がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

少数意見の尊重はなぜ必要か

2012年12月16日 | Weblog
2012年12月15日 00時05分35秒

現在担当している中学3年生の期末テストの社会(公民)で次のような問題が出題された。



問題:民主政治では、最終的に多数決で決定されることが多いが、その場合は、少数意見を尊重することが求められる。その理由を、「反対の意見」の語句を使って書きなさい。



模範解答:反対の意見を持つ少数の人は、多数の意見に従わなければならないから。




中学生のお子さんがいればご存知かと思うが、中学校では、教科書に関連した問題集(ワーク)というものが配られ、定期テストでは、その中から問題が出されることが多い。



上記の問題もワークに載っていた問題で、私が教えている生徒も予めそのワークを勉強していた。しかし、この模範解答に納得できなかった私は、正しい考えが何かわかるのであれば、そもそも多数決をする必要はないこと、憲法は価値相対主義という考えを採っていること等をホワイトボードに色々と書きながら教えた。



そう教えられた我が生徒は、上記問題に対し、期末テストで、「多数派の意見が正しく、反対の意見が間違っていると決まっているわけではないから。」と解答した。



私が採点者なら○だが、学校の先生は×を付けた。他にも4人、我が生徒とほぼ同じ内容の解答をして×をもらった生徒がいたらしく、皆で、学校の先生になぜ×なのか聞きに行ったらしい。そこでの先生の回答は「ワークの模範解答のように解答して欲しかった。」とのことだったそうである。



伝聞であるので、本当に学校の先生がそう説明したのかはわからない。しかし、本当にそう説明したのであれば、先生として適格性に問題が生じるように思う。



×なら×で構わないが、先生であればなぜそれが×なのかを説明出来なければならない。模範解答の正しさを噛み砕いて説明出来なければならない。



私は後日、「君の解答は間違っていなかったと思うよ。(それは即ち私の説明が間違っていなかったとの弁明でもあるのだが。)」と以下の判決文をコピーして生徒に渡した。




昭和53年05月24日 札幌高等裁判所判決



 「議会制民主主義は、全国民の意思を代表する議会が三権分立主義を基調とする国家統治機構の中で、他の機関の行為の準則を定める立法権を行使する政治体制を指称するが、議会は、多数決の原理によつて運営され、右原理に基いて決定された議会の意思が政治的には国民多数の意思であるとされ、法的には国家意思とされる。国民多数の意思としての議会の意思は、その時々の歴史的、社会的状況に応じて一定の選択を採る。しかし一つの選択への固執は許されない。一つの選択への固執は各個の国民が個人として尊重されるべきことと矛盾する。多数の名においてある一つの選択への固執がなされたとき、仮令それがいかなる目的、いかなる動機のもとになされるにせよ、民主主義は終焉する。民主主義が生きていると言い得るためには、異なつた選択への可能性が常に留保されていなければならない。今日の少数意見は明日の多数意見となる可能性を秘めるものであり、異つた選択の可能性を保障するものである。民主主義のもとで少数意見が尊重されなければならない根本理由はここに在る。少数意見の尊重されない民主主義は真の民主主義ではない。」( http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/D0363A2D441A7E2449256CFA00060690.pdf )


PC遠隔操作:「認識不足が要因」誤認逮捕で検証結果公表

2012年12月16日 | Weblog
2012年12月14日 23時55分24秒

http://mainichi.jp/select/news/20121215k0000m040110000c.html



毎日新聞 2012年12月14日 21時57分(最終更新 12月14日 23時37分)



「パソコン(PC)の遠隔操作などで犯罪予告が書き込まれた事件で4人が誤認逮捕された問題で、警視庁、大阪府警、神奈川・三重の両県警は14日、検証結果を公表した。神奈川県警は「無実の少年をことさらに困惑させた可能性がある」と不適切な取り調べを認めた。警察庁は一連の誤認逮捕に共通の要因として、遠隔操作の可能性についての認識不足があったと指摘。捜査員の知識の底上げなどを全国の警察本部に指示した。

 神奈川県警は検証結果で、誤認逮捕された男性(19)が再聴取に対し、「否認をしたら検察官送致されて、『院(少年院)』に入ることになる」などと取り調べで言われたと話したことを明らかにした。そのうえで、「取調官の言動は、不安を助長させ、自供を強いられているように受け止められた可能性がある」と問題点を認めた。

