製作地 カンボジア ※タイで製作された可能性あり
蒐集地 カンボジア
製作年代(推定) 16世紀~18世紀
素材 ブロンズ(青銅)
サイズ 横幅(最大部)2.6cm、縦(中央部)4.8cm、重さ16g
カンボジア(※)で16~18世紀に作られた青銅製の”仏像”・彫金アムレット。
この舟形の青銅製彫金作品は、片面に”菩提樹・ナーガの下の坐仏”、もう片面に歩く姿の仏様”遊行仏”が浮彫されたもの、サイズ及び意匠からアムレット(持念仏)的なモノとして手掛けられたことが推察されます。
片面に見られる”菩提樹・ナーガ・坐仏”の配置・デザインは、アンコール期~ポストアンコール期に手掛けられた”せん仏(及びその青銅製型)”に近しい表情があり、青銅の質感を併せカンボジア製作と考察されるところですが、もう片面の女性的な優美なフォルムの”遊行仏”(背面姿で描かれている)は明らかにスコータイ様式の影響であり、本品の製作地がタイである可能性が指摘されるところとなります。
磨耗の具合やパティナ(緑青)の風合いから相当の長きにわたる年月を経たものと判断できる品モノ、彫金の表情はどこか妖艶で格調高く、信仰の宇宙観に惹き込まれる一品です。