スポーツの面白さと恐ろしさを堪能した:
W杯のバスケットボール:
我が代表がオーストラリアに押さえつけられて100点ゲームで負けたのは残念だったが、FIBAのランキング3位がその気になって攻めてくれば仕方がなかった。オーストラリア代表は我が方が持てる力を出せないように攻守共に圧倒してきていた。
フィンランド戦が絶好のスカウティングの資料を提供したのだろう、特に3ポイントシュート攻撃という武器を徹底して押さえ込んでいたと見えた。。
それはフィンランド戦で富永と河村が発揮した3ポイントシュートをほぼ完全に封じきって点に如実に表れていたし、身長とスピードの差をこれでもかと見せつけていた。その辺りはリーバウンドの強さと、スティールにも出ていた。私に特に目立っていたことは、オーストラリア勢が嘗てサッカーで見せていた体格を活かした荒々しさまでを前面に打ち出して、身長と体格に劣る我が方を威圧していたことだった。
あのオーストラリアを本気にさせて、20点差まで追い上げた我が代表の善戦健闘を讃えたい。残る2試合を勝ちきってオリンピック出場権を取って見せて欲しい。
セントラルリーグの野球2試合:
往年の仕事仲間だったHH氏が熱烈なDeNAのファンなので、昨夜の対阪神戦は今永が何とかするかとジャイアンツ嫌いは希望を持って見ていた。一方ではDeNAに半ゲーム差まで迫ってきた読売が広島のホームグラウンドで、何処まで迫るかも注視していた。途中で知ったことは読売では岡本と復活の兆しが見えて厄介な梶谷が登録抹消だったことで、これは原監督には悪いがDeNAにとっては良い材料だと見ていた。
野球という競技の面白さと恐ろしさはDeNAの9回表と、広島の8回表の攻撃に「こういうこともあるものか」とばかりに現れていた。当方は9回にはDeNAは一頃の神通力を失った関根と、当たっていない佐野に打順が回っているので、半分以上諦めてトイレに立ってしまった。だが、戻って画面を見れば、何と2対2の同点。そこに出てきた牧が岩崎の低目の投球を掬い上げれば高く上がって、風にも乗ってホームランになった。
この予期せざる展開は「佐野が関根ではなくて安打で出ていた蛯名を置いて2ランホームランを打った」のだそうだ。勝負とはかくも少しの先も読めないし解らないものなのである。HH氏がさぞかし満足していただろうと思っていた。
読売である。チャンネルを変えた場面で投げていたのが、原監督に秘蔵の左打者押さえ込み用のみに価値がある高梨だった。その高梨は制球力に難があると見ていた。その為か何か、日ハムが手放したと勝手に決めていた。その高梨が四球で走者1・2塁にした。代打で出てきた末包は右打者。解説の赤星かアナウンサーは「右でも代えないのか」と言った時に、カメラは原監督の顔を映し出した。動かなかった。そして末包のホームラン。采配の誤りだっただろう。
広島の新井監督は8と9回の裏を島内と矢崎で抑えきって逃げ切って見せた。栗林はブルペンにも出ていなかった。読売は岡本が出ていなかったのは苦しかったようで、代打に2軍にいたとかで真っ黒に日焼けした、ソフトバンクがお払い箱にした40歳の松田宣浩を代打に出してきた。野村再生工場という褒め言葉がその昔言われていたが、原監督はそこまでの境地には達していなかったのか、松田は凡退した。
私はこの敗戦の原因は「原監督の一瞬の躊躇」というか「頼りにして重宝に使ってきた左投げの高梨の使い方を誤ったこと」にあると見ている。あの場面で右の田中千か菊池を使っていたら、末包のホームランは出ていなかっただろうが、これとても「だろう話」に過ぎない。「一瞬」の判断の誤りが試合を左右してしまう辺りがbaseballの怖さだと見せてくれた場面だった。
最後に高梨を「左投げ」と形容して「サウスポー」としなかった訳を。この言葉は戦後に「左投げをアメリカではこう言っている」と何処かで誰かが言い出して、未だに使われているカタカナ語。これをアメリカ人との話の中で使ったら「君は良くそんな古い言葉を知っているな」と褒められて笑われた。即ち、アメリカ人たちは長島名誉監督が使われる「レフティ」か「レフトハンデッド」は使うが、サウスポーを使うのを聞いた記憶はない。これは日本語なのだ。