2010年07月14日 23時37分42秒掲載
URL http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100714/stt1007142240012-n1.htm
「落選法相の残留に非難囂々 月給162万円もゲット
「参院選落選」という、これ以上ない民意を突きつけられながら、千葉景子法相(神奈川選挙区)が閣僚にとどまることに対し、党内外から批判が高まっている。千葉氏は菅直人首相に辞意を伝えたが、首相が強く慰留した。背景には千葉氏が辞任すれば、党内から内閣改造や党執行部の責任を問う声が激しくなりかねないことを懸念した「政局的打算」がうかがえる。(杉本康士)
「絶対理解されるはずがない。千葉氏は大臣として戦って負けた。国民感情にもとる。神奈川県民を愚弄(ぐろう)していることにもなる」
産経新聞の取材にこう憤るのは民主党の長尾敬衆院議員(大阪14区)。長尾氏のもとには支援者らから、今回の菅政権の方針に抗議の電話が相次いでいるという。
当然ながら自民党などの野党は「千葉氏は国民の審判を受けて落選した。法相としての存在意義をすでに失っている」(自民党首脳)と、批判のボルテージを上げる。
首相は13日夜、記者団に「大臣は議員である人が多いが、議員でなくても適任者であればなれる。千葉氏は法曹出身でもあり適任者だ」と、千葉氏の続投は問題ないとの認識を強調。社民党の福島瑞穂党首も14日の記者会見で、「選択的夫婦別姓を可能にする)民法改正と捜査の可視化を全力で実現していただきたい」と述べた。
もっとも、首相は「そう遠くない時期に(民主党)代表選もある」として、千葉氏の任期は9月5日実施で調整されている代表選後の内閣改造までとの見通しを示している。となれば、千葉氏の在任期間は1カ月以上あるというわけだ。
しかし、落選した閣僚が1カ月以上内閣にとどまるケースは過去に例がない。記録が残る昭和23年以降、衆参の国政選挙で落選後も閣内に残った閣僚は15人いる。だが、残留期間は第4次吉田茂内閣の林屋亀次郎国務相の27日間が最長だ。
千葉氏は閣僚のポストにいる間、月額162万7560円の給与を受け取り続けることになる。また、法相は死刑執行の署名や検察指揮権のほか、外国人の在留・永住許可など幅広い権限を有する。千葉氏は13日の記者会見で、「議員の立場ではないからといって、それ(法相の権限)に大きく反することはしない」との考えを強調した。だが、“適格性”を疑問視する声は収まりそうもない。」
産経の記事なので捨て置いておいてもいいのだが、産経に限らず、こういう考え方をする人間が日本には結構いるので、一言しておく。
まず、冒頭の「これ以上ない民意」の意味がさっぱりわからない。法務大臣の任免権が神奈川県民にあるとでも言いたいのだろうか。馬鹿の戯れ言としか言いようがない。
次に、引用されている発言を長尾敬衆院議員が本当に言ったとすれば、国会議員としての見識に欠けると言わざるを得ない。
さらに、「“適格性”を疑問視する声は収まりそうもない」ともあるが、法相としての適格性が、参議院議員選挙の落選という一事でもってなくなったと、どうしたら評価できるのだろうか。是非とも教えてもらいたい。言うまでもないことだが、参議院議員選挙は参議院議員としての適格性を問うことは出来るが、法務大臣の適格性を問うことは出来ない。参議院議員選挙で法務大臣としての適格性を問うことが出来ると言う人間がいるならば、何故、一地方自治体の有権者が、閣僚の適格性を審査出来るのかについての、法的・政治的根拠を説明してもらいたい。(そもそも、この記事を書いている産経の記者は「適格性」の意味すらわかっていないのだなと思う。国語の勉強を学校に戻ってし直すことをお勧めする。)
こういう馬鹿げた記事を読むと、「こういう記事を書く人間がマスコミにいるから、阿久根市長のようなモンスター市長が出てくるんだよな」と思う。
民主主義と多数決原理主義は別物であり、民主主義は、より正確に言えば、立憲民主主義である。民意でもって与えられる権利にも、奪える権利にも一定の限界がある。
立憲民主政について、ルール・オブ・ローについてもう少し勉強してから、記者になった方がいいのではないだろうか。
