とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

鏡の中の右と左が逆転するのはなぜ? 「探求」ブームへの懸念

2018-10-20 08:16:05 | 教育
 『チコちゃんに叱られる』を見ていたら、「鏡の中の右と左が逆転するのはなぜ」という問題が出題されていた。実はこの問題は20年くらい前に私が進学校に勤務していた時に夏休みの宿題として出したものである。提出は自由だったのだが、実際に解答を提出した生徒が2人いた。一人はほぼ正解といっていい詳しい解答を書いてきた。その解答にはさすがに感動した。

 近年「探求型」という言葉が教育界のブームになっている。「鏡の中の右と左が逆転するのはなぜ」というような問題に取り組むことは探求心を刺激し、探求意欲を高めることができる。しかし当時と現在は大きく違う。インターネットの普及である。20年前はインターネットがないから、問題を考えるためには図書館に行き、資料をさがすことから始まった。その資料もほとんどが読み込むのがむずかしいものだった。だから必然的に自分で考えなければいけなかった。本当に探究心がなければいけなかった。しかし現在はインターネットを検索すればほとんど答えが出てくる。インターネット内の解説を理解する力は必要であるが、自分で考えて答えを見つけるという力は必要ない。本当の意味での探求心なんて必要ないのである。

 果たして今教育界で求めている「探求」とは何なのか。わからないまま進む姿はかつての「ゆとり」と同じではないだろうか。
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