ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

豊岡ダム(堰堤)

2015-12-28 14:00:00 | 静岡県
2015年12月26日 豊岡ダム(堰堤)
 
豊岡ダムは静岡県浜松市天竜区門桁の天竜川水系気田川にある中部電力(株)が管理する発電目的の取水堰堤です。
1938年(昭和13年)に当時の中部電力(現在の中部電力とは別会社)に建設され、日本発送電時代を経て戦後は中部電力が継承、ここで取水された水は導水管によって8キロ下流の豊岡発電所に送られ、最大8100キロの発電を行っています。
 
豊岡ダムは気田川沿いの県道389号線脇にあります。
下流から見ると、天端の青い橋梁、中電らしい赤いゲートが周りの自然の中で映えて見えます。
 
鉄骨トラスの青い橋梁が鮮やか。
 
天端への入口。
 
プチ甲子園。
 
 
天端を渡って右岸から
対岸の道路は気田森林鉄道の軌道跡です。

豊岡ダム(豊岡堰堤)
静岡県浜松市天竜区門桁
天竜川水系気田川
中部電力(株)
1938年

水窪ダム

2015-12-28 12:00:00 | 静岡県
2015年12月26日 水窪ダム
 
水窪ダムは浜松市天竜句水窪町の天竜川水系水窪川左支流戸中川にある電源開発(株)の発電用ロックフィルダムです。
天竜川中流域で佐久間ダム、秋葉ダムを完成させた電源開発は天竜川支流にも開発の手を伸ばし、1969年(昭和44年)に天竜川支流の水窪川水系に水窪ダムと水窪発電所を建設しました。
ここで取水された水は導水管で5キロ下流の水窪発電所に送られ最大5万キロワットの発電を行っています。
さらに水窪発電所の放流水は導水路で佐久間ダムに送られるため、本来佐久間ダムの下流で天竜川に合流し佐久間発電所で利用できずにいた水窪川水系の水を佐久間発電所で活用できるようになりました。
 
国道152号を北上、水窪から水窪川に沿って市道を東進すると水窪ダムに到着します。
下流から南アルプス深南部の山懐に抱かれた水窪ダム。
 
ロックフィルながら堤体が湾曲しています。
天端は車両通行可能ですがガードレールはなく落ちたらお陀仏。
 
下流面を見ても堤体が湾曲しているのがわかります。
 
下流をズームアップ
なんかごちゃごちゃしていますが、この下にトンネル式洪水吐導流部の吐口や減勢工があるようです。
 
右岸の洪水吐のラジアルゲート2門
ここからトンネル式の導流部へと続きます。
 
左岸の取水口
ここから水窪発電所へと導水されます。
 
ダムへ向かう道路の頭上に水窪発電所への導水管が見えます。
 
(追記)
水窪ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1171 水窪ダム(0140)
静岡県浜松市天竜区水窪町地頭方
天竜川水系戸中川
105メートル
258メートル
29981千㎥/22836千㎥
電源開発(株)
1969年
◎治水協定が締結されたダム

佐久間ダム(元)

2015-12-28 11:00:00 | 静岡県
2015年12月26日 佐久間ダム(元)
 
佐久間ダムは浜松市天竜区佐久間町の天竜川にある電源開発(株)が所有する発電用重力式コンクリートダムです。
戦後の経済発展に伴う電力不足に対応するため、水量が豊富で急流が続く天竜川中流域に着目、1956年(昭和31年)に電源開発によって建設されたのが佐久間ダムです。
米国の技術を積極的に取り入れ着工からわずか3年という突貫工事で完成、現在でも堤高155.5メートルは重力式コンクリートダムで第4位、全ダムでも第9位、ダム湖の総貯水量は日本第8位の巨大ダムとなっています。
佐久間ダムの建設は大型土木構造物の近代的機械化工法が確立され日本の土木史においての『金字塔』と称されています。
 
