がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

発達障害の就労支援 ビジネスマナー伝授へ親奮闘

2009年11月11日 | Weblog
2009年11月10日 21時02分05秒記載

URL http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/life/911/li_091109.htm  



「発達障害の子供の就労を支えようと、母親たちが自らビジネスマナーの習得に奮闘している。人とかかわることが苦手なために職場でつまずくケースが多いことから、まず母親が接客などの基礎を学び、家庭で子供に教えていこうという試みだ。

 「その件に関しましては、えっと……」

 発達障害者の保護者で作る「たけのこ」のメンバー14人が、福岡市中央区の福祉施設「あいあいセンター」で開かれた電話応対のマナー研修で悪戦苦闘していた。

 20歳の長女が学習障害(LD)を抱える福岡市の母親(49)は、不在の同僚にかかってきた電話を取ったという設定に緊張し、たどたどしい受け答えになってしまった。

 「練習だから気にしないで。慣れれば大丈夫」。障害者雇用を支援する一般社団法人・JSマネジメントネットワーク(福岡県筑紫野市)の代表理事で、研修の講師を務める小山千景さん(51)から朗らかに励まされ、母親はほっとした様子だった。

 LDの長女は計算が不得意で、初対面の人と接するのも苦手。高校卒業後、民間企業に就職して窓口業務を担当していたが、入社半年後、初対面の顧客と接するのがつらくて「辞めたい」ともらすようになった。

 配置転換を希望し、現在は接客業務のない部署で勤務を続けているそうだ。「娘もやがて職場で先輩になる。人とかかわる力を高められるよう、私がうまく教えてやりたい」と母親は話す。



子供たちも受講へ たけのこは会員約100人。1990年から子供たちが社会で自立できるように勉強会を開くなどしてきた。マナー研修は8月から始まり、30人の母親が名刺交換や接客など計12回の講義を受けている。来年は子供たちも受講する予定だ。



 福岡県春日市の女性(44)は「子供の能力を生かしたい」と受講した。高校2年の長女(16)はアスペルガー症候群の診断を受けており、場の空気を読んで行動することは苦手。だがこれまで簿記検定や英検など八つの資格を取得し、コンピュータープログラマーを目指している。

 同市の別の母親(46)の高校3年の長男(17)は、読み書きに障害があるディスレクシア。いじめにも遭ったが、好きな料理の道に進むため調理専門学校の試験を受ける。この母親は「親がいなくなった後のことが不安。常識やマナーをしっかり教えて社会に送り出したい」と話した。



 少しずつが大切



 小山さんは以前、福岡市のビルメンテナンス会社で社員教育を担当した。仕事はまじめなのに対人関係で苦労する障害者を見て、2月に同法人を設立。障害者を雇用する企業へのアドバイスも行っている。

 「日頃から家族で少しずつ訓練することが大切。お子さんが企業の戦力として自立できるように、一歩一歩やっていきましょう」。小山さんはこの日の研修で力強く呼びかけた。

 ▽一般社団法人・JSマネジメントネットワーク 092・603・6285

 ▽たけのこ ホームページはhttp://fuktakenoko.web.fc2.com/



 求職者倍増も就職1・4倍



 厚生労働省によると、発達障害者が全国のハローワークで求職を申し込んだ件数は、昨年度は562件で06年度(284件)の約2倍に増加。しかし就職件数の伸びは110件から153件と1・4倍にとどまっている。

 障害者雇用促進法は、企業に一定割合の障害者を雇用するよう義務づけているが、発達障害者は含まれておらず、雇用対策はまだ十分とは言えないのが現状だ。



 家庭で実践 意味大きい/納富・福教大教授


障害者への特別支援教育が専門の納富恵子・福岡教育大教授=写真=に、研修の意義を聞いた。

     ◇

 企業側の視点も取り入れて、発達障害者を大切な人材として育てていこうとしているところが素晴らしい。

 発達障害者は能力に偏りがあり、社会への適応が難しいが、マナーや対人関係の力がつけば社会に貢献できる。

 2007年度に特別支援教育が本格的に始まり、子供が障害に応じた教育を受けられるようになった。しかし一般の中学、高校では就労を前提としたマナー教育までは十分に手が回らないのが実情だ。社会性は日常生活で繰り返し実践することで身につくもので、一緒に住む親が日頃から教えることは大きな意味がある。



 ◆主な関連イベント



 公開講座「生き生きと暮らす大人になるために、家庭で育てたい力」 14日午後1時、下関市秋根南町の勝山公民館。NPO法人・シンフォニーネット主催。自閉症の子供を持つ角田みすずさんらが講演。先着順で50人。無料。(電)090・3635・4910

