製作地 アフガニスタン ガズニー州 ハザラジャート南部エリア
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 パシュトゥーン系の遊牧民
アフガニスタン中央部にひろがる山岳高原地帯”ハザラジャート”の南部エリアで遊牧生活を行うパシュトゥーン系遊牧民の手による婚礼用の刺繍掛け布。
紫の絹地をベースに、多色の絹糸と撚銀糸による刺繍がミラーワークを交えて施され、布縁には多色ビーズを編みこんだフリンジ装飾が彩り加えております。流麗な線描刺繍ボタンホールステッチの変形ラダーステッチにより極めて細密かつタイトに刺し込まれ、色遣い・刺繍デザインに独自に様式美と完成美が薫ってまいります。
布上に散りばめられた花モチーフと羊及び羊の角のモチーフの数々、遊牧生活の平安と豊穣への祈りが込められたものであり、祈りの作品ゆえの濃密な空気感・精神性に心を奪われます。
●本記事内容に関する参考(推奨)文献