ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

富里ダム

2023-12-07 17:02:28 | 北海道
2023年10月22日 富里ダム

富里ダムは北海道北見市本沢の一級河川常呂川水系仁頃川上流にある灌漑目的のロックフィルダムです。
北見市の常呂川流域では明治期より屯田兵の開拓により稲作が始まり現在も広大な水田が広がっています。
一方常呂川左岸から続く丘陵地帯は水利に乏しいうえに圃場も散在しており小規模な畑作経営を余儀なくされていました。
1970年(昭和45年)に北海道開発局により国営畑地かんがい事業(畑かん)北見地区が着手され、その灌漑用水源として1987年(昭和62年)に竣工したのが冨里ダムです。
完成後は北見市が管理を受託し、2500ヘクタールの畑地に灌漑用水を供給しています。
事業全体も1997年(平成9年)に完了し、圃場整備・灌漑施設などにより営農の大規模化・効率化がはかられ、北見は北海道有数の農業地帯となっています。
またダム湖の富里湖周辺は富里森林公園として整備されキャンプやボート、ハイキングなどが楽しむことができ、ダム湖百選に選ばれています。

富里ダムは北見市中心から約17キロ、車で20分ほどに位置します。
堤高44.3メートル、堤頂長280メートル
凍上対策として芝が張られ『富里ダム』と書かれています。


右岸ダム中段にロッジ風の建物がありますが、訪問時は立ち入り禁止。
もとは公衆トイレ?


右岸ダムサイトのダム全体をモチーフにした変わった形の記念碑。


農業用ダムではおなじみの事業説明板。


水利使用標識
畑地灌漑のため年間を通して水利権が配分されています。


天端は徒歩のみ開放


上流面はロック材で護岸
逆光で黒くなってしまいました。


右岸の管理棟
訪問が日曜で職員は不在平日常駐しているかどうかは不明。

天端からダム下を見下ろす。
ダム下は立ち入り禁止
左岸に洪水吐減勢工、右岸に揚水機場と放流設備があります。
灌漑用水は揚水機場から専用幹線水路で供給されます。


総貯水容量280万立米の富里湖
北海道の農業用ダムとしては小ぶりなサイズ。
ダム湖には富里大橋が架かります。


右岸の取水設備。


左岸堤体中段に展示されているダクタイル鋳鉄管
幹線水路に使用されているものです。


左岸の円形越流式洪水吐


ダム湖に架かる富里大橋
対岸上流側に富里湖森林公園があります。
手前はインクライン。


ダム湖岸の富里湖森林公園
コテージやキャンプサイトが整備されています。
紅葉真っ盛りの日曜日、多くの家族連れがキャンプを楽しんでいます。


0126 富里ダム(2022)
北海道北見市本沢
常呂川水系仁頃川
44.3メートル
280メートル
2800千㎥/2630千㎥
北見市
1987年