まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Will - Can = Must

2010-05-19 12:46:00 | お仕事のオキテ
このあいだの日曜日、キャリアカウンセラーのスキルアップ研修を受けてきました。
キャリアカウンセラー (正確にはCDA、キャリアディベロップメントアドバイザー)
の資格を維持するためには、
定期的に研修を受けてポイントをためておかなくてはいけないのですが、
このところサボり気味だったので、久しぶりに一念発起です。
「ホランド理論をやさしく学ぶ!!」 というテーマだったので、
理論好きの私としては重い腰をあげやすかったといえるでしょう。
講師は弓ちひろ先生とおっしゃる方で、私は初めてお会いしましたが、
とてもクリアな説明で、お話を聞いていると頭の中がすっきり整理されていくようでした。

ホランドという人は、人間には6つの特性があり、
仕事にも同じ6つの特性がある、ということを理論化した心理学者です。
自分のタイプに合った仕事を選ぶことができると、
働いていて充実感を感じることができ、不適応をおこさずにすむという、
キャリアカウンセリングの世界では有名なマッチング理論を打ち立て、
彼の理論に基づいていくつかのフォーマル・アセスメントが開発されています。
今回の研修ではそのうちの1つ、VPIというアセスメントを実際に行い、
それに基づいてどのようにカウンセリングを進めていったらいいかを、
グループ演習などを行いながら学んでいきました。

で、ちょうどその翌日、月曜日の1限に 「キャリア形成論」 という授業があり、
私が担当する回だったので、
この研修会で弓先生から聞いたことを2つほど、
さっそく学生たちの前で話してしまいました。
あたかも自分が考えたことであるかのように。
あいかわらず 「授業はパクってナンボ」 を実践中です。

パクリその1。
「自己分析は1度やっておしまいではダメです。
 少なくとも1年に1回はやるようにしましょう。
 経験に伴って興味や価値観は変わっていくものです。
 人間は日々成長しているのです。
 変わりゆく自分をその時々把握するようにしましょう。」

弓先生のお話では 「アセスメントは年に1回やるようにしましょう」 という話でしたが、
それを授業の内容に合わせて、「自己分析」 に置き換えて話しました。
学生の場合、自己分析をさせても1年生の段階ではあまり書けない子が多いので、
今は書けなくても、次にやるときには書けることがたくさん増えているように、
学生生活を充実させて、いろいろ経験していこうね、
と話してあげると安心する子が多いため、その流れで上記の話を付け加えたわけです。
この話、けっこうヒットしたようで、
ワークシートで関連するコメントを書いてくれた学生がたくさんいました。

「毎年やってみるといいということだったので、
 この授業だけで終わらせずに、毎年これからもやってみたいと思った。
 1年後、2年後の自分がどのように変わっているのか、
 自己分析するのがすこし楽しみになった。」

うーん、素直ないい子たちだ。

パクリその2。
「Will - Can = Must
 なりたい自分(Will)から、今の私ができること(Can)を引いてあげると、
 課題、つまり、これから身につけなければいけないこと(Must)がわかってきます。
 課題を明らかにするためにも、常に自己分析をしておくようにしましょう。」

こちらはもう大ホームランでしたね。
この授業では「自分を成長させるために自分にちょっとだけ負荷をかけてみよう!」
と話しているのですが、この公式はまさにその負荷の説明になっているわけです。
「Will - Can = Must」と大きく板書しただけで、
みんな、なにあれ?、みたいな感じで興味津々で、
説明してあげたらものすごくうなずいて、一生懸命ノートを取っていました。

「will - can = must  ← その通りだと思いました。
 今は、差が大きいですが、これから縮めていきたいです。」

「will - can = must (4年間でやらなければならないこと)
 自己分析によって「自分がどういう人間であるのか」が明確に見えてきた結果、
 現在から未来にかけてやらなければならないことが浮かび上がってきて、
 一層情熱が湧いてきた。」

おおっ、300人相手の大講義で学生の情熱をかきたててしまうなんて、すごいじゃないですか。
最新の(昨日教わったばかりの)知識を受け売りしただけなのに、効果覿面、大成功です。
やはり研修というのは大事ですね。
弓先生、本当にありがとうございました。
また、バンデューラやシャインの理論などを教えにぜひ仙台までいらしてください

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4 コメント

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Unknown (ジェラ)
2010-05-19 18:19:59
たとえ、パクリであったとしても、生徒の興味を引く授業ならば、よかったと思います。実際に聞いて本当に感動しました。
今後も自己分析をやっておきたいです
こんばんは。 (ねこまた)
2010-05-19 21:38:41
28期のねこまた、です
(わかるでしょうか…?

このトシになると
日々、mustばかりが多くて。

ゆるーくゆるーく
can + want to ≒ want to be
くらいがいいなぁ(笑
ジェラさん、コメントありがとうございました (まさおさま)
2010-05-20 10:18:24
ジェラさんはあの授業を取ってくれている1年生ですね。
コメントありがとうございました。
まさか、1年生がこのブログを見てくれているとは思っていませんでした。
人間は忘れっぽいので、月曜日に考えたことを何度も思い出して、
大学生活を充実させていってください。
ねこまたさん、コメントありがとうございました (まさおさま)
2010-05-20 11:27:52
ねこまたさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございました。

> このトシになると日々、mustばかりが多くて。

ねこまたさんがおっしゃる must は、「将来の夢へ向けての課題」 という意味での must ではなく、
「日々こなさなければならない雑事」 という意味での must なのかなと理解しました。
その意味の must だとすると、私もまったく同感です。
自分の今後の人生をゆっくり考えるなんていう心の余裕はまったくなく、
あとからあとからやってくる急ぎの仕事になんとか対応するだけの毎日です。

> can + want to ≒ want to be

若者ではなく、いい歳になった大人には、この公式のほうがふさわしいかもしれないですね。
「できること」と「したいこと」を重ね合わせながら、「なりたい自分」になっていく。
素晴らしい。さっそくパクらせていただきます。
どうもありがとうございました。

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