ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩神ダム

2016-08-31 20:24:04 | 秋田県
2016年8月28日 岩神ダム
 
岩神ダムは秋田県大館市東地区にある灌漑用アースダムで、大館市土地改良区が管理をしています。
ダム湖畔は岩神ふれあいの森として整備され、また長根山運動公園や少年自然の家が隣接しており大館市民のレクリエーションエリアとなっています。
またダム周辺には一万本を超える桜が植えられ、見ごろとなるGWには秋田県屈指の花見スポットとして多くの観光客が訪れます。
 
ダムへは車の乗り入れはできず、長根山駐車場に車を置いて500メートルほど歩いてダムへと向かいます。
天端。
 
岩神貯水池。
ダム湖周辺が公園として整備されています。
 
堤体下流面。
 
草でわかりませんが上流面はコンクリートで補強されています。
 
洪水吐。
ここには枝垂れ桜が植えられています。
 
ここから見ると上流面のコンクリート補強がよくわかります。
 
右岸の取水設備機械室。
 
休日ということで、多くの人がダムの周回路を散歩していました。
できれば満開の桜を見てみたいものです。
 
0335 岩神ダム(0519)
秋田県大館市東
米代川水系長木川左支流
23.3メートル
130メートル
665千㎥/665千㎥
大館市土地改良区
1969年

柄沢第1号ダム

2016-08-31 19:39:12 | 秋田県
2016年8月28日 柄沢第1号ダム
 
秋田県大館市柄沢地区には2基の灌漑用堰堤が並んでおりそれぞれ大館市土地改良区が管理を行っています。
柄沢に沿って下流にあるのが2号ダム(写真赤マル)、上流が1号ダム(地図緑マル)となっています。(国土地理院地形図より)
 
地図の星印の地点から先は関係者以外立ち入り禁止で、1号ダムを見ることはできません。
 
 
2号ダムの堤体下流面
堤高15メートル未満のため河川法上のダムとは認められません。
 
天端も立入禁止。
 
2号ダムの貯水池、この奥に1号ダムがあります。
 
 
0362 柄沢第1号ダム
ため池コード
秋田県大館市柄沢
米代川水系柄沢川
16メートル
93メートル
188千㎥/188千㎥
大館市土地改良区
1951年

餌釣ダム

2016-08-31 19:33:52 | 秋田県
2016年8月28日 餌釣ダム
 
餌釣ダムは秋田県大館市餌釣地区の餌釣沢にある灌漑用アースダムです。
1949年(昭和24年)に米代川右岸の餌釣沢川流域の水田の水源として築造され、現在は大館市土地改良区が管理を行っています。
 
餌釣ダムの下流は山王台という名称で宅地開発が進み、ダムの直下には新興住宅が並んでいます。
そのせいか、ダム堤体への立ち入りは制限されゲート越しに眺めるのみです。
 
対岸(左岸)に洪水吐が見えます。
 
堤体下流面。
 
下流からアプローチしましたが、厳重なフェンスに囲まれ洪水吐などを見ることは叶いませんでした。 
 
0359 餌釣ダム(0518)
ため池データベース未掲載
秋田県大館市餌釣
米代川水系餌釣沢川
17.7メートル
79.6メートル
160千㎥/160千㎥
大館市土地改良区
1949年

別所溜池

2016-08-31 18:45:55 | 秋田県
2016年8月28日 別所溜池
 
別所溜池は秋田県大館市十二所地区にある灌漑用溜池で大館市土地改良区のうち溜池受益者で構成する別所保全組合が管理を行っています。
 
国道103号から県道66号に入り別所温泉方面に向かうと左手のに別所溜池の堤体が見えてきます。
溜池への道は狭く未舗装なので、車道の路肩に車を置いて溜池まで500メート弱を歩きます。
 
左岸に洪水吐導流部、右岸堤体下部に取水設備からの吐口があります。
 
堤体下流面
2段になっていて上下で傾斜角度が異なります。
 
天端には轍があり、軽トラなら問題なく走れそう。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
 
取水設備。
 
ダムの下流。
谷間を抜けると水田が広がります。
 
洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
0372 別所溜池(0517)
ため池データベース未掲載
秋田県大館市十二所
米代川水系別所川右支流
19メートル
102.5メートル
212千㎥/212千㎥
大館市土地改良区
1957年

