新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

行き過ぎたパワハラの類いがあったとは

2024-07-19 07:07:23 | コラム
時代錯誤の業界なのでは:

今朝程は「貴方のXXXのパスワードが使われました」との警告の通知があって、この分野に不慣れなディジタル・ディバイド世代に属する高齢者は早朝から右往左往させられて、午前4時には既に疲労困憊状態だった。「何で、俺如きを狙うのか」と嘆き節。

その際にYahooニュースで発見した文春オンラインに、中古車販売で業界2位のネクステージの若き社員が、業務の負担に耐えかねて自殺されたという何とも痛ましいニュースがあった。見た瞬間に思い浮かべた、話の筋は違うかも知れない四文字熟語は、「苛斂誅求」だった。

昭和一桁生まれである我々の世代では、寡聞にして、社業で会社と上司の苛酷な追求や叱責や不当で過剰な負担に耐えかねて、遂には自殺にまで追い込まれた者がいたという例があった記憶はない。だが、奇妙なカタカナ語である「パワーハラスメント」(パワハラ)を遍く普及させてしまった現代では、虐めによる児童や生徒たちの自殺もあれば、このような実務担当の社員の自殺の報道が多くなってきた。時代に遅れてしまった私には良く解らない現象なのだ。

アメリカの会社からリタイアして30年、日本の会社を離れてから52年も過ぎてしまった私には、現在のように「先輩、後輩」の関係が重要視され、社内での上下関係が非常に尊重されているかのような時代の流れは、理解を超えてしまった。新聞やテレビの報道からしか情報を得られない現時点では、「上司乃至は上役が迂闊に部下を叱責するとか、厳しい言葉遣いで指導することがパワハラとされるようだ」としか認識できていない。

私には「いや、上に立つ者には我々が経験していた時代よりも、遙かに大きな部下を指導する権限が与えられているかのようにも思えると同時に、現代の若者と言うのか青年たちなのか解らないが、上からの指導というか一寸した圧力には耐えられないような育てられ方をされてきたのか。上に立っている者たちはその脆弱性を弁えずに、不当であり且つ余計な指導をするのか」等と思えるのだ。

文春オンラインにはこの若き社員は「会社を辞めたくても辞めさせて貰えなかった」という記述があった。読んでいて感じたことは「これでは、一頃の体育会における上下関係のような仕組みを、会社組織にまで持ち込んでいる、勘違いではないのかと言いたくなるような組織があるのか」だった。

ビッグモーターでの件を知ると、この業界は時代錯誤なのではないかと思わせられた。伊藤忠商事がビッグモーターの買収に乗り出したが、ここで必要なことは財政的な会社の建て直しも然る事ながら、上司乃至は経営者が社員を苛斂誅求するような時代錯誤の観念から脱却させることを優先する必要があると思えるのだが。

そう思うのは誤りかな。さらに言えば「時代錯誤の風潮を一掃することは他の業界にも適用できるのでは」なのだ。


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