 警視庁は、男性(28)の供述に「秘密の暴露」に当たる自白がなかったことや、供述内容の変遷があったことに言及。「自白の真偽を慎重に検討すべきだった」とした。大阪府警は「男性(43)の供述に対する掘り下げが十分とは言えなかった」とし、三重県警も「男性(28)を犯人でないとする方向性の検討を十分に行わなかった」と認めた。

 また4都府県警はいずれも、遠隔操作による犯罪予告事件の前例が国内でなかったことから、その手口を想定せず、第三者の犯行であることを見破れなかったことを認めた。

 検証結果を受け、警察庁は(1)IPアドレス(ネット上の住所)を過大に評価し、他の証拠による裏付け捜査が徹底されなかった(2)捜査部門と情報通信部門の連携が不足していた(3)不自然な供述の信用性に十分な検討がなかった--などの反省点を指摘。捜査員のサイバー犯罪に関する知識の向上や、部門間の情報交換、犯行の可能性を吟味する捜査などを指示した。また神奈川県警に誤認逮捕された男性が少年であることを踏まえ、「容疑者が少年の場合、精神的に未熟であるため、不安や困惑に陥りやすいことにも注意する」とした。【村上尊一】」



ほとんどの国民が知ってる通り、こんなのは氷山の一角で、毎日毎日無辜の国民が密室で犯罪者に仕立て上げられている。



知識を向上させるとかさせないとかの問題じゃないんだよ。



人権教育のされていない、人権感覚の備わっていない警察官・検察官が密室で取り調べてるのが問題なんだよ。



自白しないと身柄を拘束し続ける人質司法が問題なんだよ。簡単に勾留延長を許可する裁判所が問題なんだよ。


経団連会長、安倍氏に謝罪 「全面的に経済政策を支持」

2012年12月16日 | Weblog
2012年12月13日 13時58分30秒

http://www.asahi.com/politics/update/1213/TKY201212130295.html



「「全面的に安倍総裁の経済対策を支持している」

 自民党の安倍晋三総裁の経済政策を批判していた経団連の米倉弘昌会長が12日、一転して安倍氏に電話で支持を伝えた。衆院選で優勢とされる自民党に財界トップが異例の「おわび」を入れた形だ。安倍氏が記者団に明かした。

 米倉氏は10日の記者会見で、安倍氏がテレビ番組で消費増税に慎重と受け取れる姿勢を示したことに「自民党総裁としては、ふさわしい発言だったのか」と批判していた。安倍氏によると、米倉氏は電話で「真意は批判ではない。迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪。安倍氏は「選挙中でもあり、慎重にご発言いただきたい」と応じたという。

 米倉氏は11月26日にも安倍氏の金融緩和策を「無鉄砲」と批判。安倍氏は翌日、経団連幹部が謝罪したことを明かし、「間違った認識は正しておく必要がある」と語っていた。 」



どこどう読んだって批判だったじゃねえか。節操ねえな。



次期総理が濃厚な安倍に取り入って、利益を得ようって魂胆だよね。



金儲けのためには、信念なんか持たないことが大事っていうことを教えてくれるよね、米倉センセイは。



こんな奴に政治家を批判する資格があるのかね。

〈障害があっても:4〉2氏に聞く

2012年12月16日 | Weblog
2012年12月11日 00時13分17秒

http://digital.asahi.com/articles/TKY201212070132.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201212070132



朝日新聞デジタル配信記事



「日本の障害者雇用制度の課題はどこにあるのか。長く障害者の調査をしてきた松為信雄・神奈川県立保健福祉大教授と、SMBCグリーンサービス顧問で、社長時代に障害者雇用を約200人に倍増させた丸物正直氏に聞いた。(聞き手・石山英明)

■雇用率の決め方、見直しも/SMBCグリーンサービス顧問・丸物正直(まるものまさなお)さん

 日本には少なくとも750万人の障害者がいる。個人も企業もみんなで支えていかなければならない。ただ、障害者を受け入れる企業には、対応しなければならない多くの課題がある。

 たとえば来年4月から法定雇用率が1.8%から2.0%に上がる。これは簡単に対応できるものではない。

 我々の会社は、親会社の三井住友銀行から手形・小切手帳の作成などを受託している。親会社とグループの一部で従業員3万人として、0.2ポイントアップは60人分の障害者を新たに雇う必要があるということだ。仕事はどうするか。どこで受け入れるか。新しい建物を作るなら最低3年は必要になる。受け入れ準備には時間がかかるのだ。

 いま、議論の進んでいる精神障害者の雇用義務化には、反対の企業が多い。精神障害者を雇うノウハウがなく、法定雇用率がさらに引き上げられる心配もあるからだ。

 精神障害者の求職者の急増を考えると、将来的に、法定雇用率の決定方法の見直しも必要になるのではないか。「働きたい障害者がこれだけ増えたから法定雇用率もこれだけ上げます」という今の決め方では、いずれ企業の採用にも限界がくる。