鹿倉ダム

2016-08-31 17:31:47 | 秋田県
2016年8月28日 鹿倉ダム
 
鹿倉で『かぐら』と読みます。
鹿倉ダムは秋田県鹿角郡小坂町の荒川に架かる防災専用の重力式コンクリートダムです。
小坂町中心部東部を南北に貫流し、鹿角市との境界で小坂川に合流する荒川はその名が示す通りの暴れ川で、何度も洪水被害をもたらしてきました。
鹿倉ダムは1957年(昭和32年)に秋田県の事業で建設された防災ダムで、1968年(昭和43年)には天端が拡張され自動車が通行できる鹿倉橋となりました。
その後アカシア大橋の開通により鹿倉橋は廃れ、ダムの老朽化もあり現在ダム堤体は立入禁止となっています。
 
小坂市内から県道2号に入りアカシア大橋の手前で半ば廃道となった旧道に入ると鹿倉ダムに到着します。
植物が繁茂しこのアングルでしか撮影できません。 
 
少しズームアップ。
自由越流式のゲートが3門あるようです。
 
天端は通行止め
かつては対岸とを結ぶ重要な生活道路だったようですが、今や訪れる人もなさそう。
天端には最近行われたと思われる補強のためのブロックが設置されています。
 
下流の構造物。
減勢工になるんでしょうか??
 
アカシア大橋から辛うじて視認できました。
 
道路の橋梁としてはすでに廃道になっています。
防災ダムとしてまだ機能してるんでしょうか?
かつて鉱山の町として栄えた小坂の衰退を具現しているような鹿倉ダムでした。
 
追記
鹿倉ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3365 鹿倉ダム(0516)
秋田県鹿角郡小坂町上向
米代川水系荒川
208メートル
70メートル
857千㎥/850千㎥
小坂市
1957年
◎治水協定が締結されたダム

砂子沢ダム

2016-08-31 16:16:53 | 秋田県
2016年8月28日 砂子沢ダム
 
砂子沢ダムは秋田県鹿角市小坂町の米代川水系小坂川の左支流砂子沢川にある秋田県営の多目的重力式コンクリートダムです。
小坂町を南北に貫流し鹿角市十和田で米代川に合流する小坂川の洪水調節のほか、既得用水の補給及び安定した河川流量の維持、小坂町と鹿角市の上水道の供給を目的として2010年(平成12年)に竣工しました。
 
小坂町中心部から国道282号線を北上、砂子沢入口から町道を東に進み農免道路に入ると砂子沢ダムの標識が現れます。
まずは下流から。
ゲートレスで高低差のある3門の自由越流式洪水吐。
 
上流面
2010年に完成したダムはまだまだ白いコンクリート。
 
天端
手前はエレベーター棟、奥は取水設備。
 
減勢工
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
 
ダム湖(夢砂湖)と管理事務所。
 
ダム湖の奥では大規模な崩落が起きています。
 
上流面
洪水吐の右手は取水設備。
 
 
追記
砂子沢ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2919 砂子沢ダム(0515)
秋田県鹿角郡小坂町小坂
米代川水系砂子沢川
FNW
78.5メートル
185メートル
8650千㎥/7630千㎥
秋田県建設部
2010年
◎治水協定が締結されたダム

