ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(20)侍所に罷で給ひて

2014年03月10日 | 七五調 源氏物語




侍所さぶらひまかたまひて
    ―加冠かかん左大臣おとどに賜わるは―


拝礼舞はいれいまいを 終えしのち
休息所 にて 時過ごし
皆の御酒みき召す 宴席へ
席は親王 次席ならびせき

隣に座すは 左大臣さのおとど
今夜こよいのことと ソと耳も
気恥ずかしさに 返答へんさず













折しも内侍ないし 伝えしは
左大臣ひだりおとどを 召す宣旨せんじ

                         【内侍ないし】=内侍掌なおしのじょう
                          ・内侍所の三等官
                          ・その第一席が宣旨を伝える役
                         ・(=勾当こうとうの内侍)

ろく下げ渡し 取り次ぎの
てい付き命婦みょうぶ 捧げるは
慣例なりし 大袿おおうちぎ
御衣おおんぞたぐい 一領ひとそろい
(帝衣服)

                         【大袿おおうちぎ
                          禄(祝儀)として賜わる袿 裄丈ゆきたけが大きく 着るときは普通の袿に仕立て直す
                         ※うちぎ表衣うえのきぬである狩衣かりぎぬ直衣のうしの中に着る衣

酒杯さかづきたまう おついでと
みかど念押し 左大臣おとどへと

  幼子の
    元服為すに
  末永の
   契る次第を
    知らしめししや

                           いとけなき
                             初元結もとゆいに
                            長き世を
                            ちぎる心は
                              結び込めつや

お心遣い  胸沁みて
  
  元服の
    折の契りの
      末長ごは
     誓い言葉の
      守れる限り

                           結びつる
                            心も深き
                              元結もとゆひに
                             濃き紫の
                             色しせずは






席をくだりし 左大臣
庭にり立ち 拝礼舞まいを舞う

終えし左大臣おとどに 更にまた
左馬寮ひだりめりょうの 馬一頭
蔵人所くろうどどころ 鷹一羽
手ずから 褒美 下げ渡す

                         【左馬寮ひだりのめりょう
                           馬の飼育・調練・馬具調達を掌る馬寮の一つ
                           太政官直属の官司
                         【蔵人所くろうどどころ
                           帝直属の役所
                           宮中諸行事の取り締まり


階段きざはし根方 親王みこ達と
上達部かんだちめらが 居並びて
ろく賜わるに 列を為す

この日お礼と 源氏君げんじから
みかど献上 品々の
折櫃物おりひつものや 籠物かごもの
(折り詰め料理類)(果物類)
右大弁うのだいべんが ご用意に

官吏 の者に 与えなす
屯食とんじき並び 唐櫃からひつ
(強飯握り飯) (絹入り箱)
 こそ庭も 狭しとに

次春宮とうぐう元服 時よりも
 も多くて 更にまた
この上無くの 盛大ごうかにて


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