ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(16)かしこき相人

2014年02月24日 | 七五調 源氏物語



かしこき相人そうひと
      ―高麗こま観相かんそうかしげ―





来たる高麗人こまびと その中に
すぐ観相人かんそう ある聞くも

宇多てい決めし いましめの
異人 宮中 禁じ故

お世話使いの 右大弁うだいべん
子なりとして ひそやかに
鴻臚館こうろかんへと お連れ

                          【右大弁】
                          ・太政官右弁官局の長
                          ・従四位相当
                          ※太政官=国政の最高機関
                          ※右弁官=兵部、刑部、大蔵、宮内を管轄
                          【鴻臚館】
                          ・外国使節を接待する館
                          ・京都・太宰府に設けられた



観相人かんそう驚愕がくし 首かし

 国の治めの 親となり
 帝王ていおう位 昇り為す
 そう持ちたるの 人と見る

 く成るものと 占えば
  民は苦しみ 国乱る

  そうは成らずと 朝廷の
 柱石はしらとなりて あめの下
 政治まつり補佐人ほさと 占うに

 斯様かような相は 見え来ずて
  これも無きやに 思われる」


博識なりし 右大弁うだいべん
肝胆かんたん互い 照らすにて
かさなる通い 交わしごと
興味 深きの 多かりし

文のわしの 重なるに
帰国日取りの 近きて

高麗人こまびと若君わかへ 作りたる
稀相きそう御子みこなに 逢いたるの
  嬉しに別れ 惜しかる」の
詩文 渡すに 若宮は
床しき 詩句を 作り為し
高麗人こまびとめて 贈り物

応えるかにや 朝廷みかどより
たまわり物の 数多あまたかず

みかど経緯いきさつ 漏らさねど
おのずと噂 広がりて
次春宮とうぐう祖父の 右大臣みぎおとど
思惑ありや 疑念




「さすが高麗人こまびと 観相人かんそうぞ」

以前さきに我国 観相人かんそう
同じき見立て すにより
若宮わかの親王 宣下せんげの儀
控え 居りしが 「やはりかや」

                          【親王宣下】
                           正式の皇族の一員たるべき「親王」を称することを許す宣旨を下すこと










後見こうけん無しの 身にしての
 無品親王むぼんしんのう 忍びない
 われの治世も 分からぬに
 臣下として 朝廷みかど補佐
 為すが将来ゆくすえ 守護まもる道」

決断だんみかど 若宮に
多方面なる 学奨励すすむ

才能さいの聡明 こうじるに
 臣下くだすは 惜しかれど
 親王たらば 次春宮とうぐう
 さん疑念の 招くにて

 宿曜道すくようどうの 秀人すぐれにも
  (占星術)
 占わせしに 高麗人こまびと
 同じきとに 出たからは)

思い決して 「みなもと」の
かばね授けを お決心きめ

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