 シンポジウム「発達障害者のライフステージにおける支援」 28日午後1時、福岡市中央区の西日本新聞会館。主催は教育と医学の会。黒木俊秀・肥前精神医療センター臨床研究部長がコーディネーターを務める。無料。(電)03・3451・5665

発達障害

 先天的な脳の機能障害で、症状が低年齢期から表れる。対人関係に問題を抱え言葉の発達なども遅れる自閉症▽読み書きや計算が困難な学習障害▽自閉症と似ているが言葉の発達遅延は見られないアスペルガー症候群▽衝動的に行動しがちな注意欠陥・多動性障害(ADHD)――などがある。

(2009年11月9日 読売新聞)」

障害者雇用条例化…「未達成企業と取引しない」

2009年11月11日 | Weblog
2009年11月07日 13時38分55秒記載

URL http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/20091107-OYO8T00366.htm  



「全国最悪レベルとなっている大阪府の障害者の雇用情勢を改善するため、橋下徹知事は6日の記者会見で、「法定雇用率未達成企業とは取引しない」宣言を発表した。来年4月以降、未達成企業が2年をメドに改善しない場合、企業名を公表し、府が発注する事業の入札参加停止や、補助金申請の制限などのペナルティーを科する。

 府から業務を受注したり、補助金を受けたりする企業約700社が対象。先月制定された「障害者雇用促進条例」などに基づき、障害者雇用促進法で義務づけられた法定雇用率1・8%を満たさない企業に対し、障害者雇用の受け入れ計画の作成を義務づける。橋下知事は会見で、「厳格なルールを周知徹底し、障害者雇用日本一を目指したい」と述べた。

(2009年11月7日 読売新聞)」

障害者 解雇の荒波

2009年11月11日 | Weblog
2009年11月07日 13時35分58秒記載

URL http://www.yomiuri.co.jp/national/yuragu/yuragu091030.htm  



「「明日から来なくていい」 「うちの会社もぎりぎり」

 

 わずかに改善したものの、依然厳しい水準で推移する完全失業率や有効求人倍率。中でも障害者雇用は厳しい波に翻弄(ほんろう)されている。2008年度に解雇された障害者は07年度の約1・8倍の2774人。今年度も8月までの5か月で1173人と、02年度以来のハイペースに。慣れ親しんだ職を失えば、再就職が難しいのが実情だ。



98人面接 採用4人



 名古屋市障害者雇用支援センター(名古屋市熱田区)には昨秋以降、失職した障害者からの相談が相次ぐ。

 今年8月、ビル清掃をしていた50歳代の知的障害者の男性が解雇されたと相談に来た。経費削減を理由に契約解除されたといい、センターの担当者が会社と交渉したが、「うちもぎりぎりの状態」と言われ、復職はかなわなかった。

 スーパーに勤めていた18歳の男女は、今年1月、新年会の席で上司から「明日から出てこなくていい」と解雇通告された。2人とも昨春、養護学校を卒業したばかり。驚いた親が会社に問い合わせたが、「経営上の問題」という説明を受けただけ。

 同センターの宮崎潔所長は「知的障害者の場合、事情がすぐ理解できず、その場で反論できないことが多い。だから簡単に解雇通告される面もある」と憤る。

 以前は、全体の8割近くを占めた自動車関連など製造業の求人が今はほとんどない。他の職種に活路を見いださざるを得ないが、「障害者の場合、職種替えは簡単ではなく、それだけに職業訓練が重要」と宮崎所長。現在、センターでは限度いっぱいの36人が職業訓練を受け、希望者15人ほどが待機している状態だ。

 東京都江戸川区の「区障害者就労支援センター」は3月、障害者を対象に企業面接会を開催。都内外から8社が参加し、障害者98人が面接に臨んだが、4月までに採用されたのはわずか4人だった。同センターは12月にも面接会を開く予定だが、福岡徹所長は「不景気で求人を抑えている企業が多い」と話す。

 一方、離職しても雇用保険の失業給付をすぐに受けられないケースも多いという。同センターで職業訓練を受けていた17人が今年度上半期に就職に成功したが、7人が離職。その多くは、離職から3か月間は雇用保険の失業給付を受けられない「自己都合」での離職とされた。しかし、センターが離職者に理由を聞くと、「不景気で会社の雰囲気が悪くなり、人間関係に疲れた」「勤務時間が大幅に短縮され、働く意欲を失った」との回答が多かったという。

(2009年10月30日 読売新聞)」