chapter#54 永遠の敵
ニンフ、つなり異性の中の片方の特性を持つ存在は懸命に生きようとするものにとって永遠の敵であり続ける。どれだけ理性を保とうとしても、ニンフを前にしては、理性はひん曲げられてしまう。
ボク等は、ほんとうは、人生の中で立った一度のほんもののアンドロギュノスとの出会いだけでよいのに、むき出しの性器としての若き妖精であるニンフに誘惑される。ニンフがそれという風に思っていなくとも、能無しのボクは愛撫する主体としてニンフに理性を捻じ曲げられる。
永遠の敵。それが一時的な快楽しかもたらさないということは、何度も繰り返し、ここで述べてきたことではあるが、一時的快楽は、理性を取り戻す上で重要な役割を果たすということもこの論説のなかで何度も述べてきた。
永遠の敵。言い方をかえれば、本物でないものということになるであろう。ことニンフの議論に終止符を打てないということはわかっていながらもうとうとするなら、頭の中にいかにも美しい黄金色の花畑をもたらす存在とでも言えるだろうか。
花畑、美しいもの。そんなものだけが人生の本質ではない。だからこそ、ボクはニンフの存在に頭を悩ませるのであろうし、また逆説的でもあるが、何かを期待して、ニンフをまた阿呆面をして追い求めてしまうのであろう。
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ボク等は、ほんとうは、人生の中で立った一度のほんもののアンドロギュノスとの出会いだけでよいのに、むき出しの性器としての若き妖精であるニンフに誘惑される。ニンフがそれという風に思っていなくとも、能無しのボクは愛撫する主体としてニンフに理性を捻じ曲げられる。
永遠の敵。それが一時的な快楽しかもたらさないということは、何度も繰り返し、ここで述べてきたことではあるが、一時的快楽は、理性を取り戻す上で重要な役割を果たすということもこの論説のなかで何度も述べてきた。
永遠の敵。言い方をかえれば、本物でないものということになるであろう。ことニンフの議論に終止符を打てないということはわかっていながらもうとうとするなら、頭の中にいかにも美しい黄金色の花畑をもたらす存在とでも言えるだろうか。
花畑、美しいもの。そんなものだけが人生の本質ではない。だからこそ、ボクはニンフの存在に頭を悩ませるのであろうし、また逆説的でもあるが、何かを期待して、ニンフをまた阿呆面をして追い求めてしまうのであろう。
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