名優ケイト・ブランシェットの主演映画『バーナデット ママは行方不明』を見ました。前半はケイト・ブランシェットを使っただけで満足した中身の乏しい映画なのかなと、思ってしまいましたが、後半になると、生き方を考えさせる映画であることに気付き見入ってしましました。
シアトルに暮らすバーナデットは、かつては天才建築家としてもてはやされていました。しかし裏切もあり、人間嫌いになっています。家族(夫と娘)以外とはできるだけ接触を断ち、接触してしまうとトラブルを生みます。精神的には追い詰められ、神経の薬もたくさん飲んでボロボロになっていきます。
夫のエルジーは一流IT企業に勤めています。妻のことを大切には思っているのですが、妻がそこまでひどい状態だということには気が付いていません。気付いた時には大変なことになっていました。
バーナデットにとっては娘のビーしか心を許せる相手はいません。二人はお互いに助け合いながら生活しています。ビーが南極への家族旅行を提案したことから、さまざまなトラブルが生じます。精神病院に行くことになったバーナテッドは、ひとりで南極へと旅立ちます。
自分の一番輝かしい時代があると、その人はそれが自分だと思います。いつまでも過去の輝かしい時代を引きずって生きることになります。しかしそこで裏切りなどがあると、その落差に耐えられなくなります。精神は崩壊し、そこから立ち直ることはとても難しい。しかしバーナテッドは自分で前を向くことを選びます。それは嫌っていた隣人を頼ることから始まったのです。そのターニングポイントが一番の見所です。
私自身も精神的は厳しい時がたくさんあります。周りにもたくさん苦しんでいる人がいると思います。そんな苦しみから立ち直るきっかけを与えてくれる映画でした。
後味にいい映画でした。