中日新聞の日曜版「おじさん図鑑」に「恋しや、どぜう」というタイトルで、飛島圭介さんがエッセイを書かれていました。
ごく若いとき、人に連れられて、おじさんは初めてドジョウを食べた。
師走の寒風が吹きすさぶ頃だった(昔の十二月は今よりも寒かったような気がする)。
生まれて初めてのドジョウ鍋に、「世の中には自分が知らないうまい食べ物があるものだ」といたく感心した。
以来、寒くなるとドジョウ鍋で熱かんのお酒を一杯やりたくなる(春夏秋冬それぞれにも同様の思いが湧き上がる。要するに年がら年中だ)。
その店では「ドジョウ」を江戸期伝来の「どぜう」と表記する。
この「どぜう」のほうが何となく粋な感じがしませんか。
店は葦簀(よしず)が敷き詰められた広間に、細長い板が渡されている。
客はその前に並んで座り、連れと向き合ってどぜう鍋をつつくのである(もちろんひとりで楽しむおじさんのような人もいる)。
小ぶりの鉄鍋にタレと湯がいたどぜうを入れ、炭火で煮たたせる。
ネギだくさんの熱々のどぜうをフーフー息を吹きかけて口に入れ、熱かんをグイッと飲む(冷や酒でも可)。
すると冬でも額から汗がしたたり落ちるほど体が温まるのだ(ああ、書いているうちにたまらなく、どぜうが恋しくなった)。
以上です。
昔若い頃、会社の先輩と会社の近くの料理屋さんに入ったことがあります。
メニューにドジョウ鍋が書かれていました。
>小ぶりの鉄鍋にタレと湯がいたどぜうを入れ、炭火で煮たたせる。
これって生きたドジョウをそのまま鍋に入れるのでは?
会社の先輩はドジョウ鍋を注文され、私は味噌カツ定食を注文しました。
ドジョウ鍋が出て来ました。
私はちょっと見しただけで、見る気がしませんでした。
何匹も入っているドジョウの姿を見ながら食べるなんて、私には出来ないですね。
いくら美味しくても。
The Beatles - I Want To Hold Your Hand - Performed Live On The Ed Sullivan Show 2/9/64