ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

訳してみよう万葉集(42)秋の田の

2012年03月19日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その42>

●題材歌

秋の田の きに寄れる かたりに 君に寄りなな 言痛こちたくありとも
                         ―但馬皇女たじまのひめみこ―(巻二・一一四)


●現代訳
① ―

② ― 

③秋の田の稲穂の向きが 一方に片寄る そのようにひたすらあの方に寄り添いたく思います たとえ人の口の端がうるさくても。

④秋の田の稲穂の向きが風に靡くように 一方に心を靡かせてあなたに寄りたいことよ。いかに評判をたてられても。

⑤秋の田の稲穂が一方に片寄っているその片寄りのように、ただひたむきにあの方に寄り添いたいものだ。どんなに世間の噂がうるさくあろうとも。

⑥秋の田の稲穂の向きが一方に片寄るように そんな風にあなたにばかり寄り添いたいのです どんなに人の噂がきつくても

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《なにやかや 五月蝿うるそう言われ つらいけど あんた寄りたい 稲穂いなほみたいに》

さあ あなたの訳は 如何ですか?


訳してみよう万葉集(41)>籠(こ)もよ

2012年03月15日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その41>

●題材歌

もよ みち 
      くしもよ みくしち 
   この岡に ます児 
         家聞かな 名らさね 
そらみつ 大和やまとくに
       おしなべて 我れこそ
      しきなべて 我れこそませ
           我れこそはらめ 家をも名をも
                         ―雄略天皇ゆうりゃくてんのう―(巻一・一)



●現代訳
① ―

② ― 

③籠よ 美しい籠を持ち へらよ 美しいへらを持ち この岡に菜を摘む娘よ。あなたはどこの家の娘か。名は何という。そらみつ大和の国は すべてわたしが従えているのだ。すべてわたしが支配しているのだ。わたしこそ明かそう。家がらも わが名も。

④おお、寵よ、立派な籠を持って、おお、堀串よ、立派な掘串を持って、ここわたしの岡で菜を摘んでおいでの娘さん、あなたの家をおっしゃい、名前をおっしゃいな。霊威満ち溢れるこの大和の国は、隅々までこのわたしが平らげているのだ。果てしもなくこのわたしが治めているのだ。が、わたしの方から先にうち明けようか、家も名も。

⑤籠よ籠を持ち 堀串よ堀串を持って この岡で 菜をお摘みの娘さん あなたの家は何て言うの? あなたの名は? さあ名告って下さいね。さて この私はと言うと この大和の国は しっかりと 私が領有しているのさ。はっきり取り仕切って 私が治めているのさ。私の家も名も ざっとこう名告っておこうよ。

⑥籠もよい籠を持ち 土を掘るヘラもよいヘラを持って
この私の丘で若菜を摘んでいらっしゃる娘さん あなたの家をおっしゃい
名を名乗ってくださいな
大和の国は 押しなびかすように すっかり私が治めている 敷きなびかすように
隅々まで私が支配している 私こそは名乗ろう 家をも名をも

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

かごさげて
      良えくし持って
   みしておる そこなる娘
         何処どこじゃ 名はなんちゅうか》

《ここのうるわし 大和の国を
   おさめおるんは このわしなるぞ
         仕切っておるは わしこそなるぞ
       わしも名告るぞ 名前も家も
           (お前も名告れ 名前と家を)》

さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その41>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

もよ みち】へ




訳してみよう万葉集(40)秋の田の

2012年03月12日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その40>

●題材歌

秋の田の 穂のらふ 朝がすみ 何処辺いつへかたに わがこひまむ
                         ―磐姫皇后いわのひめのおおきさき―(巻二・八八)


●現代訳
①秋の田の稲穂の上にかかっている朝霞がいずこともなく消え去るごとく 私の切ない恋がどちらの方に消え去ることが出来るのでしょう それが叶わずに苦しんでおるのでございます

② ―

③秋の田の稲穂のあたりけぶっている朝霞 それはやがて消えて行くのだが そのように どちらの方向へ散らしたら 私の恋心は消えて行くのだろうか。散らしようはないのだ。

④秋の田の稲穂の上にかかる朝霞のように わが恋の晴れる方はどことてない。

⑤私の田の稲穂の上に立ちこめる朝霧ではないが、いつになったらこの思いは消え去ることか。この霧のように胸のうちはなかなか晴れそうにない。



⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《穂の上に 漂う霧や この恋焦こがれ 何時いつになったら 消えるんやろか》

さあ あなたの訳は 如何ですか?
さて <その37><その38><その39><その40>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【わが黒髪に】へ




訳してみよう万葉集(39)ありつつも

2012年03月08日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その39>

●題材歌

ありつつも 君をばたむ 打ちなびく わが黒髪に しもくまでに
                         ―磐姫皇后いわのひめのおおきさき―(巻二・八七)


●現代訳
① ―

② ―

③このままじっとして あなたを待っていよう。私の黒髪に暁の霜が降りてくるまでも。

④居つづけてあなたを待っていよう。長く靡くこの黒髪に霜がおくようになるまででも。

⑤やはりこのままいつまでもあの方をお待ちすることにしよう。長々と靡くこの黒髪が白髪に変わるまでも。

⑥ ―

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《死ぬもんか 生き続けたる あんた待ち うちの黒髪 しろなるまでも》

さあ あなたの訳は 如何ですか?




訳してみよう万葉集(38)かくばかり

2012年03月05日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その38>

●題材歌

かくばかり ひつつあらずは 高山の 磐根いはねきて 死なましものを
                         ―磐姫皇后いわのひめのおおきさき―(巻二・八六)


●現代訳
① ―

② ―

③こんなにまで 恋い焦がれるくらいなら 高山の巌を枕にして死んだ方がよかろうに。

④このようにばかり恋に苦しんでいないで 高い山の岩を枕として死んでしまいたいものを。

⑤これほどまでにあの方に恋い焦がれてなんかおらずに、いっそのこと、お迎えに出むいて険しい山の岩を枕にして死んでしまった方がましだ。

⑥こんなに恋してばかりいないで いっそのこと 険しい山の岩の根もとを枕に 死んでしまったほうがよいのに

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《いっそ死の こんな恋焦こがれて 苦しなら 奥山行って 岩枕して》

さあ あなたの訳は 如何ですか?




訳してみよう万葉集(37)君が行き

2012年03月01日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その37>

●題材歌

君が行き 長くなりぬ 山たづね むかへか行かむ ちにか待たむ
                         ―磐姫皇后いわのひめのおおきさき―(巻二・八五)


●現代訳
① ―

② ―

③あなたがお出かけになって ずいぶん日数が経ってしまった。山を尋ねてお迎えに行こうかしら。それともひたすら待っていようかしら。

④あなたがおいでになってから日数も長く経った。山路をたずねて迎えに行こうか。それとも待ちつづけていようか。

⑤あの方のお出ましは随分日数が経ったのにまだお帰りにならない。山を踏みわけてお迎えに行こうか。それともこのままじっと待ちつづげようか。

⑥大君が行幸になられて もうずいぶんと日がたちました 山道を辿ってお迎えに行こうか それとも このままじっと待っていようか

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《あんたはん 行って仕舞しもうて なごうなる うちから行こか それともとか》

さあ あなたの訳は 如何ですか?