玉川ダム

2016-08-31 15:25:28 | 秋田県
2016年8月27日 玉川ダム
 
玉川ダムは左岸が秋田県仙北市田沢湖田沢、右岸が同市田沢湖玉川の一級河川雄物川水系玉川にある多目的重力式コンクリートダムです。
雄物川は下流の秋田平野と中流の横手盆地の間に長い狭窄部があるため、豪雨のたびにバックウォーター現象による洪水被害が多発し、その治水は秋田藩時代からの大きな課題となっていました。
雄物川水系の治水ダムによる河川総合開発は1950年(昭和24年)より着手されますが、本流にダム建設適地がなかったことから主要支流へのダム建設が進められ1957年(昭和32年)に玉川に鎧畑ダム、1963年(昭和38年)に皆瀬川に皆瀬ダムが完成しました。
しかしその後も洪水被害が続いたことや、高度成長を受けた利水需要の増加などから新たに建設省により『玉川総合開発事業』が着手され1990年(平成2年)に竣工したのが玉川ダムです。
玉川ダムは国交省東北地方整備局が直轄管理する特定多目的ダムで玉川および雄物川中流部の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、新規灌漑用水の供給、秋田市への上水道及び工業用水の供給、秋田県公営企業玉川発電所での最大2万3600キロワットのダム式発電を目的としています。
玉川ダム建設に際しては工期の短縮及びコストの削減を図るため超硬練りコンクリートを層状に固めるRCD工法が大型ダムとしては初めて採用されました。
一方玉川は上流に強酸性の温泉が湧出しており、その中和も長年の課題となっていました。
建設省は1993年(平成5年)より群馬県湯川の酸性水中和事業の成功を参考に石灰成分注入による中和事業に着手し以降玉川の水質は大きく改善しています。
 
田沢湖から国道341号をひたすら北上、新玉川大橋を渡り高森トンネルを抜けると右手に玉川ダムが見えてきます
 
まずはダム下へ。
国交省直轄ダムだけあって環境整備は素晴らしく、ダム下は公園として整備されキャンプも可能。
放流設備としてはクレストラジアルゲート4門、オリフィス高圧ラジアルゲート1門、コンジット高圧ラジアルゲート2門、利水放流用ジェットフローゲート1門を装備。
 
ダムサイトに上がります。
右手インクラインの建物は『カリヨンの鐘展望台』になっています。
奥は管理事務所。
 
上流から見たゲート群。
ラジアルゲート4門のほか、オリフィス予備ゲート1門、コンジット予備ゲート2門が並びます。
右手は選択取水設備。
 
総貯水容量2億5400万立米のダム湖(宝仙湖)
上流には日本一強酸性(pH1.1)の玉川温泉があります。
酸性水中和事業により石灰成分が投入された影響で天候によりエメラルドグリーンやコバルトブルーに湖面が変わりダム湖百選に選ばれています。
この日はエメラルドグリーンですが陽射しがなくいまいち発色がよくない。
 
下流面。
 
堤体下の公園には『RCD』の植栽。
巨大ダムとしては初めてRCD工法を導入して建設されました。
 
天端。
各種ゲート操作室やエレベーター棟が並び、奥には『玉川ダム』の文字が見えます。
 
減勢工。
 
予約必要なしで内部見学ができました。
土日は選択取水設備とゲート操作室の見学になります。
これは取水設備。
 
放流設備のゲート。
 
ゲート巻き上げ機。
 
ラジアルゲートを間近で・・・。
 
ラジアルゲート開閉装置。
 
障害物なしの減勢工。
右手は秋田県公営企業玉川発電所。
発電は利水従属発電となります。
 
ゲート操作室から見た堤体。
 
予約なしでも見学ができるサプライズ。
平日なら監査廊なども案内してもらえるようです。
 
追記
玉川ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合に事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0394 玉川ダム(0514)
左岸 秋田県仙北市田沢湖田沢
右岸     同市田沢湖玉川 
雄物川水系玉川
FNAWIP
100メートル
441.5メートル
254000千㎥/229000千㎥
国交省東北地方整備局
1990年
◎治水協定が締結されたダム

鎧畑ダム

2016-08-31 13:00:27 | 秋田県
2016年8月27日 鎧畑ダム
 
鎧端ダムは左岸が秋田県仙北市田沢湖田沢、右岸が同市田沢湖玉川の一級河川雄物川水系玉川にある秋田県建設部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
雄物川は下流の秋田平野と中流の横手盆地の間が長い狭窄部になっており、豪雨の際にはバックウォーター現象によりたびたび洪水被害に見舞われていました。
しかし本流にはダム建設適地がなかったため、主要支流へのダム建設による治水が進められ、その最初のダムとし1957年(昭和32年)に竣工したのが鎧畑ダムです。
鎧畑ダムは建設省によって施工され完成後に秋田県に移管、玉川および雄物川中流部の洪水調節と秋田県公営企業鎧畑発電所での最大1万5700キロワットのダム水路式発電を目的としています。
特定多目的ダム法施行前のため、ダムの括りとしては兼用工作物となります。
その後1990年(平成2年)に上流に玉川ダムが完成しますが、鎧畑ダムには利水放流設備がなかったため玉川ダムの利水放流に対応するため堤体を掘削して新たな放流設備を増設する再開発事業が行われました。
 
