ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(18)御辺り去り給はぬを

2014年03月03日 | 七五調 源氏物語



あたり去り給はぬを
       ―藤壺慕う源氏君げんじきみ



「源氏のきみ」と なるお子は
みかどそばを 離れずと

繁く 渡らす 藤壺に
付きて参るに その姫宮みや
恥じ隠れも 随意ままならず








後宮みやに仕える きさき
 我れぞ」と思う 器量しも
若き盛り の 過ぎにしの
召され お年に 比ぶるに
若く 可愛げ 藤壺ぞ

                          【妃】
                          ・帝の夫人の総称
                          ・主として皇后・中宮
                          ・女御・更衣を含める場合も

見るに御簾みす陰 隠れるに
容易たやす拝見みつけの 源氏わか

桐壺更衣ははぎみお顔 しかととは
記憶おぼえさぬに 「似たるや」と
典侍ないしのすけが 申すとに
幼心おさなごころに 慕わしと
お思い なるか 参りたや
なつき見たやと 思うらし


みかど思うに 藤壺みや源氏げんじ
愛情おもい注ぐに 区別たがい無く

「そなたこの子の 母親はは似るに
 うとい避けずと まといしも
 礼無き取らず 可愛い
  顔立ち目元 さも似たり
 母子おやこと言えど とうるにて」

言い付け為すに 源氏わか
幼心おさなごころの 喜びを
花や紅葉もみじに こと寄せて
参りし折は お持ち


源氏のわかの お慕いを

藤壺みやと折り合い 悪しきにて
桐壺更衣こうい憎悪にくしの 思返かえりてや
不快思うの 弘徽殿こきでん



「世にたぐい無き」 とぞ見られ
世人よひと美貌きりょう 評される
藤壺みやと比ぶに 更増しと
つやと美々びびしく 愛らしに
わかを称すに 「光る君」

藤壺みやも並びて 寵愛おぼえまた
それぞれ 深く あるからに
 輝く日の宮」 呼ばれなる

最新の画像もっと見る

コメントを投稿