映画『すばらしき世界』を見ました。殺人の罪でつかまり、懲役を終えた男は、まっすぐではあるが、短気であるためにトラブルが絶えない男でした。そんな男が社会になんとか溶け込もうとする姿を描いた映画です。不器用な男が生きにくい世の中でもがいている姿が泣けてきます。
監督 西川美和
原作 佐木隆三
出演者 役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美、梶芽衣子、橋爪功
主人公三上はまっすぐな男です。しかし気が短い。自分の妻を守るためにまっすぐに戦います。しかしやりすぎてしまいます。その結果殺人を犯してしまいます。一見正当防衛にも見えますが、やりすぎてしまったために殺人と判決されます。そんな男だから刑期を終えて刑務所から出てきても、トラブルがやみません。まっすぐなのでみんなから愛されます。だからみんなが心配します。しかし心配した通りの失敗を繰り返すのです。彼にとって生きることは涙ぐましい努力が必要なことなのです。
人間は誰もが不器用にできています。思い通りにならない中で必死にもがいています。自分をごまかし、我慢に我慢を重ねて、時には悔しくても逃げながら、そんな逃げている自分に唾を吐きながら必死に毎日を生きてるのです。生きていることの重みを感じる映画でした。
名作です。