 
田沢湖から国道341号を北上、駒草橋の先で標識に従って旧道に入ると鎧畑ダムに到着します。
クレストにラジアルゲート3門、オリフィスゲート2門を装備
向って左下(右岸側)の白い建屋が増設された利水放流設備です。
 
ゲートをズームアップ。
 
アングルを変えて、
ダム湖に貯留したまま、堤体の左下(右岸)を掘削し利水放流設備を増設しました。
現在では多くのダムで採用されている工法ですが鎧畑ダムが日本では初のケースでした。
 
下流面。
 
上流面。
ラジアルゲートの間にオリフィスの予備ゲートが2門、さらに一番右手が増設された利水放流設備の予備ゲート。
玉川ダム上流で行われている酸性水の中和作業の影響で上流面やゲートには石灰成分が付着しています。
オリフィスのゲート受け部がテラス状になっています。
 
天端は1950年代のダムらしくゲート部分だけ上流側に張り出しています。
またゲートビアは雪除けのため被覆されています。
 
減勢工。
 
総貯水容量5100万立米のダム湖(秋扇湖)
見た目はさほど大きく見えませんが、細く長く上流に続きます。
酸性を中和させるための石灰成分の影響で湖面はエメラルドグリーン。
晴天だと美しいブルーになるようです。
 
ゲートビアは鉄骨トラスの上に被覆された巻き上げ機が載っています。
 
左岸から。
対岸に艇庫を併設した管理事務所がありインクラインが伸びています。
 
追記
鎧畑ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合に事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0370 鎧畑ダム(0513)
左岸 秋田県仙北市田沢湖田沢
右岸     同市田沢湖玉川 
雄物川水系玉川
FP
58.5メートル
236メートル
51000千㎥/43000千㎥
秋田県建設部
1957年
◎治水協定が締結されたダム

一丈木ダム

2016-08-31 11:10:22 | 秋田県
2016年8月27日 一丈木ダム
 
一丈木ダムは左岸が秋田県仙北郡美郷町千屋、右岸同町浪花の雄物川水系赤倉川にある灌漑目的のアースフィルダムです
1935年(昭和10年)に築造された一丈木溜池が、後の県の圃場整備事業で改修され一丈木ダムとなりました。
ダムの管理は秋田県仙北平野土地改良区が行い570ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
湖畔の一丈木公園には300本のソメイヨシノが植えられており、また湖面に映る真昼岳の姿は秋田の農村風景を代表する景観の一つとされ農水省により『ため池百選』に選ばれています。
ダムと言う名は付くものの一丈木ダムの実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ダムも掲載されていません。
 
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
導流部の右は一丈木公園で桜が並びます。
 
洪水吐手前は草が繁茂し湿原の風。
 
天端。
 
上流面はコンクリートで護岸。
奥に斜樋があります。
 
総貯水容量75万立米の貯水池。
晴れていれば正面に真昼岳が見えるようですが・・・。
 
竣工記念碑。
 
一丈木公園は芝生が広がる心地よい公園です。
春には桜と残雪の和賀山地のコラボが楽しめるんでしょう。
一方で、堤体下流面を撮影できるいいポイントは見当たりませんでした。
 
0354 一丈木ダム(0512)
ため池百選
左岸 秋田県仙北郡美郷町千屋
右岸        同町浪花
雄物川水系赤倉川
18.5メートル
203メートル
753千㎥(土地改良区HPでは750千㎥)/738千㎥
秋田県仙北平野土地改良区
1935年

仏沢ダム

2016-08-30 19:22:39 | 秋田県
2016年8月27日 仏沢ダム
 
仏沢ダムは秋田県仙北郡美郷町金沢東根地区の雄物川水系善知鳥(うとう)川左支流仏沢にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1935年(昭和10年)に秋田県の事業で竣工し、管理は秋田県仙北平野土地改良区が行っています。
集水面積14.1平方キロのうち自己流域は1.4平方キロで、貯水容量の大半は善知鳥川からの導水に依ります。
1990年(平成2年)にかけての改修にあわせて、湖畔には仏沢公園やキャンプ場、日帰り温泉施設などが整備され周辺住民の憩いの場となっています。
 
