スティーブン・コヴィーの 『7つの習慣』 という本は、
ビジネス書とか自己啓発本なんかの中でもめちゃくちゃ売れまくっている本ですが、
私はずっと敬遠していたんです。
タイトルがダメでしたね。
「習慣」 というのはカントの倫理学と真っ向から対立する概念なんです。
その点については近々カントに関するカテゴリーを立ち上げてゆっくり論ずるつもりですが、
とにかくカント・ラブの私は、カント倫理学に引きずられて、
「習慣」 について語るやつなんてロクなもんじゃないという偏見をもっていたわけです。
ところがこのたびたまたまある事情があって (これについてもそのうち書きます)、
この本を読むことになったんです。
そもそも私はビジネス書とか自己啓発本のたぐい全般をかつては毛嫌いしていたのですが、
幸せの倫理学とかキャリアのこととかを考えるようになって、
最近ではけっこういろいろ読むようになりました。
しかし、それら類書に比べてみても、
この 『7つの習慣』 はずば抜けて優れた本だと言えるでしょう。
読む前は完全になんかのハウツー本だろうと思っていたんです。
ビジネスを成功させるために毎日やるべき7つの習慣とかが
エラそうに書かれているんだろうな、と。
全然ちがいました。
むしろこれはカント倫理学をわかりやすく説いた本だと言ってもいいかもしれません。
(ああ、今世界中のカント研究者を敵に回したかも…)
さて、コヴィー氏が説く7つの習慣のうちの第1の習慣は、
「主体性を発揮する」 です。
これは 「自己責任の原則」 とも言いかえられています。
「自己責任」 って最近、新自由主義の文脈でひどい意味で使われるようになっていますが、
ここでいう自己責任はそういうことじゃなくて、
「問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である」
ということを意味しています。
つまり、問題は外から自分に降りかかってくるものと考えるのではなく、
自分はすべての問題に対して主体的に対処することができるのであり、
その責任を引き受けよ、ということです。
これは私の 「幸せの倫理学」 とも合致する考え方でしたし、
たぶんカント倫理学の自由概念とも両立するのではないでしょうか (ああ、また…)。
コヴィー氏は 「すべての問題は影響できる」 と言い、
私たちが直面する問題を3種類に分類することを提案しています。
・直接的にコントロールできる問題 (自分の行動と関係している問題)
・間接的にコントロールできる問題 (他人の行動と関係している問題)
・全くコントロールできない問題 (誰も影響できない問題、過去の出来事など)
第1のグループは当然、自分の行動で影響できます。
第2のグループは、自分が他人に影響を及ぼすことによってコントロールできます。
第3のグループにも、自分の態度を変えることによって影響を及ぼすことができるのです。
つまり、笑顔をつくり、穏やかな気持ちでそれを受け入れればいいのです。
これは私のモットーのひとつ、
悩んでもしょうがないことに悩まない、とまったく同じではありませんか。
コヴィー氏は、本書の中でアルコール依存症連合会の座右の銘を引用していました。
これはけっこうヒットしました。
「主よ、変えるべき変えられることを変える勇気を、
変えられないことを受け入れる平和を、
そして、その区別をつける知恵を与えたまえ」
若い人たちを見ていると、
悩んでもしょうがないこと (コントロールできない問題) に悩んでいる人を
たくさん見かけますので、
3種類の問題を区別する知恵というのがまずは大事だなと思いました。
ビジネス書とか自己啓発本なんかの中でもめちゃくちゃ売れまくっている本ですが、
私はずっと敬遠していたんです。
タイトルがダメでしたね。
「習慣」 というのはカントの倫理学と真っ向から対立する概念なんです。
その点については近々カントに関するカテゴリーを立ち上げてゆっくり論ずるつもりですが、
とにかくカント・ラブの私は、カント倫理学に引きずられて、
「習慣」 について語るやつなんてロクなもんじゃないという偏見をもっていたわけです。
ところがこのたびたまたまある事情があって (これについてもそのうち書きます)、
この本を読むことになったんです。
そもそも私はビジネス書とか自己啓発本のたぐい全般をかつては毛嫌いしていたのですが、
幸せの倫理学とかキャリアのこととかを考えるようになって、
最近ではけっこういろいろ読むようになりました。
しかし、それら類書に比べてみても、
この 『7つの習慣』 はずば抜けて優れた本だと言えるでしょう。
読む前は完全になんかのハウツー本だろうと思っていたんです。
ビジネスを成功させるために毎日やるべき7つの習慣とかが
エラそうに書かれているんだろうな、と。
全然ちがいました。
むしろこれはカント倫理学をわかりやすく説いた本だと言ってもいいかもしれません。
(ああ、今世界中のカント研究者を敵に回したかも…)
さて、コヴィー氏が説く7つの習慣のうちの第1の習慣は、
「主体性を発揮する」 です。
これは 「自己責任の原則」 とも言いかえられています。
「自己責任」 って最近、新自由主義の文脈でひどい意味で使われるようになっていますが、
ここでいう自己責任はそういうことじゃなくて、
「問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である」
ということを意味しています。
つまり、問題は外から自分に降りかかってくるものと考えるのではなく、
自分はすべての問題に対して主体的に対処することができるのであり、
その責任を引き受けよ、ということです。
これは私の 「幸せの倫理学」 とも合致する考え方でしたし、
たぶんカント倫理学の自由概念とも両立するのではないでしょうか (ああ、また…)。
コヴィー氏は 「すべての問題は影響できる」 と言い、
私たちが直面する問題を3種類に分類することを提案しています。
・直接的にコントロールできる問題 (自分の行動と関係している問題)
・間接的にコントロールできる問題 (他人の行動と関係している問題)
・全くコントロールできない問題 (誰も影響できない問題、過去の出来事など)
第1のグループは当然、自分の行動で影響できます。
第2のグループは、自分が他人に影響を及ぼすことによってコントロールできます。
第3のグループにも、自分の態度を変えることによって影響を及ぼすことができるのです。
つまり、笑顔をつくり、穏やかな気持ちでそれを受け入れればいいのです。
これは私のモットーのひとつ、
悩んでもしょうがないことに悩まない、とまったく同じではありませんか。
コヴィー氏は、本書の中でアルコール依存症連合会の座右の銘を引用していました。
これはけっこうヒットしました。
「主よ、変えるべき変えられることを変える勇気を、
変えられないことを受け入れる平和を、
そして、その区別をつける知恵を与えたまえ」
若い人たちを見ていると、
悩んでもしょうがないこと (コントロールできない問題) に悩んでいる人を
たくさん見かけますので、
3種類の問題を区別する知恵というのがまずは大事だなと思いました。
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