ダムと同時に運用を開始した佐久間発電所は最大出力35万キロワットと一般水力発電では日本第3位の出力を誇り、年間総発電量は日本一の発電所となっています。
また1972年(昭和47年)からは新豊根発電所で新豊根ダムを上部ダム、佐久間ダムを下部ダムとする揚水発電で最大112万5000キロワットの発電を、1982年(昭和57年)には佐久間発電所の放流水を利用した佐久間第二発電所が完成、最大3万2000キロワットの発電を行っています。
 
発電のほかダム湖(佐久間湖)から佐久間導水路を通じて愛知県の宇連ダムに送水され豊川用水の水源の一部を担っているほか、2004年から国交省中部地方整備局により堆砂対策を通じた洪水調節機能を強化するための再開発事業がスタートしています。
 
今回は新豊根ダムから佐久間ダムへ向かい国道473号を北上、中部天竜から県道1号を北に向かい佐久間ダムに至りました。
佐久間電力館の展望台からダムを見下ろすします。
 
 
減勢工。
 
無駄な飾りのないゲートビアはいかにも質実剛健。
青い巻き上げ機と佐久間ダムの文字が目立ちます。
 
ゲートの補修工事が行われています。
取水塔の丸い屋根がお茶目。
 
 
天端から導流部。
ごつごつ感が堪りまへん。
 
2棟並ぶモダンな取水棟
ダム本体のいかつい様相とは対照的。
 
いかにも昭和30年代の風情漂う天端。
 
(追記)
佐久間ダム(元)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  

1160 佐久間ダム(元)(0139)
左岸 静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間 
右岸 愛知県北設楽郡豊根村古真立
天竜川水系天竜川
155.5メートル
293.5メートル
326848千㎥/205444千㎥
電源開発(株)
1956年
◎治水協定が締結されたダム
------------
3326 佐久間ダム(再)
左岸 静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間
右岸 愛知県北設楽郡豊根村古真立
天竜川水系天竜川
FP
155.5メートル
293.5メートル
343000千㎥/221596千㎥
国交省中部地方整備局
2004年~

新豊根ダム

2015-12-28 10:00:00 | 愛知県
2015年12月26日 新豊根ダム
 
新豊根ダムは愛知県北設楽郡豊根村の天竜川水系大入川にある治水・発電目的のアーチダムで、国交省中部地方整備局と電源開発が共同管理を行っています。
もともとは大入川の河川管理者である愛知県が電源開発のダム事業に参加する形でダム建設がスタートしましたが、のちに事業が建設省に移管され1973年(昭和48年)に竣工、現在は河川法17条による兼用工作物として国交省中部地方整備局と電源開発(株)が共同で管理をしています。
大入川および天竜川の洪水調節のほか、新豊根ダムを上部ダム、佐久間ダムを下部ダムとして新豊根発電所で最大出力112万5000キロワットの揚水式発電を行っています。
新豊根ダムは左右で湾曲率が異なる非対称放物線ドーム型という珍しい構造のアーチダムになっており、またアーチダムでは珍しくクレストはローラーゲートになっています。
 
国道151号線から豊根村役場を経てダム湖沿いに東に走ると新豊根ダムに到着します。
左岸から
24ミリの広角レンズでは堤体すべてを納めることができません。
非対照放物線ドーム型のアーチダムですが、見た目では左右非対称なのかどうかよくわかりません。
 
 
通常アーチダムではラジアルゲートが多いのですが、ここは巨大なローラーゲートが設置されています。
アーチの堤体の乗っかるゲートビアが特徴的。
 
左岸管理所から被覆された通路が伸びています。
雪が多いんでしょうか?
 
コンジットゲート。
 
減勢工
副ダムもアーチ型。
 
左岸上流から
非常用洪水吐の巨大なローラーゲート
中央に予備ゲートがあります。
 
ダム湖(みどり湖)を挟んで。
 
2門の巨大な取水設備
揚水式発電のため佐久間ダムへと続いています。

(追記)  
新豊根ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 

1229 新豊根ダム(0138)
愛知県北設楽郡豊根村古真立 
天竜川水系大入川
FP
116.5メートル
311メートル
53500㎥千/40400千㎥
中部地方整備局・電源開発(株)
1972年
◎治水協定が締結されたダム

