ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

訳してみよう万葉集(75)ひさかたの

2012年07月30日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その75>

●題材歌
ひさかたの あま露霜つゆじも 置きにけり 家なる人も 待ち恋ひぬらむ
                       ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・六五一)

●現代訳

① ―

②いつのまにか 露や霜のおく秋になってしまいました。家で留守をしている娘たちも、私の帰りを待っていることでしょう。 

③露霜の置く季節になった。あの大和の坂上の家に残してきた人も、きっと私の帰りを待って、恋しがっていることだろう。

④久方の天の露霜もおく時刻となったことだ。家の人もあなたを待って恋うていることでしょう。

⑤見れば、夜も更け、天空からの露があたり一面に置いております。家にいる人も今頃あなたを待ち焦がれていることでしょう。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

 もう帰り 露や霜かて 置いてるで 家で待つ人 心配しとる》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その75>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【枕と我れは】へ




訳してみよう万葉集(74)百済野の

2012年07月26日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その74>

●題材歌

百済野くだらのの 萩の古枝ふるえに 春待つと りしうぐひす 鳴きにけむかも
                         ―山部赤人やまべのあかひと―(巻八・一四三一)


●現代訳

① ―

② ― 

③百済野の萩の古枝に、春を待つとて止まっていた鶯は、もう鳴いただろううかなあ。

④百済野の萩の古枝に春の到来を待っていた鶯は、もう鳴き始めただろうかなあ。

⑤百済野の萩の古枝で、春の到来を待ってじっと留まっていた鷺、あの鷺は、もう鳴きはじめたであろうか。

⑥百済野の 萩の枯れ枝に 春の訪れを待って じっと留まっていた鶯は もう鳴き始めただろうか

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《百済野の 萩の古枝 止まってた 春待ちどりは もう鳴いたかな》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その74>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【萩の古枝に】へ




訳してみよう万葉集(73)ぬばたまの

2012年07月23日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その73>

●題材歌

ぬばたまの けぬれば 久木ひさきふる 清き川原に 千鳥しば鳴く
                          ―山部赤人やまべのあかひと―(巻六・九二五)

●現代訳

①夜が更けわたると久木の立ち茂っている、景色の良い吉野川の川原に、千鳥が頻りに鳴いている。

②夜が更けたので、久木の生えている景色のよい河原で、千鳥がしきりに鳴いています。

③夜が次第にふけて行くと、昼間見たあのキササゲの木の生えている清い川原で、千鳥がしきりに鳴いている。

④ぬばたまの夜がふけ果てると、久木のはえる清らかな川原に、千鳥がしきりに鳴くことよ。

⑤ぬばたまの夜が更げてゆくにつれて、久木の生い茂る清らかなこの川原で、千鳥がちち、ちちと鳴き立てている。

⑥ぬばたまの 夜がふけていくと ひさ木の生えている 清らかな川原で 千鳥がチチ、チチと ひっきりなしに鳴いている

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

よる更けた 久木えてる 川原かわはらで 千鳥鳴き声 しきりにとる》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その72><その73>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【千鳥しば鳴く】へ




訳してみよう万葉集(72)み吉野の

2012年07月19日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その72>

●題材歌

み吉野の 象山きさやまの 木末こぬれには ここだもさわく 鳥の声かも
                          ―山部赤人やまべのあかひと―(巻六・九二四)

●現代訳

①吉野の象山の木立の繁みには、実に沢山の鳥が鳴いている。

②吉野の象山のこずえには、たくさんの鳥が鳴いています。

③吉野の象山の際の木末で、たくさん鳴き騒いでいる鳥の声であることよ。

④み吉野の象山のあたりの梢には、多くさえずりあう鳥の声がひびくよ。

⑤み吉野の象山の谷あいの梢では、ああ、こんなにもたくさんの鳥が鳴き騒いでいる。

⑥み吉野の 象山、その山あいの 木々の梢で こんなに賑やかにさえずる 鳥たちの声です

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《吉野山 象山きさやま木立ち こずえさき 鳥無数いっぱいに さえずる朝や》

さあ あなたの訳は 如何ですか?





