長らく関わっていた岩波書店の 「高校倫理からの哲学」 シリーズが本日刊行開始となりました。
今日は第1巻 『生きるとは』 と別巻 『災害に向き合う』 が発売されました。
高校の 「倫理」 の授業で副読本として使えるような、
高校生にも読める哲学入門書を目指して執筆してまいりましたが、
はたしてその野望は達せられたのか、ご判断は読者の皆様に委ねることにしたいと思います。
私は別巻のほうに寄稿しています。
この企画自体は震災よりも前から始まっており、
私は第3巻 『正義とは』 に 「すべての人にあてはまる倫理はあるのか」 という一文、
というか一文ではすまず、本文と対話編を寄稿しており、来月あたりに刊行される予定です。
その執筆の最中、東日本大震災が発生してしまいました。
編者をはじめとして執筆者の中に東北在住の者が多かったこともあり、
震災を扱う別巻の企画がただちに持ち上がりました。
私としてはあまりの事態の大きさにまだ哲学的に把握しきれる段階ではないと考え、
寄稿を固辞していたのですが、もろもろの事情によりけっきょく一文を寄せることになりました。
科学技術に関する専門家は別にいらっしゃるので私は原発問題は担当せず、
もっと一般的に 「災害のとき人は何をなすべきか」 を論じました。
はたして高校生でも読めて、わかって、考えを深められる作品になっているのか、
ドキドキしながらその審判を待つことにしたいと思います。
もちろん高校生限定ではありませんので、大学生や看護学生、
そして、てつカフェの参加者の皆様にもぜひご一読いただければと思います
それにしても、きょうは、まじめですね。
ぼくはいつもまじめですよ。
これが本来の姿です。
ここでチャラけたらN江さんはいいとしてもO田さんに睨まれてしまいます。
一気にハードルを上げてくださってうれしいかぎりです
震災直後に、しかも高校生にもわかるようになんて、一面的な意見しか書けないだろうと思って、
当初固辞していたわけですが、結果的にはやはり一面的な意見しか書けなかったような気がします。