 
下流から遠望。
 
堤体下流面
犬走りを挟んで3段構成。
 
残念ながら堤体は立ち入り禁止で、右岸から望むのみです。
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の斜樋。
 
右岸の洪水吐。
 
 
 
周辺がよく整備され利用者が多いが故の天端の立ち入り禁止なんでしょうが、景色もがいいのでちょっと惜しい気もします。
 
3394 仏沢ダム(0511)
秋田県仙北郡美郷町金沢東根
雄物川水系善知鳥川左支流仏沢
24.7メートル(土地改良区HPでは22.5メートル)
180メートル(土地改良区HPでは159メートル)
1128千㎥(土地改良区HPでは1149千㎥)/1128千㎥
秋田県仙北平野土地改良区
1935年

潟尻第1ダム

2016-08-30 18:43:18 | 秋田県
2016年8月27日 潟尻第1ダム
 
潟尻第1ダムは秋田県仙北郡美郷町六郷東根の雄物川水系丸子川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1963年(昭和38年)に秋田県のかんがい排水事業で竣工し、管理は秋田県仙北平野土地改良区が行っています。
土地改良区のHPでは『潟尻第一ため池』と表記され完成は1965年(昭和40年)となっています。
また丸子川上流には自然沼を灌漑貯水池化した潟尻第2ダムがありますがこちらは堤高が12.9メートルのためダム便覧には未掲載です。
ダムと言う名は付くものの潟尻第一ダムの実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ダムも掲載されていません。
 
 
美郷町中心部から県道12号を東進すると潟尻第1ダムに到着します。
下流から
2012年(平成24年)に秋田県の溜池改修事業で洪水吐が整備されました。
 
右岸の横越流式洪水吐。
まだ白いコンクリートが目立ちます。
 
洪水吐導流部。
 
2012年に改修された洪水吐のコンクリートは白。
手前の石積みの擁壁との違いがくっきり。
 
堤体上流面。
上部は石積み、下部はコンクリートで護岸されています。
 
堤体下流面。
 
総貯水容量40万5000立米の貯水池。
雨のせいかずいぶん濁っています。
 
左岸の斜樋。
操作室はログハウス調。
 
0376 潟尻第1ダム(0510)
秋田県仙北郡美郷町六郷東根
雄物川水系丸子川左支流
31.8メートル
128.4メートル
405千㎥/405千㎥
秋田県仙北平野土地改良区
1963年

金沢溜池

2016-08-30 17:23:35 | 秋田県
2016年8月27日 金沢溜池
 
金沢溜池は左岸が秋田県横手市金沢、右岸が秋田県仙北郡美郷町金沢の雄物川水系中の目川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
秋田県のかんがい排水事業により1980年(昭和55年)に建設され管理は南旭川水系土地改良区が行っています。
実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ため池も掲載されていません。
 
下流から遠望
左岸から立派な洪水吐斜水路が伸びています。 
 
堤体下流面。
 
右岸に建つ竣工記念碑。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
総貯水容量70万2000立米の貯水池。
 
天端。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
左岸から
右岸に斜樋があります。
 
0389 金沢溜池(0509)
左岸 秋田県横手市金沢
右岸 秋田県仙北郡美郷町金沢
雄物川水系中の目川
29.2メートル
190.4メートル
702千㎥/644千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1980年

天狗沢沼ダム

2016-08-30 16:41:11 | 秋田県
2016年8月27日 天狗沢沼ダム
 
天狗沢沼ダムは秋田県横手市杉沢の雄物川水系杉沢川左支流天狗沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では1932年(昭和7年)に秋田県の事業で竣工と記されており、その後の改修工事でダム化され天狗沢沼ダムとなりました。
管理は南旭川水系土地改良区が行っています。
実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ダムも掲載されていません。
 
