■宇迦斯兄弟 待つ宇陀は
宇陀を根城の 二人賊
宇迦斯なる名の 兄弟
服従うかやと 伊波礼比古命
八咫の烏を 使者にと
遣るに兄宇迦斯 射て返し
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/15/c07822ce2bea8a480c840915dcbba056.jpg?random=236b925be14963f9cf07bf09ae570126)
待ちて撃たんと 部族呼ぶに
足らず然らば 策にてと
仕掛け天井 設えて
虚言言いて 誘い込み
圧死狙いの 悪巧み
神の御子知る 弟宇迦斯
兄の企み 悉とく
注進及び 平伏す
兄宇迦斯討ての 下知為すに
命受く一人 道臣命
これ大伴 連祖先
大久米命 今一人
これ久米直 祖先なるの
二人兄宇迦斯 呼びつけて
「我ら待遇すに 如何為や
汝れが屋敷に 先ず入れ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/30/8cbd6640e1ce80ab7706f1352437a9b3.jpg?random=fbfc2c9e81658dfca0ee0199a11aaf3d)
大刀柄握み 矛で突き
矢番え責めて 入れたれば
己が策略にと 嵌り死す
征伐終えて 謡う歌
宇陀の狩り場に 鴫罠仕掛け
待つが鴫鳥(=伊波礼比古命) 掛からずて
なんと鯨(=兄宇迦斯)が 掛かったわ
宇陀の高城に 鴫罠張る
我が待つや 鴫は障らず
勇強し 鯨障る
本妻(=兄宇迦斯)が煮炊き菜 乞うたらば
貧弱ソバグリを くれてやれ
萎み実無しを 山ほどに
本妻が 菜乞わさば
立柧棱の 実の無けくを
多量ひえね
側妻(=弟宇迦斯)が 煮炊き菜 乞うたらば
成熟イチイガシ 与え為せ
それもたっぷり 余る程
側妻が 菜乞わさば
聖栄木 実の多けくを
豊富ひえね
―古事記歌謡(十)―
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/ba/c7fc17cf5626dd37713bb1fa92eac84e.jpg?random=6363a45966c51a7d1e5ab44a076ee230)
あゝ馬鹿者め ざまぁ見ろ
あゝいい気味だ お笑い草よ
ええ しやごしや 此は いのごうぞ
ああ しやごしや 此は 嘲笑うぞ
宇陀を根城の 二人賊
宇迦斯なる名の 兄弟
服従うかやと 伊波礼比古命
八咫の烏を 使者にと
遣るに兄宇迦斯 射て返し
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/15/c07822ce2bea8a480c840915dcbba056.jpg?random=236b925be14963f9cf07bf09ae570126)
待ちて撃たんと 部族呼ぶに
足らず然らば 策にてと
仕掛け天井 設えて
虚言言いて 誘い込み
圧死狙いの 悪巧み
神の御子知る 弟宇迦斯
兄の企み 悉とく
注進及び 平伏す
兄宇迦斯討ての 下知為すに
命受く一人 道臣命
これ大伴 連祖先
大久米命 今一人
これ久米直 祖先なるの
二人兄宇迦斯 呼びつけて
「我ら待遇すに 如何為や
汝れが屋敷に 先ず入れ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/30/8cbd6640e1ce80ab7706f1352437a9b3.jpg?random=fbfc2c9e81658dfca0ee0199a11aaf3d)
大刀柄握み 矛で突き
矢番え責めて 入れたれば
己が策略にと 嵌り死す
征伐終えて 謡う歌
宇陀の狩り場に 鴫罠仕掛け
待つが鴫鳥(=伊波礼比古命) 掛からずて
なんと鯨(=兄宇迦斯)が 掛かったわ
宇陀の高城に 鴫罠張る
我が待つや 鴫は障らず
勇強し 鯨障る
本妻(=兄宇迦斯)が煮炊き菜 乞うたらば
貧弱ソバグリを くれてやれ
萎み実無しを 山ほどに
本妻が 菜乞わさば
立柧棱の 実の無けくを
多量ひえね
側妻(=弟宇迦斯)が 煮炊き菜 乞うたらば
成熟イチイガシ 与え為せ
それもたっぷり 余る程
側妻が 菜乞わさば
聖栄木 実の多けくを
豊富ひえね
―古事記歌謡(十)―
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/ba/c7fc17cf5626dd37713bb1fa92eac84e.jpg?random=6363a45966c51a7d1e5ab44a076ee230)
あゝ馬鹿者め ざまぁ見ろ
あゝいい気味だ お笑い草よ
ええ しやごしや 此は いのごうぞ
ああ しやごしや 此は 嘲笑うぞ