山田太一さんが亡くなった。山田さんは私の師である。もちろん私が勝手に思っているだけで、会ったこともない。しかし山田太一さんのドラマはどれだけ私に影響を与えたであろう。テレビのシナリオライターにあこがれて、養成所に通ったりもした。つまらない脚本を何本か書いてみたりもした。いまだにテレビドラマや、映画が好きなのも山田さんの影響である。ご冥福をお祈りする。
何と言っても、『男たちの旅路』である。これを見たのはおそらく小学生の時だろう。大きな衝撃を受けた。テレビドラマという概念がいきなり広がった。こんなに人間の姿を生々しく描くことができるのかと興奮していた。
その後も『高原へいらっしゃい』、『岸辺のアルバム』、『緑の夢を見ませんか?』、『沿線地図』、『獅子の時代』、『シャツの店』など、本音を言えない時代の現代の苦しみと再生を描いてくれた。日本のテレビ界の大恩人である。
山田さんの影響は今でも日本のドラマに生きている。日本のテレビ界の偉大な恩人に改めて感謝したい。