おじさん山伏です

修験道の修行から見た心の散歩です。
アイヌのアシリ・レラさんからの命名です。
「キムン・マタギ」になりました。

大山蓑毛に 怖-い!閻魔大王がいます。

2013-01-30 | 日記


大山蓑毛の宝蓮寺の茶湯殿(ちゃゆでん)に
十王像が祀られています。
十王信仰は、平安時代に始まりました。

死者の霊を百一日の茶湯で供養する「百一日参り」に
供養に行くと必ず死者に似た人に会えると伝えられています。



私たち日本人は、死ねば地獄に堕ちると考えています。
血の池や針の山、賽の河原で石を積む情景は、
私たちの脳裏に鮮やかに焼き付けられています。

誰も死んだことがないのに、見てきたように地獄のイメージを語るが、
そこに大きな影響を及ぼしたのが『往生要集』です。

源信は、942年に大和国葛城郡当麻村で生まれ、
9歳で比叡山に入り、慈慧大師に師事して13歳で得度受戒します。
37歳から著述活動を始め、44歳で『往生要集』を著しています。

念仏による極楽往生を説き、生涯をかけて仏教の布教に努めました。





宝蓮寺さんの「十王像」からの紹介です。
閻魔大王の話は、昔から聞いていましたが、
像として初めてみました。
一般公開は、秋の祭礼のときです。

みのげ宝蓮寺に御嶽神社、大日堂、不動堂、茶湯殿があります。
みのげのバス停から川を渡ったすぐの所にあります。
特に、茶湯殿には、死後冥界で餓えと渇きに苦しむ亡者を救い、
成仏へも力を与える茶湯供養の寺として知られています。

最初に
秦廣王(しんこうおう)
 初七日(七日目・6日後)に裁きを行う。
 不動明王。
 自分が生きることの「意味」「価値」「使命」を知る精進をしたか。



初江王(しょこうおう)
 二七日(14日目・13日後)に裁きを行う。
 釈迦如来。
 どれだけの功徳を作る精進をしたか



宋帝王(そうていおう)
 三七日(21日目・20日後)に裁きを行う。
 文殊菩薩。
 迫善の功徳があったか



五官王(ごかんおう)
 四七日(28日目・27日後)に裁きを行う。
 普賢菩薩。
 悪業に対して断罪の精進をしたか。
 業の秤によって量る。



閻魔王(えんまおう)
  五七日(35日目・34日後)に裁きを行う。
  地蔵菩薩。
  知る精進。完成精進。
  迫善の功徳があったか



変成王(へんじょうおう)
  六七日(42日目・41日後)に裁きを行う。
  弥勒菩薩。
 過去の善悪を判定する。
  双木の側に三つの道は分岐している。



太山王(たいざんおう)
  七七日(49日目・48日後)に裁きを行う。
  薬師如来。
  仏法の精進。仏道の精進。



平等王(びょうどうおう)
  百か日(100日目・99日後)に裁きを行う。
  観音菩薩。
  生の精進。人格の精進。
  仏法を信じ、眼前の無常を信じ功徳を積んだか



都市王(としおう)
  一周忌(2年目・1年後)に裁きを行う。
  勢至菩薩。
  仏法の精進。
  自分が生きることの「意味」「価値」「使命」を知る精進をしたか。



五道転輪王(ごどうてんりんおう)
  三回忌(2年目・1年後)に裁きを行う。
  阿弥陀如来。
  存命中仏法を信じたか 仏道を精進したか
  迫善の功徳があったか。



地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
 死後の世界において亡者の行う行(ぎょう)即ち菩薩行を同行して
 亡者の苦を救う菩薩



もう一人怖いおばさん
三途の川の渡し場で着着をはぎ取る婆
葬頭河の婆(そうずかのばば)



ひろ さちやさんの「お経から人生を学ぼう」から
ひろ先生は、僕は大好きなひとです。
仏教哲学の啓蒙家です。

この中で、怖い閻魔大王の正体は、
優しい地蔵菩薩なんです。






それはどうしてかといえば、
やさしい地蔵菩薩の姿のままで
死後の世界にやって来た亡者に接すると
亡者が自己の生前の悪行を反省しないからです。

閻魔王が亡者の裁きをする前に、
彼は煮えたぎる銅汁を飲むそうです。
別段、煮えたぎる銅汁が彼の嗜好品ではありません。

煮えたぎる銅汁は閻魔王ののどを焼き、
彼は七転八倒の苦しみを味わいます。
彼はその苦しみを通じて、
裁かれる側の亡者の苦しみを味わっているのです。



一段高い所に立って、
下にいる被告を裁く。

それは、大乗仏教の精神ではありません。
裁かれる人間の苦しみ・悩みを
味わえる者だけが相手を裁くことが出来るのです。

いや同じ苦しみを味わった者は、
相手を裁くことなんてできませんよ。

「一切衆生の病を以て是の故に我病む」
(いっさいしゅうじょうのやまいをもって
  このゆえにわれやむ)  維摩経から





少し抹香臭くなりましたね。
ねこちゃんの顔を見て楽しんで下さいね。







「マッジカ・ニカ-ヤ」のお釈迦さんの言葉。

過去を追うな。
未来を願うな。
未来はまだやって来ない。
だから現在のことがらを、
現在においてよく観察し、

揺らぐことなく動ずることなく
よく見きわめて実践すべし。
ただ今日なすべきことを熱心になせ。
誰が明日の死のあることを知らん。




お釈迦さまは死後のことは言っていません。

ありがとうございました。











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