失望・落胆なのである:
記憶をたどれば1978年頃に贔屓するようになり、熱心な日本大学アメリカンフットボール部、フェニックスを応援するようになっていた者としては、今回の合宿所で発見された植物片と錠剤が大麻であり覚醒剤だったという案件は、残念とか失望とか落胆という表現ではとても追いつかないとんでもないことだった。
特に二男が90年までの全日本選手権であるライスボウル三連覇の時の一員であり、フェニックスを良く知る身としては大きな衝撃だった。警察の取り調べの結果が出た後では大学当局もフェニックスの処置を決められるだろうが、彼らを良く知る人たちの間では最悪の判断が下されることを懸念する声が上がっている。
この件の報道が始まって以来、ずっと注意して聞いて且つ見ている。フェニックスを理解し応援してきた経験から言えることがある。それは、テレビ局のコメンテーターの方々の中には「あの5年前に内田監督が指示をして宮川にプレー終了後に関西学院ファイターズのQB奥野に当たり行かせたプレーを『悪質タックル』と呼び、フェニックスを悪辣なプレーをする集団」の如くに決めつけたことには、フットボールを知る者としては正当性に欠けていると思っている。
あの問題が日大を追い詰めていく過程で、田中前理事長の脱税や不当蓄財を暴き出すことになり、日本大学を悪の巣窟の如くに叩くことが普及してしまった。結果的にフェニックスも「悪」であるかのようにテレビで発言する識者も今回現れていると言えば誤りか。フットボールの試合の中で監督が選んで選手にやるように指示したプレーが、ティームそのものが悪だったからと結びつけるのは、誤った論旨の飛躍だと見ている。「そういう悪の集団だから、今回の事件が発生したのだ」と言いたかったようなコメントがあったのは、残念なことだった。
だが、警察の分析で大麻と覚醒剤と判明した以上、応援する者としても擁護することは出来ない。何とも残念な事態である。私と同学年だった故篠竹幹夫監督は日本選手権を20回近くも制覇したフェニックスを彼独特の精神論で鍛え上げられた。私が知る限りでは、フェニックスは滅多に反則をするティームではなかった。強豪であっても、何時見ても綺麗な試合振りだった。「そのフェニックスが何故」としか言いようがない。
これ以上何も言いたいことはない。成り行きを静かに見守っていくだけだ。