 精神障害者を雇う時に直面する問題は、体調に波があることだ。長時間の勤務が難しい人も多く、離職率も高い。

 私の会社で、週30時間働いていた精神障害者が体調を悪くした時に、25時間勤務にしたら、0.5人分の雇用とみなされてしまった。たとえ20時間未満しか働けなくなっても雇い続けたいが、今の制度では、ゼロ人になる。果たしてこれでいいのだろうか。もっと柔軟な考え方も必要なのではないか。

 薬が良くなり、体調の波は小さくなったと障害者から聞く。信頼できる主治医や支援機関の人がいる障害者は波が小さい。この点は重要だ。これは主治医などと長年つき合っているかを聞くことでわかる。課題は多いが、ノウハウを蓄積し、1人でも多くの障害者に長期就労を目指してもらい、自立させたい。(談)

     ◇

 三井住友銀行から特例子会社のSMBCグリーンサービスに移り今年6月まで社長。現在、全国重度障害者雇用事業所協会副会長兼専務理事など。

 

■支える側、継続して育成を/神奈川県立保健福祉大教授・松為信雄(まついのぶお)さん

 日本の障害者雇用の取り組みと成果は、控えめに言っても世界の中で「先進国以上」というのが私の評価だ。

 法定雇用率制度が日本ではうまく機能している。終身雇用や年功序列はだいぶ崩れたとはいえ、雇った以上は何とか育てようという昔ながらの日本の企業風土が、根本ではまだ残っているからだ。

 加えて、特例子会社の存在がある。親会社の雇用率に合算できるこの子会社は、中小企業と同じようなきめ細かな雇用管理をできるところに最大のメリットがある。

 昔は中小企業が障害者雇用の中心だった。お互い顔の見える人間関係。俺が何とか育ててやるという情の深いおやじのような社長。じっくり人の面倒を見るノウハウを、大企業に持ち込んだのが特例子会社という見方すらできる。

 だが、大企業の宿命として、グループ内の人事異動がある。特例子会社を立ち上げた初代や支えた人材は、ものすごく熱い思いがあった。後を継ぐ人たちに、当初の思いをどう継承するかが大事だ。

 障害者のキャリアも真剣に考えるべき時期だ。係長、課長とポジションが上がる一般的なキャリアだけでは、障害者はうまくいかない。

 そこで、1人でいろいろな仕事をこなせる多能工化と、同じ職種での専門性向上による中核的な仕事へのステップアップの二つも評価して待遇を良くすることが考えられる。そして、それを親会社も含めたキャリアの中に位置づけることが重要だ。そうした取り組みを始める企業も出てきた。

 今後、精神障害者の雇用が義務化されると、医療機関が患者を雇用に結びつける必要がある。世界の潮流は、医師らが患者の住む地域にチームをつくって出て行って支援する方法をとることだが、日本の今の診療報酬体系では金が出ず、問題だ。

 障害者雇用はマンパワーで解決しないといけない部分がある。精神障害者は長期の支援が必要だし、発達障害は個人差が大きい。支える人材の育成と拡充も極めて重要であり、急務だ。(談)

     ◇

 東京福祉大教授などをへて現職。社会福祉学科長を務める。労働政策審議会障害者雇用分科会委員。日本職業リハビリテーション学会の前会長。

 

■キーワード

 法定雇用率 障害者雇用促進法は、企業に対して、従業員のうち一定の割合を障害者にするよう義務づけている。働くことを希望している障害者の数を考慮して、少なくとも5年に1度見直される。障害の重さや労働時間によっては、障害者1人を雇っても、ゼロとカウントされたり、0.5人分や2人分と見なされたりする。 」



丸物正直氏の考え方には極めて残念な思い。



『「働きたい障害者がこれだけ増えたから法定雇用率もこれだけ上げます」という今の決め方では、いずれ企業の採用にも限界がくる。』



随分簡単に諦めるんだね。利益は飽くなく追求するのにね。



被用者が60人増えるだけで、新しい建物が必要になるかね。極めて疑問。(小さな企業が60人雇用を増やすわけじゃないからね。天下の三井住友銀行の特例子会社だからね。)




法定雇用率の決定方法の見直しは必要ない。「働きたい障害者がこれだけ増えたから法定雇用率もこれだけ上げます」という今の決め方でいい。これが障害者側である私の意見。