宇連ダム

2015-12-28 09:00:00 | 愛知県
2015年12月26日 宇連ダム
 
宇連ダムは愛知県新城市の豊川左支流宇連川にある重力式コンクリートダムで、豊川用水の貯水ダムとして農林省により1958年(昭和33年)に建設され、その後愛知用水公団、水資源開発公団を経て現在は水資源機構が管理を行っています。
宇連川のほか2つの頭取工及び佐久間導水路を通じて天竜川の水を流域変更して導水しています。
 
豊川用水の概要(豊川用水ホームページより)
 
湯谷温泉から国道151号を飯田方面に向かい川合交差点で宇連ダムの標識に従って県道424号を左折すると宇連ダムに到着します。
左岸から。
竣工から60年近く、年季を感じさせる堤体です。
 
ゲート部分だけ天端が下流側にせり出しています。
 
巨大な取水設備。
 
天端
ちょうど全面にせり出した部分。
 
減勢工。
 
ダム湖(鳳来湖)
周辺は花崗岩質で、奇岩が多く見られます。
 
下流から
クレストはラジアルゲート3門。
 
(追記)
宇連ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  

1219 宇連ダム(0137)
愛知県新城市川合
豊川水系宇連川
AWI
65メートル
245.9メートル
29110千㎥/28420千㎥
水資源機構
1958年
◎治水協定が締結されたダム

大島ダム

2015-12-28 08:00:00 | 愛知県
2015年12月26日 大島ダム
 
大島ダムは愛知県新城市の豊川左支流大島川にある水資源機構の重力式コンクリートダムで、宇連ダムに次ぐ豊川用水の貯水ダムとして建設されました。
豊川用水には貯水ダムとして宇連ダムがありましたが、東三河地域の人口増加や渥美半島の農耕地拡大による水需要の増大見通しを受けて1980年(昭和55年)に着工、2001年(平成13年)に竣工しました。
 
湯谷温泉から国道151号を飯田方面に進み、名号交差点で大島ダムの標識に従って県道519号を右折すると大島ダムに到着します。
右岸上流から
巨大な取水設備、洪水調節機能を持たない利水ダムでは表面水位が高いため、取水設備が大きくなるという説明がありました。
 
取水口ズームアップ
 
減勢工
右手は河川維持放流を利用した管理用小水力発電。
 
左岸から
クレストは自由越流式5門。
 
取水設備の右手が管理事務所です。
簡単な資料室もありますが、大島ダムのカードは宇連ダムで配布されています。
ダム湖(朝霧湖)はエメラルドグリーン。
 
(追記)
大島ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  

1235 大島ダム(0136)
愛知県新城市七郷一色
豊川水系大島川
AW
69.4メートル
160メートル
12300千㎥/11300千㎥
水資源機構
2001年
◎治水協定が締結されたダム

大野頭首工

2015-12-28 07:00:00 | 愛知県
2015年12月26日 大野頭首工
 
大河がない渥美半島をはじめとして豊橋を中心とする東三河地方は古来より干ばつが多く、豊川上流からの引水は戦前からの悲願でした。
1949年(昭和24年)から農林省の事業として豊川用水の建設がスタート、その後灌漑用水に加えて水道用水と工業用水の開発が加わり1961年(昭和36年)に愛知用水公団が事業を引き継ぎ、1968年(昭和43年)に豊川用水は全通しました。
大野頭首工は宇連ダムを水源とする豊川用水の取水口として1961年(昭和36年)に竣工、現在は愛知用水公団を引き継いだ水資源機構が管理をしています。
 
豊川用水の概略図(豊川用水ホームページより)
 
長篠から豊川左岸の県道439号を進むと左手に大野頭首工への入口が現れます。
上流から
3門のローラーゲートの上に大きな操作室が載っています。
 
両側のゲートにはフラップがついています。
 
減勢工。
 
右岸の魚道。
 
豊川用水の取水口と取水ゲート。
 
ここが豊川用水の起点。
 
ここから渥美半島先端まで水が送られます。
 
 
(追記)
大野頭首工は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1225 大野頭首工(0135)
愛知県新城市大野
豊川水系宇連川
AWI
26メートル
66.2メートル
1096千㎥/906千㎥
水資源機構
1961年
◎治水協定が締結されたダム