訳してみよう万葉集(71)葛飾の

2012年07月16日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その71>

●題材歌
葛飾かづしかの 真間まま入江いりえに うちなびく 玉藻刈りけむ 手児名てこなし思ほゆ
                         ―山部赤人やまべのあかひと―(巻三・四三三)



●現代訳

① ―

② ― 

③葛飾の真間の入江の波になびく美しい藻を刈ったという、美しい手児名の姿が偲ばれることだ。

④葛飾の真間の入江になびいている美しい藻を刈ったろう手児名のことが思われる。

⑤昔、この葛飾の真間の入江で、波に靡く美しい藻を刈ったという手児名のことが、はるかに偲ばれる。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《葛飾の 真間の入江で 藻ぉ刈った 手児名てこなのことが 偲ばれるがな》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その70><その71>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【真間の手児名が】へ




訳してみよう万葉集(70)我も見つ

2012年07月12日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その70>

●題材歌
我れも見つ 人にもげむ 葛飾かづしかの 真間まま手児名てこなが おくどころ

                          ―山部赤人やまべのあかひと―(巻三・四三二)

●現代訳

① ―

②昔から有名な、葛飾の真間の手児名のお墓を、今私は見ました。人にも聞かせてあげましょう。

③私は見た。人にも語り伝えよう。葛飾の真間の手児名の墓どころを。

④私も見た。人にも語ろう。葛飾の真間の手児名の眠っているあたりよ。

⑤私もこの目でたしかに見た。人にもここだと語って聞かせよう。葛飾の真間の手児名のこの墓処を。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《わし見たで 皆におせたろ 葛飾の 真間の手児てこの 墓あるあたり

さあ あなたの訳は 如何ですか?





訳してみよう万葉集(69)田子の浦ゆ

2012年07月09日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その69>

●題材歌
田児の浦ゆ うちでて見れば ま白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける

                          ―山部赤人やまべのあかひと―(巻三・三一八)

●現代訳

① ―

②田子の浦に出て見ますと、真っ白に富士の頂上に雪が降っています。 

③田子の浦をずっと出はずれて仰ぎ見ると、真っ白に不尽の高嶺に雪が降り積もっていることだ。

④田子の浦を通って出て見ると真っ白に富士に高嶺に雪が降っていたことだ。

⑤田子の浦をうち出て見ると、おお、真っ白に富士の高嶺に雪が降り積もっている。

⑥田子の浦を通り、眺めのよいところに出てみると、真っ白に、富士の高嶺に 雪が降り積もっている

⑦田子の浦を通って出て見ると ーー富士山だ 峰には白雪が降っていた

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《田子の浦 回って見たら パッと富士 山上やまうえ白う 雪降っとるで》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その69>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【田子の浦ゆ】へ




訳してみよう万葉集(68)黙居りて

2012年07月05日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その68>

●題材歌

黙然もだをりて さかしらするは 酒飲みて 酔泣ゑひなきするに なほかずけり

                           ―大伴旅人おおとものたびと―(巻三・三五〇)


●現代訳

① ―

② ― 

③黙っていて賢しらぶった行ないをするより、酒を飲んで、酔って泣いている方がましだよ。ああ、ましだよ。

④余分なことをいわずにりこうぶった振舞いをするのは、酒を飲んで酔っ払って泣きごとをいうのに、やっぱり及ばないのだなあ。

⑤黙りこくって分別くさく振る舞うのは、酒を飲んで酔い泣きをするのに、やっぱり及びはしないのだ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《澄まし込み かしこるより 酒飲んで 泣いてる方が まだ増しちゃうか》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その62><その63><その64><その65><その66><その67><その68>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【黙居りて】へ




訳してみよう万葉集(67)生ける者

2012年07月02日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その67>

●題材歌

けるひと つひにも死ぬる ものにあれば この世なるは 楽しくをあら

                           ―大伴旅人おおとものたびと―(巻三・三四九)


●現代訳

① ―

② ― 

③生者必滅と言う通り、人間いつかは死ぬのだから、この世にある間だけなりと、面白おかしく暮らそうよ。

④生きている者は結局は死ぬことわりなのだから、この世にいる間は楽しくこそ生きていたい。

⑤生ある者はいずれ死ぬものであるから、せめてこの世にいる聞は酒を飲んで楽しくありたいものだ。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《人何時いつか 死ぬと決まった もんやから 生きてるうちは 楽しゅう過ごそ》

さあ あなたの訳は 如何ですか?