
いとど現世の
―成長皇子は参内に―
月日が経ちて 参内の
若宮対面 帝目に
現世とも無き 高貴なる
清ら美貌の 成長は
目映きまでと 映り為す
明けて若宮 四つの歳
次春宮定め 為すにつけ
帝密かの 胸内は
第一皇子越して 若宮と
されど後見 無しにして
世間承知の 筈も無く
受ける危害の 無く無しを
思いて気配 出さずとに
「寵愛極みと 思いしに
及び着かずも あるぞかし」
世人囁く 声聞きて
安堵会心 笑みたるは
弘徽殿女御 その人ぞ
悲嘆に暮れる 桐壺更衣母
慰む無しに 送る日々
桐壺更衣の許へ 早くだにと
尋ね行かんの 願いなの
届きしかやの お亡くなり
「長のお慕い 若宮を
残し先立つ 悲しみは
返す返す」と 申しつつ
伝え知らせを 聞きたるの
帝嘆きも 限り無く
六歳なりし 若宮は
既に着きたる もの心
嘆き慕うて 泣き給う
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