雨山ダム

2015-12-28 06:00:00 | 愛知県
2015年12月26日 雨山ダム
 
雨山ダムは愛知県岡崎市の矢作川水系雨山川にある愛知県営の多目的重力式コンクリートダムで、雨山川流域の局地的治水・利水対策のための小規模生活ダムとして1995年(平成7年)に建設されました。
雨山川の洪水調節、安定した河川維持流量や既得灌漑用水の確保、隣接する雨山浄水場から岡崎市南東部への上水導水の給水を目的としています。
 
豊川市街から県道334号を北上、杣坂峠で岡崎市に入り突き当たりの県道382号を右折すると雨山ダムに到着します。
ダム右岸に駐車場があり遊歩道で堤体直下に下りることができます。
堤高21.5メートルに対して、堤頂長160メートルと非常に横長になっています。
堤体に直接触れることもできます。
 
洪水吐はゲートレスで非常用洪水吐2門と常用洪水吐1門があります。
常用洪水吐から越流しています。
 
天端
 
下流は典型的な山間の集落の風景。
ただ農地には害獣防止用のネットが張り巡らされています。
 
右岸上流から。
ゲートの右に取水設備があります。
 
小規模生活ダムということでダム湖は溜池ほどの大きさです。
上流に雨山浄水場があり、岡崎市南西部に給水されます。
 
ダム湖奥には立派な砂防ダムがあります。
 
小さなダムですが綺麗に整備され広く開放されています。
ダム湖を囲むように桜が植えられており、春には花見客が多く訪れる様です。
心がホッとする、そんな雨山ダムです。

(追記)  
雨山ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

3042 雨山ダム(0134) 
愛知県岡崎市雨山町
矢作川水系雨山川
FNW
21.5メートル
160メートル
251千㎥/222千㎥
愛知県建設局
1995年
◎治水協定が締結されたダム

泉川ダム

2015-12-22 14:00:00 | 福島県
2015年12月20日 泉川ダム
 
泉川ダムは福島県白河市小田川の阿武隈川水系泉川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧によれば1949年(昭和24年)に泉川土地改良区によって竣工と記されていますが、現在泉川土地改良区は存在しません。
ゲートには泉川溜池維持管理協議会の名前がある一方、ため池データベースでは白河市農林整備部が管理者となっています。
ここではため池データベースに従うことにします。
国道295号を南下、二枚橋で市道を東に向かい東北新幹線をくぐると右手に泉川ダムの貯水池が見えてきます。
堤体へ続く道の入口はゲートで閉ざされ立ち入り禁止。
 
ダムは上流から眺めるのみ。

0484 泉川ダム(0133) 
ため池コード 072050003
福島県白河市小田川
阿武隈川水系泉川
17.5メートル
115メートル(ため池データベース130メートル)
434千㎥(ため池データベース426千㎥)/426千㎥
白河市農林整備課
1949年 

三春ダム

2015-12-22 12:00:00 | 福島県
2015年12月20日 三春ダム
 
三春ダムは福島県田村郡三春町西方の一級河川阿武隈川水系大滝根川にある多目的重力式コンクリートダムです。
阿武隈川は福島県中通りを北上して宮城県で太平洋に注ぐ南東北屈指の大河川ですが、本流にダム建設適地がないことから建設省(現国交省)は主要支流への多目的ダム建設による河川総合開発を進めてきました。
阿武隈川右支流大滝根川では1972年(昭和47年)に三春ダム(当初は大滝根ダム)建設事業が採択され1988年(平成元年)に本体着工、1997年(平成9年)に竣工しました。
三春ダムは国交省東北地方整備局が直轄管理する特定多目的ダムで、大滝根川および阿武隈川中流域の洪水調節(最大600立米/秒の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、郡山東部および三春南部への特定灌漑用水の供給、郡山市はじめ4市への上水供給、日本化学工業(株)への工水の供給を目的としています。
またダム竣工に合わせて利水放流を利用した三春ダム発電所(最大出力1060キロワット)も稼働しました。

