教員の多忙化、教育改革の必要性については何度かこのブログで書いてきた。私のブログなどはあまり多くの人が見るわけではないが、数多くの人が教育現場の現状の悲惨さを訴えることによって、ようやく大きな事件なのだということに気づき始めたようである。しかし、問題の本質を見誤ってはいけない。今の教育の一番の問題は小手先の改革ではどうしようもないのだ。必要なのは教育予算の大幅な増額なのであり、それなくしての改革は意味がないということである。
きょうも
「学級崩壊、教員の多忙化、理不尽な保護者、ブラックな学校を変える唯一の方法」
というタイトルのJBPressのネット記事が出ていた。そこでは有名な教育学者の佐藤学氏の意見が紹介されていた。
記事を引用する。
質の高い教育をすべての子どもに提供するには、探究と協同を中心とする「協同的学び」が不可欠だ。
同時に、学校改革を進めるには、学校という場を保護者や地域に開放し、保護者や地域との協同を進める必要があると教育学者の佐藤学氏は説く。
疲弊する教育現場にはシニシズム(冷笑主義)が広がっているが、そこから抜け出すには、実践を通して新しい事実をつくる以外にない。
佐藤氏が言っていることは正しいのかもしれない。(実は私は本当に正しいのか疑問に感じている。「協同的学び」はいいと思うのだが、東大の教育学の連中が無理やりにいろいろなところでそれを広めてしまったから、現場の混乱が起きていたのも事実である。理論を実践するのはそう簡単ではないということを、インテリ教育学者がわかっていないというのも大きな問題なのである。)しかし、それを実践するには時間と労力が必要である。とくにこの場合は現場と保護者と地域をつなぐコーディネーターが絶対に必要になる。これができる専門の職員を雇わない限り、成功するはずがない。
もはや現場は限界にあるのだ。小手先の改革ならば多忙化を推進するだけだ。現場が崩壊するだけなのだ。まずは職員を増やし、いらない仕事をなくし、教員がやりがいのある仕事になることを最優先していただきたい。そのためには教育予算の大幅な(総理の好きな『異次元』のという言葉をつかってもいいので)増額が必要なのだ。
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