まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

小説→映画 『植物図鑑』

2016-06-27 23:27:10 | 性愛の倫理学
またまた義弟からチケットをもらって映画 『植物図鑑』 を見てきました。
そのいただいたチケットというのがこれです。



映画のチケットらしくないサイズですよね。
フツーはもっと細長いでしょ、映画のチケットって。
これは縦横比が映画のポスターやチラシと同じです。
こちらがポスターの画像ですけど、



比率もデザインも同じような感じです。
ただし、一番下の部分の文字情報がポスターに比べてチケットのほうは明らかに少ないです。
なぜならばこのチケットはものすごく小さいからです。
比較してみました。



BOOK・OFF のメンバーズカードと同じ大きさです。
つまり、銀行のカードやクレジットカードやテレホンカード (死語?) などと同じ大きさなのです。
フツーの映画チケットを半分に切ったくらいの大きさと言えばいいんでしょうか?
昨年まではこんな感じだったはずですが、いつの間にこんなふうになってしまったんでしょうか?
材質は紙ですが、ポイントカードを意識しているんでしょうか、
フツーのチケットよりも厚めの紙が使用されています。
そして、これは映画館で渡すと番号を控えるだかQRコードをチェックするだかして、
そのまま返してもらえます。
もはや映画の半券というようなシステムではないのですね。
うーむ、時代の進歩についていけないぞ。

さて、今回の映画ですが、義弟から有川浩原作の 『植物図鑑』 を撮っているという話は聞いてて、
現場に有川浩が来て話をした (取材を受けた?) なんていう話も聞いていて、
あー羨ましいなあなんて言ってるうちにどうしても気になってしまって、
原作を買って読んでしまったのでした。
せっかく読んでいなかったんだから、映画を先に見ればいいのに、
原作読んだあとに映画を見ると失望するのはわかっていたはずなのに、
どうしても映画の公開を待ちきれなくて原作を先に読んでしまったのでした。

小説は簡単にまとめると、恋愛や肉体関係に陥らないままルームシェアリングする男女が、
一緒に野草を採りに行ったり野草料理を食べたりしているうちに次第に恋が芽生えるのだが、
実は男には秘密があった…、といった内容です。
いかにも有川浩らしい純愛物語です。
男女の友情とかまったく信じていないし、野草とかもまったく興味ないので、
有川浩の小説にしては珍しく共感ポイントは少なかったんですが、
それでも面白く一気に読まされてしまいました。
野草料理のレシピがたくさん出てきて、しまいにはちょっと食べてみたいかもと思わされるくらい、
料理や食事、その他フツーの生活のシーンがみごとに描かれていました。

これをどう映画化するのか?
といってもこの通りに映画化するしかないんだろうなあと思っていました。
あらかじめ公式サイトやもらったチケットを見て、
主演の2人はちょっと小説読んで抱いていたイメージと違うなあとは思いました。
今回の主人公を演じた2人の俳優さんを私はまったく初めて見ましたが、
読んだかぎり、ヒロインはこんなに可愛らしい感じではなく、
もっとしっかりした、年上のお姉さんっぽい感じの女性であってほしいし、
逆に男はもうちょっと線の細い、草食系を前面に押し出した感じなんだけどなあと思っていました。
そういう2人が、一緒に暮らしていくうちにだんだん関係性が逆転していく、
というのが私が小説から受けた印象だったのです。

映画を見てみたところ、
むしろこの2人の俳優さんに合わせて2人の設定が変更されている感じがしました。
そして、それは成功だったんではないでしょうか。
原作のほうは日々の生活の話が淡々と進んでいくんですが、
たしかにそれはそのままでは映画になりづらいだろうなあと思っていたところ、
前半はちょっとした設定変更ぐらいですまされていたものの、
後半はだいぶ話に手が入れられていて、ある種ドラマチックな盛り上がりを見せてくれました。
そうやって盛り上げるためにも、2人の人物設定は主演の2人に合わせて変更されていて、
ちょうどよかったのではないかと思います。
ですので、今回は私のキライな原作小説 → 映画の順番になってしまいましたが、
映画に失望することはなく、原作とは違うなあとは思いながらも、
映画は映画で原作とは別の作品として楽しく見ることができました。
ヒロインの可愛さはそれはそれでとてもいい感じでしたし、
男優さんのほうも何かの3代目の方ということで、お父様もお祖父様も俳優でいらっしゃるのか、
初主演とは思えない手慣れた演技を見せてくれていました。
料理もどれも美味しそうに撮れていましたし…。
これはオススメですので、ぜひご覧になってみてください。

そして、いつも照明技師である義弟からチケットをもらいながら、
照明のことなんかまったく忘れて映画が描く物語に没入してしまいがちなんですが、
『イニシエーション・ラブ』 とか 『天空の蜂』 とか…)
今回はほとんどアパート (公営住宅っぽい) のなかのシーンばかりということで、
久々に 『陽だまりの彼女』 以来、照明のことを気にしながら映画を見続けることができました。
私、まったく映画には素人ですし、照明のことなど1ミクロンもわかりませんが、
それでも義弟には 「グッジョブ」 と言ってあげたいです。
部屋に差し込む朝の光や昼の日差しや夕陽、夜の蛍光灯の下でのやりとりなど、
とてもこれらが人工的に作られているとは思えない自然さのなかで、
物語が穏やかに進行していってくれていました。
照明の仕事って、照明が人工的にがんばっていることを気づかれてはいけない仕事で、
それって雑草のような仕事だよなあと思いました。
まあ、昭和天皇によると雑草という名の植物はないんだそうですが、
でもフツーはやっぱり雑草のことをいちいち気にしたり名前を覚えたりしないですよね。
もしもこのブログを読んで気になったら名前、覚えてあげてください。
木村匡博 (まさひろ) と言います。
今回は違いましたが、堤幸彦監督とよく一緒に仕事させていただいています。
次回作も堤幸彦監督作品の 『真田十勇士』 だそうです。
照明技師の雑草のような仕事を見届けようと思ったら、やはり劇場で見たほうがいいでしょう。
(いや、よくわからずにテキトーなことを言ってるだけですが…)
『植物図鑑』 はフォーラム福島では7月半ばまでの上映のようです。
チェケラッ


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