三春ダムは建設途中の1993年(平成5年)に『地域に開かれたダム』の指定を受けました。
三春町は滝桜を中心に桜が有名ですが、ダム周辺も「日本一美しいさくらの里」をスローガンに環境整備が進められ、特に湖畔のさくら公園は県内有数の花見スポットになっています。
 
ダム下のアプローチはここまで。
放流設備としてクレストラジアルゲート4門、オリフィス高圧ラジアルゲート1門、放流バルブ3条を装備していますが、ここから全容はわかりません。
管理上の問題はあるんでしょうが、地域に開かれたダムなら全部見せてくれよ!と思うのが心情で・・・


右岸展望台から
やはり目が向かうのは評価が分かれる導流部扶壁の装飾
城下町である三春の石垣をモチーフにしたとのことですが、個人的にはヘビのウロコっぽい感じが…
本音を書けば『気持ち悪い』 スイマセン・・・・。


本体着工が1988年(平成元年)でバブル真っ盛り
化粧型枠の採用や凝ったデザインのゲートハウス、取水設備などは無駄なものにお金を使う余裕があった時代の産物ともいえます。


右岸上流から。
右から選択取水設備、ラジアルゲート4門が並び、ゲート中央にオリフィス予備ゲート。


武家屋敷をモチーフにしたっぽい管理所と資料館
右手は艇庫とインクライン。


ゲート越しの減勢工。


向って右手の建屋はバルブ室で脇から放流バルブが顔を出しています。
奥は河川維持放流を利用した三春ダム発電所。


国交省直轄ダムと言うことで天端は2車線幅
もちろん車は進入できず徒歩のみ開放。
向かいは建設時クレーン台座が置かれた展望台。
 

ダム湖(さくら湖)は総貯水容量4280万立米
湖畔にはさくら公園のほか水生生物観察園や野外劇場などが整備されています。
正面の端正なお山は福島百名山の移ヶ岳


左岸から
ここから見るとゲートハウスは一列に並んだ足軽にも見える。


左岸から上流面。


手前は郡山市上水道向け取水設備。
 

このほか、湖畔に郡山東部および三春南部向け灌漑用水の取水設備が設けられています。
 
(追記)  
三春ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0526 三春ダム(0132)
福島県田村郡三春町西方 
阿武隈水系大滝根川
FNAWI
65メートル
174メートル
42800㎥/36000㎥
国交省東北地方整備局
1997年
◎治水協定が締結されたダム

犬神ダム

2015-12-22 09:00:00 | 福島県
2015年12月19日 犬神ダム
 
犬神ダムは福島県白河市表郷金山の一級河川阿武隈川水系社川右支流黄金川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には福島県の事業で1971年(昭和46年)に竣工と記されており、県営かんがい排水事業等で建設されたものと思われます。
管理は社川沿岸土地改良区が受託しています。
白河市表郷の国道289号線から黄金川沿いの市道を南下し犬神集落を抜けると犬神ダムが現れます。
 
基部は石積みの擁壁、堤体は犬走を挟んだ2段構成で奇麗に草が刈られています。
堤高32.4メートルとアースフィルにしてはなかなかの高さで、溜池ではなく立派な農業ダムと言った風。


左岸ダム下には隧道から二つの吐口が並んでいます。
右手は洪水吐導流部、左手は斜樋からの底樋樋門。


アングルを変えて
農業用ダムで洪水吐と底樋の隧道の吐口が並列するのは非常に珍しい。


左岸の横越流式洪水吐。

 
洪水吐導流部の隧道呑口。
ここから上記2枚目、3枚目の写真へと続きます。


天端直下は犬神の集落。
もとは茅葺と思しき赤いトタン屋根が並び、『犬神』という地名や黄金川と言う河川名が何やら横溝正史のおどろおどろしい世界を髣髴させます。


貯水池は総貯水容量120万6000立米
本州の農業用アースフィルダムとしてはなかなかのサイズ。


未舗装の天端と下流面。

 
上流面はロック材で護岸
左岸に管理事務所で斜樋があります。


管理所と斜樋。

 
(追記)
犬神ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0513 犬神ダム(0129)
福島県白河市表郷金山
阿武隈水系黄金川
32.4メートル
128.8メートル
1206㎥/1087㎥
社川沿岸土地改良区
1971年
◎治水協定が締結されたダム