国道107号から『みずほの里ロード』を北上、中島集落から東に向かうと天狗沢沼ダムの堤体が見えてきます。
秋田らしく杉林の奥に堤体が見えます。
 
堤体下流面。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
下流側から
奥の建物は斜樋の機械室。
 
天端は立ち入り禁止。
 
斜樋。
 
ダム下は草が茂り立ち入り困難のため底樋は確認できませんでした。
 
3395 天狗沢沼ダム(0508)
秋田県横手市杉沢
雄物川水系杉沢川左支流天狗沢川
18メートル
77メートル
130千㎥/130千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1932年

明永溜池

2016-08-30 15:46:11 | 秋田県
2016年8月27日 明永溜池
 
明永(みょうえい)溜池は左岸が秋田県横手市睦成、右岸が同市明永町にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1935年(昭和10年)に秋田県の事業で竣工と記されています。
現地案内板によれば北側に大沼、南側に熊野堂沼と南北に隣接していた双子池を1982年(昭和57年)に秋田県の溜池改修事業で一体化、大沼は明永溜池に、熊野堂沼は熊ノ堂ダムに改修されました。
管理は南旭川水系土地改良区が行っています。
実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ため池も掲載されていません。
 
再開発により北の明永溜池と南の熊野堂ダムが一体化され、明永溜池には洪水吐はなく熊野堂ダムの洪水吐が利用されます。(地図の赤マル)。
一方明永溜池の堤体は池の南から西側に延び堤頂長は710メートルに及びます(地図の緑線)。
(国土地理院地形図より) 
 
写真は明永溜池と熊野堂ダムを仕切る堰堤
ここに明永溜池の斜樋があります。
普段は別々の溜池として利用されますが、増水時は写真の切り欠き部分から熊野堂ダムへ水が流れます。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
斜樋に隣接して竣工記念碑と土地改良区の案内板が設置されています。
 
天端は車道。
 
堤体は池の南から西側に続き延長710メートルに及びます。
 
総貯水容量143万1000立米
 
堤体下流面。
すぐそばに集落があり、秋田らしく杉林が集落を守ります。
 
こちらは熊ノ堂ダム。
明永溜池に洪水吐はなく、増水時はこの洪水吐が使われます。
熊野堂ダムは堤高が15メートル以下のためダム便覧には掲載されていません。
 
 
熊野堂ダム貯水池。
 
2基の灌漑用溜池が改修で一体化され、ちょっと複雑な作りになっています。
 
0341 明永溜池(0507)
左岸 秋田県横手市睦成
右岸     同市明永町
雄物川水系横手川支流
18.3メートル
710メートル
1431千㎥/1431千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1935年竣工
1982年改修竣工

相野々ダム

2016-08-30 14:12:20 | 秋田県
2016年8月27日 相野々ダム
 
相野々ダムは秋田県横手市山内平野沢の雄物川水系横手川右支流の岩野目沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1946年(昭和21年)に着手された農林省(現農水省)による国営雄物川筋農業水利事業の灌漑用水源として1961年(昭和36年)に建設されました。
現在は南旭川水系土地改良区が受託管理を行い、秋田県建設部所管の皆瀬ダムと併せて約1万4000ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
堤高40.8メートルは完成当時はアースフィルダムとしては日本最高を誇りました。
相野々ダムの集水面積37.8平方キロのうち自己流域である岩野目沢川はわずかに1.8平方キロで、その大半は横手川右支流黒沢川から導水して貯留しています。
2016年(平成28年)から2024年(令和6年)竣工をめどに耐震化改修工事が行われています。
 
黒沢川の取水口と相野々ダムの吐口の位置関係(国土地理院地形図より) 
 
相野々地区中心部の県道40号線に『あいののダム』を示す標識が現れます。
これに従い市道を進むと相野々ダム右岸に到着します。
ダム下流面。
 
天端。
 
ダム上流面はロック材で護岸。
 
下流面は2段構成になっています
また洪水吐が見当たりません。
 
総貯水容量358万6000立米の貯水位
青いとんがり屋根の取水塔が特徴的
 
洪水吐が見当たらないので、この取水棟が洪水吐を兼ねていると思われます。
 
左岸から
 
追記
相野々ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0374 相野々ダム(0506)
秋田県横手市山内平野沢
雄物川水系岩野目沢川
40.8メートル
133.9メートル
3568千㎥/3556千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1961年
◎治水協定が締結されたダム