気ままに

大船での気ままな生活日誌

福田平八郎と日本画モダン

2012-06-08 09:48:03 | Weblog
福田平八郎の”漣”が何となく気に入っていて、実物を観たいと思っていた。3年前、葉山の近代美術館で”画家の眼差し、レンズの眼”展にも展示されたのだが、訪ねたときは展示時期の関係でみることができなかった。その後、散歩の途中で、いたずらに川や池の漣を撮って、平八郎の絵はがきとくらべたりして楽しんだりした(汗)。その絵が山種美術館に来ているというので、早速、観に行ってきた。

福田平八郎の”筍”に出迎えられ、入ったすぐの展示室に、2曲1隻(157×184cm)の、その屏風絵は待っていてくれた。

淡い銀色の水面に、群青色の無数の漣が目に飛び込んでくる。手前はとぎれとぎれの短い漣。奥にゆくにつれ、漣は繋がり、次第に太くなってゆく。目が、身体が、自然と湖の奥へ奥へと引き込まれてゆくような感じ。釣り好きの福田は、ある日、琵琶湖で釣り糸をたらしていた。なかなか動かぬウキから、視線を湖水に向けると、そこには、微風で拡がった、何とも、うつくしい漣がどこまでも続いていた。それがこの絵を描くきっかけとなったようだ。葉山の展覧会では、岡本東洋の写真”漣”と並べて展示されたが、実際、この写真も参考にして、この絵を描いたとのことだ。



一章 福田平八郎

”筍” 真っ黒な筍の皮と輪郭だけの落ち葉 もっと黒い色にと思ったとのこと


”柿紅葉” 思い切った色彩のものとして忘れられない、と作者の言葉


”花菖蒲” 今にぴったりの絵


二章 日本画モダン
(琳派へのオマージュ)

加山又造 ”千羽鶴” 山種美術館のロビーを飾る壁画となる


 (主題の再解釈)
川端龍子 ”真珠” モデルさんは使わなかったとのこと


 (大胆なトリミング・斬新なアングル)
郷倉和子 ”花と壁”


 (構図の妙)
山口蓬春 ”夏の印象”


(風景のデザイン化)
杉山寧 きれいな滝だこと


山田申吾 ”宙” きれいな雲だこと


後期には、ちらしを飾った、”雨”が展示される。この絵も好きになりそう。また、来よう。

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