気ままに

大船での気ままな生活日誌

奈良の古寺

2008-03-08 11:06:16 | Weblog
二月堂の”おたいまつと声明”を見聞した翌日、我々は、三つの奈良の古寺を訪ねました。奈良と京都では対抗意識があるそうです。うちの方が古い都です、と奈良の人が自慢すると、京都の人は奈良は田舎どす、と反発するそうです。

たしかに奈良は田舎どす。でも、それがとてもいい感じどす。秋篠寺、不退寺そして大安寺を訪ねましたが、どのお寺も、なつかしいような田舎の小道を歩いた先にひっそりと佇んでいました。

秋篠寺では、一目惚れしてしまった仏像さんにお会いしました。技芸天立像(重文)です。お姿がしなやかで、お顔がまた、おやさしく、天女のようです。あつめの唇をわずかに開き、お歌いになっているようにみえます。歌といえば、お名前の技芸天のように、芸能、芸術関係の女神さまなのです。我が国、唯一の技芸天だそうです。お仕事や趣味で芸能、芸術に関わっている方は、奈良に来られたときには是非お寄りください。技芸天女さまがすっかり気に入ってしまい、下僕になってしまいました(笑)。ボクの好きな仏像ベスト3の中に一気に入りました。あとの二つは何かって?教えません(笑)。講師の方によると、頭部は天平時代の乾漆造りで、体部は鎌倉時代の寄木造りだそうです。バランスがとても良いので、おそらく体部が相当残った状態のときに造ったのではないかとのことでした。



秋篠宮さまの、宮名はここからきているそうです。加えて、技芸天さまが紀子さまに似ているというので、ご成婚の年は、来訪者が多かったそうです。それと、ボクは、このお寺の南門を入ってすぐの木立に囲まれた苔の庭にもすっかり魅せられてしまいました。何度でも訪れたいお寺の一つになりました。




そして、在原業平建立の不退寺。業平さん自身が造られたという仏像、聖観音菩薩立像(重文)が存在感を示していました。”世の中に たえて櫻の なかりせば 春の心は のどけからまし” の作者らしく、桜の一木造りだそうです。ふっくらとしたお顔、豊満だけどくびれのある(笑)身体つき、髪につけたリボンの飾りも粋ですね。
本堂前お椿がきれいでした。”不退転”の覚悟で進もうと思ってる人は是非お参りしてくださいね。



そして最後は大安寺。秘仏、馬頭観音立像の開扉ということで見学しました。あまり知られていませんが、このお寺は日本最古の寺のひとつなのです。聖徳太子が祈りの道場として建てた”熊擬精舎”が前身で、奈良時代には国の筆頭寺院として887人の学僧を有していました。あの鑑真和上を唐から呼び寄せた普照もここで学んでいたのです。最澄も空海もです。
”大安”寺ということで、仏滅の日にしか、結婚式の日取りをとれなかった人が、よくお参りに来られるそうです(本気にしないでくださいね)。



京都もいいけど、奈良もいいどすね。暖かくなったら、飛鳥や斑鳩の里も歩きたいどす。
コメント
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