成18年)に竣工したのが柿ノ木谷池ダムです。
柿ノ木谷池ダムは柿ノ木谷川の農地防災および湊里地区65ヘクタールの農地への灌漑用水の供給を目的としており、運用開始後は湊水利組合が受託管理を行っています。
 
南あわじ市湊地区から柿ノ木谷川沿いに市道を南下すると柿ノ木谷池ダムに到着します。
ダム下流から
洪水吐は自由越流式クレストゲートが1門だけ、越流部が2段になっておりこれで非常用と常用洪水吐を使い分けています。 
 
左岸ダムサイトの竣工記念碑。
なんだか不安定、地震で倒れないかちょっと心配。
 
左岸高台の果樹園に続く道から俯瞰。
 
ダム軸も俯瞰。
 
上流面。
 
減勢工と放流設備。
 
ダム湖の奥にも農地があるようで天端は車両が通れます。
 
総貯水容量38万6000立米と小さなダム湖。 
 
右岸から下流面。
 
上流面
ゲートの左に取水設備があります。 
 
3308 柿ノ木谷池ダム(1177)
兵庫県南あわじ市湊里
三原川水系柿ノ木谷川
FA
25.1メートル
117メートル
386千㎥/358千㎥
湊水利組合
2006年