ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(19)この君の御童姿

2014年03月06日 | 七五調 源氏物語




この君の御童姿わらわすがた
      ―元服為すの源氏君げんじきみ



わかわらわの 髪形かみかたち
変える に未練 ありしかど

よわい十二の 元服の
日迎えみかど お手ずから
世話し式例しきれい 更増しの
儀式たらんと おぼ










先年せんねん第一皇子いちみこ 元服の
紫宸殿ししんでんでの 立派なる
評判 高き 儀式にも
劣らず なるの ものにてぞ

所々しょしょに催す 祝宴も
任に当たるの 内蔵寮くらつかさ
穀倉院こくそいんなど こぞりてぞ
規定きまり遂行すすめは 簡素な」と
特命ありて ぜい尽す
儀式 となるに 進め為す

                    【紫宸殿ししんでん
                      内裏の殿舎の一つ
                      即位、長賀、節会などの公式の儀式を行う場
                    【内蔵寮くらつかさ
                      中務省に属し宮中の宝物 帝の装束などを納める倉を管理
                    【穀倉院こくそういん
                      宮廷行事における宴膳をまかなう役所


みかどお住まい さいます
清涼殿に 加冠かかんの場
東廂ひがしひさしに しつらえて

東向きての みかど椅子
冠者かんざの席と 加冠かかん
左大臣席 前に











申の刻なり 座す源氏君げんじ
 午後四時)
角髪みずら結いたる 表情や
童顔わらわがおなる 色つやは
髪形かたち変えるに 惜しばかり

ぎ役の 大蔵卿おおくらきょう
 よらかなるの 髪切るの
心苦しげ  顔したる
ご覧みかどは 今さらに

桐壺更衣こうい見たらば・・・」 思いしも
いいやならじと こらえ為す


                    【大蔵卿おおくらきょう
                      大蔵省の長官
                     大蔵省=諸国から納める「調」などの収納・管理等を掌る役所



加冠かかんを終えて 休息所
そこでお着替え さいまし

でて東の 庭りて
拝礼舞はいれいまいを 演ずるに
涙落とすの 同座みな

みかど格別 たまらずて
ふと忘れいた 桐壺更衣こういとの
昔思い 悲しくと

 若にての 髪上げは
美損そんずやの 気掛かりも
案に相違の 新愛あいらしげ
加えなされ し お姿に

加冠かかん役なる 左大臣さのおとど
妻はみかどと 同母なる
皇女なりしが そのした
大切だいじ育ての 娘して

かね次春宮とうぐう きさきにと
所望ありしを 逡巡ためらう
源氏君きみ妻合めあわせ かんがうに

みかどに向けて そのむね
奏しご意向 うかがうに

「元服なした あとにても
 適す後見人こうけん 無き故に
 そちなる娘 添臥そいふし
 してそのまま あと婿に」
うながしたるに 腹ぞ決む


                    【添臥そいふし
                      春宮・皇子などの元服の夜、公卿の娘を添い寝させること



最新の画像もっと見る

コメントを投稿