URL http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100714/stt1007142240012-n1.htm
「落選法相の残留に非難囂々 月給162万円もゲット
「参院選落選」という、これ以上ない民意を突きつけられながら、千葉景子法相(神奈川選挙区)が閣僚にとどまることに対し、党内外から批判が高まっている。千葉氏は菅直人首相に辞意を伝えたが、首相が強く慰留した。背景には千葉氏が辞任すれば、党内から内閣改造や党執行部の責任を問う声が激しくなりかねないことを懸念した「政局的打算」がうかがえる。(杉本康士)
「絶対理解されるはずがない。千葉氏は大臣として戦って負けた。国民感情にもとる。神奈川県民を愚弄(ぐろう)していることにもなる」
産経新聞の取材にこう憤るのは民主党の長尾敬衆院議員(大阪14区)。長尾氏のもとには支援者らから、今回の菅政権の方針に抗議の電話が相次いでいるという。
当然ながら自民党などの野党は「千葉氏は国民の審判を受けて落選した。法相としての存在意義をすでに失っている」(自民党首脳)と、批判のボルテージを上げる。
首相は13日夜、記者団に「大臣は議員である人が多いが、議員でなくても適任者であればなれる。千葉氏は法曹出身でもあり適任者だ」と、千葉氏の続投は問題ないとの認識を強調。社民党の福島瑞穂党首も14日の記者会見で、「選択的夫婦別姓を可能にする)民法改正と捜査の可視化を全力で実現していただきたい」と述べた。
もっとも、首相は「そう遠くない時期に(民主党)代表選もある」として、千葉氏の任期は9月5日実施で調整されている代表選後の内閣改造までとの見通しを示している。となれば、千葉氏の在任期間は1カ月以上あるというわけだ。
しかし、落選した閣僚が1カ月以上内閣にとどまるケースは過去に例がない。記録が残る昭和23年以降、衆参の国政選挙で落選後も閣内に残った閣僚は15人いる。だが、残留期間は第4次吉田茂内閣の林屋亀次郎国務相の27日間が最長だ。
千葉氏は閣僚のポストにいる間、月額162万7560円の給与を受け取り続けることになる。また、法相は死刑執行の署名や検察指揮権のほか、外国人の在留・永住許可など幅広い権限を有する。千葉氏は13日の記者会見で、「議員の立場ではないからといって、それ(法相の権限)に大きく反することはしない」との考えを強調した。だが、“適格性”を疑問視する声は収まりそうもない。」
産経の記事なので捨て置いておいてもいいのだが、産経に限らず、こういう考え方をする人間が日本には結構いるので、一言しておく。
まず、冒頭の「これ以上ない民意」の意味がさっぱりわからない。法務大臣の任免権が神奈川県民にあるとでも言いたいのだろうか。馬鹿の戯れ言としか言いようがない。
次に、引用されている発言を長尾敬衆院議員が本当に言ったとすれば、国会議員としての見識に欠けると言わざるを得ない。
さらに、「“適格性”を疑問視する声は収まりそうもない」ともあるが、法相としての適格性が、参議院議員選挙の落選という一事でもってなくなったと、どうしたら評価できるのだろうか。是非とも教えてもらいたい。言うまでもないことだが、参議院議員選挙は参議院議員としての適格性を問うことは出来るが、法務大臣の適格性を問うことは出来ない。参議院議員選挙で法務大臣としての適格性を問うことが出来ると言う人間がいるならば、何故、一地方自治体の有権者が、閣僚の適格性を審査出来るのかについての、法的・政治的根拠を説明してもらいたい。(そもそも、この記事を書いている産経の記者は「適格性」の意味すらわかっていないのだなと思う。国語の勉強を学校に戻ってし直すことをお勧めする。)
こういう馬鹿げた記事を読むと、「こういう記事を書く人間がマスコミにいるから、阿久根市長のようなモンスター市長が出てくるんだよな」と思う。
民主主義と多数決原理主義は別物であり、民主主義は、より正確に言えば、立憲民主主義である。民意でもって与えられる権利にも、奪える権利にも一定の限界がある。
立憲民主政について、ルール・オブ・ローについてもう少し勉強してから、記者になった方がいいのではないだろうか。