四時ダム

2015-12-21 16:00:00 | 福島県
2015年12月19日 四時ダム
 
四時ダムは左岸が福島県いわき市川部町、右岸が同市山玉町の二級河川鮫川水系四時川にある福島県土木部所管のロックフィルダムです。
鮫川水系では1962年(昭和37年)に本流に高柴ダムが完成しますが、1964年(昭和39年)にいわき市が新産業都市に指定されて以降、勿来地区への工場集積や人口増加が進み都市用水需要が一気に高まりました。
県土木部は『鮫川総合開発事業』の一環として鮫川左支流四時川への多目的ダム建設を採択し、建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムとして1983年(昭和58年)に四時ダムが竣工しました。
四時ダムは四時川の洪水調節(最大350立米/秒のカット)、いわき市への上水道用水及び工業用水の供給を目的としています。
さらに2015年(平成27年)には河川維持放流を利用した日本工営傘下の工営エナジー四時ダム発電所(最大出力470キロワット)が稼働しました。
この発電施設は19年間の契約期間経過後は福島県に無償譲渡されます。

四時ダムは国道289号線からダムに通じる管理道路が夜間施錠され、午前8時から立ち入り可能です。
左岸高台から俯瞰。
左岸にバスタブ型洪水吐があり管理事務所の先にアーチ状の堤体が続きます。
堤体左岸側には地山があり、小河内ダムのような堤体と洪水吐が離れた構造です。


バスタブ型洪水吐をズームアップ
昭和50年代設計と言うことで、バスタブ型洪水吐としては珍しく巨大なゲート操作室があります。
上流側に常用洪水吐の予備ゲート2門が待機。


洪水吐導流部
下流にわずかに見える白い建屋が小水力発電所。


常用洪水吐として珍しい高圧バーチカルゲートを2門装備。


このタイプのゲートは他所では記憶がないなあ。


天端は徒歩のみ開放
堤体は緩やかなアーチ状。


上流面。

天端からは海が見え、海が見える展望広場と命名されています。


総貯水容量1210万立米のダム湖(四時湖)。
右手に艇庫とインクライン。


右岸から下流面
管理事務所に下に地山が見えます。

ダム下は立ち入り禁止ですが、ダム下へ通じる管理道路入り口の門扉が開いておりそのまま進入してしまいました。(事後承諾済み)
地山のせいで提体は見えません。
実はこの右手に発電所と利水放流設備があるのですが写さず終い。


(追記)  
四時ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。 

0521 四時ダム(0123) 
鮫川水系四時川
FWI
83.5メートル
300メートル
12100㎥/10100㎥
福島県土木部
1983年
◎治水協定が締結されたダム

高柴ダム

2015-12-21 15:21:01 | 福島県
2015年12月19日 高柴ダム

高柴ダムは左岸が福島県いわき市山田町、右岸が同市田人町旅人の二級河川鮫川本流にある福島県土木部所管の重力式コンクリートダムです。
事業は1937年(昭和12年)の河水統制事業に遡りますが、戦後鮫川下流で化学工業の集積が進み利水需要が高まったことを受け、1957年(昭和32年)に『鮫川総合開発事業』が着手され1962年(昭和37年)に高柴ダムが竣工しました。
建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムで鮫川の洪水調節(最大440立米/秒のカット)と常磐及び小名浜への工業用水の供給を目的としています。
1985年(昭和60年)には利水放流を利用した高柴ダム発電所(最大出力1600キロワット)が稼働しました。

下流からダムと正対できる場所がない上に天端の立ち入りが制限されており、撮影ポイントは限られます。
右岸から下流面
放流設備としてはクレストラジアルゲート3門のほかコンジットバルブを装備。
豪雪地帯ではありませんがゲート操作室は被覆されています。



