まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.電車の中でジャンプしても、なぜ置いていかれないのですか?

2017-04-30 01:03:11 | 哲学・倫理学ファック
相馬の看護学校の授業はすでに4週目を終えたところです。

なんかあっという間ですね。

さて、3週目の授業が終わったときにいただいた質問にお答えしておきましょう。

3週目は 「死んだらどうなるのか」 がテーマでした。

第1回目の授業のときにも 「先生は死んだらどうなると思いますか?」 と聞かれていましたが、

第3週目が終わったときも次のように質問してくれた方がいらっしゃいました。

「Q.先生は死が恐いでしょうか?」

これに関してはすでに書いたことがありますので、そちらを読んでみてください。

  「Q.死ぬときはどんな感じですか?」

  「Q.人は死んだらどこへ行くのだと思いますか?」

さて、授業ではなぜ人間は死んだらどうなるのかと考えてしまうのかということを説明し、

「心の慣性の法則」 というまさおさま仮説をご紹介しました。

それを聞いた方から次のような質問をいただきました。

「Q.慣性の法則で電車の話になった時に、慣性の法則がはたらくなら、

   電車の中でジャンプしたら、自分は置いていかれるはずなのに、

   なんで置いていかれないのかが疑問に残りました。」

ええーっ、今さらですか?

これって中学か高校で初めて慣性の法則のことを教えてもらったときに真っ先に思いつく質問で、

それには中学か高校の理科の先生がきちんと答えてくれませんでしたか?

ていうか、このことを説明するためにこそ慣性の法則ってあるんですけれど。

Yahoo! や Google で慣性の法則のことを調べようと思って、

検索ウィンドウに 「かんせいのほうそく」 と打ち込むと、

自動的に 「慣性の法則 電車 ジャンプ」 っていう選択肢が表示されるくらい、

誰もが一度は疑問に思う定番の質問なのです。

まあ、教えてもらっていないんじゃあしょうがないのでまさおさまが教えて進ぜましょう。

授業中にも説明したように、電車が出発する前は電車も乗客も静止していますから、

止まっているものはずっと止まり続けようとするので、

電車が電気エネルギーを使って動き始めると、

そこに乗っている人間は元の位置にとどまり続けようとして、

うしろに引っ張られるような力を受けます。

しかし乗客は踏ん張ることによって電車の動きに同調しますから、

すぐに電車と同じスピードで動いていくことになります。

この際、乗客は自分の足で電車と同じスピードで走ったりする必要はありません。

なぜなら慣性の法則があるので、一度動き始めてしまえば、

何の力も加えなくてもそのとき動いているスピードでずっと動き続けることができるからです。

まあ、そうでないと次の駅まで電車で移動するなんて不可能になってしまい、

何に乗っていても自分で走らなきゃいけないことになってしまいますよね。

電車が時速100kmで移動しているとするならば、

その乗客も時速100kmで移動していることになります。

外から力が加わらないかぎり、乗客はそのまま時速100kmで動き続けることになります。

それが慣性の法則です。

したがって、そのときにジャンプすると、

本人的には真上に飛び上がって真下に下りてきたように思っても、

実は電車の進行方向に時速100kmのスピードで進みながら上に飛んで下に下りてきているので、

例えば1秒間ジャンプしていたとするならば、

飛び上がり始めた地点よりも約28m先の地点に着地するわけです。

電車も同じスピードで走っていますので、けっきょく電車の車内で考えるならば、

飛び上がり始めた地点と着地した地点は同じということになるのですが、

外から見るならば、電車も乗客も飛び上がり始めた時点と着地した時点では、

28m前方に進んでいることになります。

これはまさに慣性の法則によるところなわけです。

いかがでしょうか、これでご納得いただけたでしょうか?


もっとスゴイことを教えてあげましょう。

実は電車になんか乗らなくても、あなたは今現在激しく慣性の法則の影響を受けています。

だって地球は自転しているんですもの。

そのスピードったらハンパないですよ。

赤道は約40,000km、それが24時間で1周しちゃうんですから、

だいたい時速1,700kmでグルグル回っています。

日本の場合、北緯35度くらいなので赤道ほど速くはありませんが、

それでも時速1,400kmくらいで自転しているそうです。

すると私たちはジョギングしたり電車に乗ったりしなくても、

ただベッドでグーグー寝ているだけで常に時速1,400kmで動き続けているわけです。

秒速にすると400m弱。

もしも慣性の法則がなかったとするならば、

私たち日本人はジャンプするたびに400mくらい西にすっ飛ばされてしまうことになります。

慣性の法則さまさまですね。

私たちは産まれた瞬間から今日までずっと、実は時速1,400kmで移動し続けているわけです。

そんなマッハのスピードで動いているなんて感じたことありませんね。

それもこれもすべては慣性の法則のおかげです。

というわけで今回は以下のようにまとめておきたいと思います。


A.私たちは動いているものの上に乗っているときには、慣性の法則のおかげで、

  その動いているものとまったく同じスピードで動き続け、

  しかもそのスピードを感じずにすみますので (本人的には止まっているのと同じこと)、

  時速100kmの電車に乗っていようが、時速1,400kmの地球に乗っていようが、

  置いていかれたりすることはありませんのでご心配なく。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-01-07 22:35:33
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