1985年(昭和60年)に稼働した高柴ダム発電所
利水放流を利用した小水力発電所で県土木が管理用発電として利用しています。


天端は立ち入り禁止(現在は開放されています)。


六角形の取水設備。


ダム湖(たかしば湖)は総貯水容量1270万立米。
小ぶりなダムにしては意外に大きなダム湖と言う印象。


説明板。


(追記)  
高柴ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。 

0501 高柴ダム(0122)
左岸 福島県いわき市田人町旅人井戸沢
右岸      同市山田町 
鮫川水系鮫川
FI
59.5メートル
163.5メートル
12700㎥/8600㎥
福島県土木部
1962年
◎治水協定が締結されたダム

堀川ダム

2015-12-21 11:00:00 | 福島県
2015年12月18日 堀川ダム
 
堀川(ほっかわ)ダムは左岸が福島県西白河郡西郷村真船横川、右岸が同村小田倉の一級河川阿武隈川水系堀川にある福島県建設部所管のロックフィルフィルダムで、建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムとして2000年(平成12年)に竣工しました。
堀川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、白河地方広市町村圏整備組合を通じた1市4町4村への上水道用水の供給を目的としています。
 
減勢工直下まで立ち入ることができます。


こんなアングルで写真を撮れるダムはなかなかありません。


堤頂長390メートルのリップラップ
ロックフィルダムとしては珍しい丸石
下流の農地に埋没していた旧阿武隈川砂礫が使われています。


天端から
ダム下には広大な芝生の公園が広がっています。
ダム建設に合わせて公園が整備されケースは多いのですが、補助ダムの場合維持費の問題等もあり時間とともに荒れてしまうところが多々あります。
しかし、当ダムは驚くほどきれいに維持されています。

ダム湖(まぶね湖)は総貯水容量500万立米
天端からは茶臼岳、朝日岳、三本槍岳と那須連山主峰が一望できます。

 
天端は徒歩のみ開放
左岸に管理事務所があります。


減勢工と利水放流設備。


導流部上段にはスリットが入っています。


常用と非常用を兼ねるバスタブ型洪水吐。
常用洪水吐から越流しています。


洪水吐と堤体上流面。


上流から遠望。


2000年竣工の比較的新しいロックフィルダムで、天端から那須連山が一望できるほか、ダム周辺の整備も素晴らしいダムです。
時節柄人気はありませんでしたが、観光スポットとしてもっと人気が出てもおかしくないダムです。

(追記)  
堀川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 

0537 堀川ダム(0118)
左岸 福島県西白河郡西郷村真船横川 
右岸         同村小田倉 
阿武隈水系堀川
FNW
57メートル
390メートル
5500㎥/5200㎥
福島県土木部
2000年
◎治水協定が締結されたダム

板室ダム

2015-12-21 10:00:00 | 栃木県
2015年12月18日 板室ダム
 
板室ダムは左岸が栃木県那須塩原市板室、右岸が同市百村の一級河川那珂川本流にある栃木県農政部が管理する発電・灌漑・上水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)に農林省(現農水省)による国営那須野ヶ原開拓建設事業が着手され、これに発電事業者として参加した栃木県企業局により1973年(昭和48年)に板室発電所(最大出力1万6100キロワット)が建設されました。
板室ダムは板室発電所の出力調整による水位変動を緩和するとともに、灌漑用水及び上水道用水の取水計画に合わせるための逆調整池として同年竣工しました。
なおダムカードおよび栃木県の資料ではダムの目的は『AWP』となっている一方、ダム便覧では『P』のみとなっています。
当ダムには上水道用水及び灌漑用水容量の配分はありませんが、灌漑用水及び上水の適正な取水を行うための調整池であるため目的は『AWP』とします。
 
板室ダムへ通じる道路は立ち入り禁止でダムを見学することはできません。
 
ダムカードは深山ダムの管理事務所でもらえます。
 
深山ダム の見学会は実施されていますが、板室ダムは駐車スペースの関係で実施できないようです。
 
(追記)
板室ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0568 板室ダム
栃木県那須塩原市板室
那珂川水系那珂川
AWP
16.8メートル
767メートル
260㎥/170㎥
栃木県農政部
1973年
◎治水協定が締結されたダム